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その他のトレード方法

FXの複利運用とは。その考え方

FXに限らず、トレードで資金を効率良く増やすには、複利運用が選択肢になります。そこで、実現可能性や方法などについて考察します。

複利運用とは

複利運用とは、獲得した資金を再度トレードに投入して、獲得資金を雪だるま式に大きくしていく方法です。

下は、自己資金100万円で、年間の利益率が100%の例です。

  • 1年目:100万円獲得(合計200万円)
  • 2年目:200万円獲得(合計400万円)
  • 3年目:400万円獲得(合計800万円)

1年目は、100%の利幅で100万円を得ました。3年目も100%ですが、獲得額は400万円となっており、投入した自己資金100万円を大きく超えています。

これが、複利運用です。

運用期間は、上の表のような年単位である必要はなく、1か月ごと、3か月ごとなどでもOKです。

複利運用できるための条件

では、実際にこんなことができるか?ですが、条件等を検討していきます。

条件1:資産を増やす能力

これが、最も大変な条件です。

計算上は雪だるま式に増えるといっても、それはトレードで資産を増やす能力があってこその話であり、損切りばかりでは資金が減る一方です。

この点でいえば、スワップポイント狙いの複利運用の方が、実行しやすいかもしれません。

毎日のスワップポイント益は小さいですが、プラスの成績を継続しやすいのがメリットです(ただし、含み損に注意)。

米ドル/円の場合

下は、くりっく365で米ドル/円を1万通貨買って保有した場合の、1か月間に得られるスワップポイントの推移をグラフ化したものです。

米ドル/円のスワップポイント

ごく稀にマイナスに転じた例がありますが、大半の月でプラスになっています。

上のグラフは、全く複利運用していません(単利運用)。当初資金を大きくしたり、1,000通貨から取引可能なFX会社で取引したりすれば、複利運用しやすいです。

すなわち、単利運用よりも大きな金額を得られるでしょう。

なお、グラフを見ますと、2000年代半ばや2018年くらいの数字なら、複利運用しやすそうです。

しかし、スワップポイントの数字は毎日変わりますから、少額にとどまる期間もあります。

よって、スワップポイントで複利運用するには、10年超を視野に入れた取り組みになるでしょう。年金の一部にするような位置づけです。

条件2:精神力

条件2の精神力も、なかなか大変です。具体的な数字で確認しましょう。当初の自己資金は10万円で、1年で資金を2倍にできるとします。

  • 1年後:20万円
  • 2年後:40万円
  • 3年後:80万円
  • 4年後:160万円
  • 5年後:320万円
  • 6年後:640万円
  • 7年後:1,280万円
  • 8年後:2,560万円
  • 9年後:5,120万円
  • 10年後:1億円以上

1年で資金を2倍にできるなら、10年で10万円を1億円以上にできるという計算です。

夢のある話ですが、実際に1年で2倍にする能力があっても、これを実現するのは難しいです。

例えば、トレードを始めて1年後の資金は、10万円のプラスです(合計20万円)。仮に、トレードがうまくいかなくて自己資金を全て失っても、損失は多額でありません。

給料やアルバイトで回復可能な額ですから、損失リスクを背負って取引可能です。

ところが、9年目終了時から10年目終了時にかけては、5,000万円を獲得するという計算です。相場の波乱があって大損失を計上するとしましょう。5,000万円の損。

この条件で、1年目と同じようにトレードできるか?です。給料やアルバイトで回復するには、あまりに厳しい金額です。

ほとんどの人はトレードできす、すなわち、上の試算表は絵に描いた餅となりそうです。

条件3:相場や法制度

条件3はオマケ的な感じですが、重要な項目でもあります。

どのトレード手法でも、得意な相場と苦手な相場があります。自分の手法が苦手とする相場が延々と続くと、収益機会に恵まれません。

その結果、トレード手法をマスターしていて精神力が強靭であっても、期待通りに資産が増えない状態があり得ます。

イライラしてしまい、つい大きな勝負をして大損失…になるかも。

この記事の上の方に掲載したスワップポイント表でいえば、2010年代前半が良くない期間です。プラスで推移していますが、収益の伸び率は期待よりもずっと小さいことでしょう。

また、法制度も見逃せません。法制度の変更により、自分のトレード手法が期待通りに機能しづらくなるという場面です。

例としては、以下の通りです。

  • FXのレバレッジ規制により、最大100倍までOKだったのが25倍に制約された。
  • 仮想通貨のレバレッジ規制により、2倍までしか取引できない状況に…。
  • 2011年にバイナリーオプションの制度が大幅に変更された。

というわけで、自分ではどうしようもない点もあり、運もある程度必要だと分かります。

利益率で比較

上の考察は、年利回り100%となっています。「ちょっと高すぎるのでは?」という可能性もありますので、年率20%の場合と比較してみましょう。

下は、年率100%の場合の資産成長の様子です。

年率100%

最初の5年くらいは、資産の成長が緩やかだと分かります。そして、後半になると一気に資産が大きくなります。

数字の増加幅がとても大きいので、強靭な精神力が必要となり、トレード能力があっても実行できないでしょう。

では、年率20%にしたら、どうなるでしょうか。その結果が、下のグラフです。

年率20%

年率20%ですと、資産の伸びがとてもゆっくりになります。そこで、横軸を20年まで伸ばしました。それでも、縦軸の単位は「万円」になっています。

年率100%の場合は、期間10年なのに縦軸の単位は「百万円」です。利益率が異なると、結果はここまで変わってきます。

年率20%の心境

では、トレードで資産を増やす能力がある人が、年率20%の複利運用をする場合、どんなことが起きるでしょうか。

  • 資産は増えているのだから、これで満足
  • トレード能力はあるのだから、もっと伸ばせるはず
  • (特に最初の10年は)資金の伸びが小さすぎてつまらない

現状に満足なら、問題ありません。

しかし、利率が小さいと、特に最初の5年くらいは資産がほとんど増えず、ガマンを強いられる展開もあり得ます。

能力はあるけれどガマンする…これは、とても辛いことです。

また、上のグラフは「毎年確実に20%を確保する」という前提のグラフになっており、実際には資産の伸びがずっと小さい場面もあるでしょう。

すると、一気に増やしたい!と奮発して取引してしまい、一気の大損もあり得ます。要するに、利益率が高くても低くても、複利運用は大変だということになります。

単利運用と比較

以上、複利運用は魅力的だけれど、実現するのは大変だという論旨で書いてきました。では、単利運用と比較した場合、どうでしょうか。

単利運用とは、獲得した資金を相場に再投入しない方法です。

当初の自己資金は10万円、1年間で2倍にする能力があるとしましょう。結果、成績は下の通りです。

  • 1年目の収益:10万円
  • 2年目の収益:10万円
  • 3年目の収益:10万円
  • 4年目の収益:10万円
  • 5年目の収益:10万円
  • 6年目の収益:10万円
  • 7年目の収益:10万円
  • 8年目の収益:10万円
  • 9年目の収益:10万円
  • 10年目の収益:10万円

1年で資金を2倍にできるのは素晴らしいですが、相場に投入する資金が毎回10万円ですから、獲得額に変化がありません。

この方法はつまらない感じもしますが、大きなメリットがあります。

それは、獲得した資金を相場に再投入していないので、大損しても資金が手元に残るという点です。

例えば、10年目のトレードで相場が急変してしまい、投入した10万円すべてを失ったとしましょう。しかし、9年目までに得た資金90万円が残っています。

全額再投入の複利運用だと、1回の大損失ですべてを失う可能性がある一方、単利運用だと、その心配はありません。

実現可能な複利運用

話をまとめますと、以下の通りです。

  • トレードで資産を増やせる能力が前提
  • 単純な複利運用は、精神力のハードルが高すぎる
  • 単利運用は収益が小さいものの、事故が起きても資金が残りやすい

そこで、この3つを考慮しつつ、実行しやすい複利運用の方法をご案内します。考え方のカギとなるのは、RPG(ロールプレイング・ゲーム)です。

RPGが好きな人は、日本に限らず世界中に大勢います。冒険などをしてキャラクターを操作すると、経験値が貯まっていき、レベルアップします。

レベルアップしたら、力や素早さなどのパラメータが増加し、より強い敵と戦えますし、より遠くに冒険できます。

ユーザーが楽しくいつまでもプレーできるように、必要な経験値やアップするパラメータの大きさは、細かく計算されています。

この考え方を、複利運用に応用します。

RPG的な例

以下、当初資金は10万円(レベル1)で、トレードで資金を増やす能力があるという前提で作った例です。

Lv. トレード資金 レベルアップ 安全資産へ
1 10万円 20万円 0
2 20万円 40万円 10万円
3 30万円 60万円 10万円
4 50万円 100万円 20万円
5 80万円 160万円 40万円
6 120万円 240万円 60万円
7 180万円 360万円 80万円
8 280万円 560万円 100万円
9 460万円 920万円 120万円
10 800万円 1,600万円 140万円

表の見方は、以下の通りです。

最初、Lv.1で取引を開始します。利食いして資金が増えても、トレード資金は10万円だとみなして繰り返し取引します。

その結果、資金は「レベルアップ」と書いてある20万円になりました…レベルアップです!

資金が2倍になったとはいえ、まだ金額が小さいです。そこで、資金全額をトレードに振り向けます(20万円)。

レベル2になった結果、トレード資金が10万円から20万円になりましたので、1回のトレードで持てるポジション数量が2倍になりました。

その結果、資金増加速度は速くなり、レベルアップの40万円に到達しました。

レベル3になりますが、資金全額を持ってレベル3に行くのではなく、銀行口座に10万円戻します(表の「安全資産へ」部分)。この結果、レベル3でのトレード資金は30万円となります。

こうすれば、何らかの理由で大損になってしまっても、10万円が安全に残ります。

以下、繰り返しです。資金が60万円になったらレベル4にアップし、資金のうち10万円を銀行口座に戻して、残りを使ってトレード再開です。

上の表では、資金が2倍になったらレベルアップとしていますが、実際に採用すると、なかなかレベルアップしなくて大変です。

そこで、「資金が20%増えたらレベルアップ」という感じで、適宜調整します。

RPG的な複利運用のメリット

この複利運用のメリットは、以下の通りです。

メリット1

レベルアップとはすなわち、自分の成長。ゲームでなく、現実世界での成長を実感できます。

メリット2

「次のレベルに行くぞ!」という具体的な目標ができます。何となく取引するより、実現可能な目標が目の前にある方が、取り組みやすいです。

メリット3

ロードマップが明らかなので、「早く大きく取引したい」という誘惑をはねのけて、少額から取引継続可能(いきなりの大きな取引は、大けがの元)。

メリット4

取引する過程で、レベルアップ条件を少しずつ修正することにより、自分にとって最適なレベルアップの基準を明示的に把握できます。

メリット5

どこかで大損になっても、自己資金を残します。

メリット6

どこかのレベルで息苦しくなったら、精神的に許容可能な取引金額を越えたかも。あえてレベルダウンして、自分にとって最適な取引金額を把握できます。

ゲームと異なり、現実世界では、努力したらどれだけレベルが上がったか、明示的に把握するのは難しいです。

学生なら、テストで〇〇点上がったという感じで把握可能ですが、社会人だと難しいです。

ここでご案内したRPG的複利運用を利用すると、現実世界での自分の成長を、数字で把握できるのでメリットが大きいです。

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