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FXの基礎

成行注文(なりゆきちゅうもん)とは

2018年9月24日

成行注文(なりゆきちゅうもん)とは、文字通り、成り行きに任せて発注することです。

「成り行きに任せて発注」ではイメージしづらいかもしれません。実際の取引画面を見ながら確認しましょう。

成行注文の発注方法

下は、「みんなのFX」の取引画面です。発注に必要な項目が、小さな画面にコンパクトに収められています。

左上に、赤枠を追加しました。「注文タイプ 成行」となっています。ここはプルダウン形式になっていて、色々な注文方法から選べるようになっています。

成行注文

注文タイプを成行にしたまま画面下を見ますと、青色部分と赤色部分に数字が書いてあります。これが、現在の為替レートです。

青色の部分(105.622)をクリックすると、この為替レートで売ることができます。赤色(105.625)をクリックすれば、買います。

取引画面に書いてある為替レートで、売買できます。これが成行注文です。とても分かりやすく、FXの最も基本的な発注方法です。

成行注文のデメリット

なお、この成行注文ですが、状況によっては少々困ったことが起きます。それは、「自分が売買したと思った為替レートと、実際の取引レートが異なる場合がある」からです。

これは、大きなデメリットかもしれません。

例えば、上の取引画面で、赤色部分をクリックしたとしましょう。私たちは、105.625円で買ったと考えます。

そして、実際にいくらで買ったのか、取引履歴を見ると、105.626円で買っていると出る場合があります。

0.001の差は例示ですので、実際には差がないこともありますし、もう少し大きい場合もあります。なぜ、このような差が起きてしまうのでしょうか。

インターネットの回線速度

私たちは、インターネット回線を通じてFX取引をしています。これが、発注価格と実際の取引価格に差が出る原因となります。

下の図は、インターネットを簡単に示したものです。

インターネット

例えば、FX業者が「米ドル円=100.000円」という数字を、インターネット経由で配信します。その数字は、スマホ画面やPC画面に表示されます。

それを見て、私たちは、「よし、買おう」と思ってタップします。

100.000円で買いますよという発注情報は、再びインターネットを経由してFX業者に伝わり、実際に売買が実行されます。

このインターネットが問題です。タップしてからFX業者に発注情報が届くまでに必要な時間は、0.01秒くらいかもしれません。しかし、ゼロではありません。

このわずかな時間に、FX業者が為替レートを変更したとしたら、どうでしょうか。

変更後の為替レートで取引が成立します。

為替レートは、目まぐるしく変化しています。よって、成行注文の場合、このような誤差は仕方がありません。

スリッページ

この、「発注したと思っていた為替レート」と「実際の売買レート」に差が出てしまうことを、スリッページと呼びます。

一般的に、スリッページは嫌なものです。

ただし、このスリッページですが、ユーザー側に有利に働く場合もあります。再び、例で考えましょう。

取引画面を見ると、100.000円でした。その価格で買おうとして発注画面をタップしたところ、実際の売買レートは99.998円だった、という具合です。

この場合、0.002銭お得に買えています。

昔のFX業界

今のFX環境は、とても良くなりました。と言いますのは、上のような、顧客に有利なスリッページも出るからです。

昔は、ひどい状態が横行していました。すなわち、顧客に有利なスリッページは全く発生せず、顧客に不利なスリッページが頻発するという状態です。

これでは、FX業者はぼろ儲けで、顧客は損してしまいます。

こんなことを書いてしまうと、成行注文で発注したくないと思うでしょう。しかし、今は大丈夫です。

金融庁の指導やFX業界団体の努力により、今では顧客に有利なスリッページも出るようになっています。

(どんな業界もそうでしょうが、業界が発展する段階では、変なことが横行しがちです。成熟してくると、健全になります。今のFX業界は健全です。)

成行注文のメリット

先にデメリットを書きますと、成行注文を使いたくないと思うかもしれません。しかし、ゆったり為替は、成行注文を中心に使っています。それは、メリットが大きいからです。

メリットは、発注すれば取引が成立することです。

は?という感じかもしれませんが、これは重要です。FXには、発注しても売買が成立しない「約定拒否」という制度があります。

例えば、「100.000円で買いたいです!0.001銭でもズレるのは嫌です!」という発注をするとしましょう。この場合、FX業者の配信レートによっては100.000円を提示できず、取引不成立になる場合があります。

確かに、0.001銭であっても、希望の為替レートとズレるのは面白くありません。しかし、約定拒否になってしまうのは、もっと嫌です。

為替レートよりも売買の成立を優先させたい場合、成行注文が活躍します。

中長期トレードでは、スリッページを無視できる

ゆったり為替は、中長期のトレードを好みます。中長期の場合、為替レートが少々ズレてしまっても、取引成績にはほとんど影響がありません。

例えば、中長期トレードの結果、300銭の利食いに成功したとしましょう。この場合、スリッページの0.001銭は、どれほどの影響があるでしょうか。

完全に無視して構わないレベルです。

また、スリッページには、顧客に有利な場合と不利な場合の両方があります。取引回数が増えていけば、トータルでスリッページの影響はゼロあたりになるでしょう。

という理由で、ゆったり為替は成行注文を多用しています。

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