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長期トレード

チェココルナの特徴・トレード手法・安全性

ツイッターを使っていると、みんなのFXによるチェココルナ推しが目に留まります。そこで、チェココルナの特徴・値動き・安全性などを確認しました。

チェコの場所

チェココルナを検討するにあたって、チェコの地理的な条件を把握しておくと、この記事の内容を理解しやすくなります。

下の地図の通りチェコは中央ヨーロッパに位置しており、西はドイツ、南はオーストリアと接しています。すなわち、ユーロ圏諸国との貿易が活発であり、将来的にユーロを採用しようとしています。今はその準備期間中です。

チェコの地図

画像引用:Google Map

チェココルナの長期チャート

長期チャートを眺めて、値動きの全体的な傾向を把握します。

チェココルナ円

ゆったり為替は1970年代以降の表示を好みます。そこで、チェコ国立銀行(中央銀行)のホームページを確認したところ、1991年以降のデータを取得できました。よって、下のチャートは1991年以降を表示しています。

CZK/JPY

チャート全期間に共通する特徴は見つからないように見えます。しかし、2008年ごろからレンジになっており、この範囲でリピート系での取引を狙えました(下の赤枠)。

チェコクロナ円のチャート

直近はレンジを上方向に抜けています。15年近く続いたレンジが終了して上昇していますので、一般的には上昇圧力が強いと判断できます。そこで、チェココルナ円は上昇に注目するのが基本線になりそうです。

ユーロ/チェココルナ

チェコはユーロ圏と接していて経済的な結びつきが強く、そして将来的にユーロに加盟しようとしています。すなわち、チェココルナの値動きを把握するには対ユーロの値動きを確認すべきでしょう。

そこで、チェコ国立銀行から再びヒストリカルデータを取得してチャートを制作しました。

EUR/CZK

2000年前後から、チェココルナはユーロに対して強くなり続けたことが分かります。そしてリーマンショックあたりからレンジに移行して、現在に至ります。

チェコはユーロに加盟しようとしていますから、このレンジは偶然でありません。チェコの準備が進めば進むほど為替レートは安定していき、最終的にはチェココルナは固定レートでユーロと交換されます。

スワップポイント

世界的に金利が上昇する一方で日本は低いままですから、金利差が大きくなっています。このためスワップポイント狙いのトレードも検討できます。

正確にスワップポイントを考えるなら銀行間短期金利の考察が必要ですが、一般ユーザーがデータを取得するのは難しいです。そこで、各国の政策金利で代用します。政策金利は短期金利と直接的に結びついていますから、政策金利で考えても特に不都合はありません。

チェコの政策金利

チェコの政策金利

1990年代のチェコは大変な高金利だったことが分かります。しかし、旧ソ連圏諸国の混乱期ですから、この部分は省略して考えてもよさそうです。

2000年以降において金利上昇期間は3回あり、2000年代後半、2010年代後半、そして現在です。これは他の諸国と同じような傾向といえますが、直近の金利上昇は飛びぬけて高くなっており、これが特徴的です。

このため、チェココルナ円の買いポジションを持つと、スワップポイントはプラスになります。

日本の政策金利

日本の政策金利

チェコの政策金利と同一期間の推移を示しています。多少の上下はありますが概ね0%を中心に推移しており、世界的に金利が上昇した2022年においても日本では従来通りでした。

すなわち、円高反転に気を付けつつ、円売りでスワップポイント益を狙えるかもしれません。

ユーロ圏の政策金利

チェコとユーロ圏の政策金利

チェコはユーロ圏との結びつきが強いので、欧州中央銀行(ECB)の政策金利と比較します。ECBはユーロ圏の中央銀行に相当する機関で、ユーロ圏全体の金融政策を策定します。

上のグラフの通り、ユーロ圏とチェコは概ね同じような政策金利を採用してきたことが分かります。しかし、2010年代後半に差が大きくなっています。

2010年代後半、ユーロ圏に先駆けてチェコは金利を引き上げたものの、新型コロナウイルス問題を受けて急落下。そして、2020年代に入ってからは急上昇です。ECBも政策金利を引き上げているものの、その差はとても大きいです。

ユーロ/チェココルナの為替レート推移は安定していて金利差は大きいですから、スワップポイント狙いにちょうど良いということになります。ただし、日本でユーロ/チェココルナを取引できるFX業者は存在しないようです。

チェココルナ円のトレード手法(案)

以上の簡潔な分析だけでも、トレード手法案を複数作ることができます。

実際にトレードする際には、週足チャートや日足チャートを使ってもう少し細かく検討することもできますし、ゆったり為替のように月足チャートだけで大雑把に取引することもできます。

チェココルナ円の上昇狙い

チェココルナ円のチャート

すでに確認しました通り、チェココルナ円はレンジ相場が終了して上昇トレンドになっています。レンジ相場が15年近く継続しましたから、上昇圧力も大きいと想定でき、押し目などを狙うことができます。

ただし、どこまでも上昇すると考えるのは一般的でなく、通常はどこかに天井があるものです。月足チャートを確認しますと、2008年の高値7.3円が一つの目途になりそうです。

実際には7.3円を上回るかもしれませんし、下回るかもしれません。このため、7.3という数字に固執することなく、為替レートの動きに沿って柔軟に対応します。

チェココルナ円のスワップポイント狙い

もう一つは、スワップポイント狙いです。

世界的に政策金利が急上昇している中、日本は金利をなかなか引き上げられずにいます。すなわち、円売り外貨買いをするとスワップポイントはプラスになりますので、チェココルナ円でもスワップポイント狙いの買いを検討できます。

スワップポイントは、放置していても勝手に毎日もらえるのがメリットです。しかし、円高に反転するとスワップポイント益よりも含み損のほうが大きくなる可能性がありますので、ポジションを放置せずに為替レートを時々確認します。

チェココルナ円とユーロ円の合わせ技

チェココルナ円のスワップポイントは大きいものの、為替レートが今後も上昇してくれるか不明です。不明とはいえ、長期チャートを見ると現在は上昇トレンドですから、ある程度期待できるかもしれません。

そして、ユーロ/チェココロナの長期チャートを見ますと、為替レートが安定していて、さらにチェココルナのほうが強くなりながら推移しています。下はチャートの再掲です。

EUR/CZK

すなわち、この通貨ペアでチェココルナ買いができれば、チェココルナ円よりも為替変動リスクを抑えられるかもしれません。実際、チェコはユーロとの通貨統合を目指していますから、為替レートが安定しているのは偶然ではありません。

そこで、ユーロ円とチェココルナ円を同時に取引して、ユーロ/チェココルナの取引を実現する案を検討できます。

取引方法

取引方法は簡単で、チェココルナ円を買うと同時にユーロ円を売ります。この取引はチェココルナ/ユーロの買いと同じ効果を持ちます。下の計算式は何やらゴチャゴチャしていますが、この2つの通貨ペアの取引を1つの通貨ペアで表現したものです。

通貨ペアの合成

(CZK/JPY)/(EUR/JPY)=(CZK/EUR)

チェココルナ円で大きなスワップポイントをもらい、ユーロ円でスワップポイントを支払います。差額が収入になるという仕組みです。将来、どこかの時点でチェコとユーロの金利差が縮まったら、ポジションを閉じて取引終了です。

なお、この取引の主な注意点をみていきましょう(この記事内の注意点のほか、FX全般のリスクも該当します)。

注意点1:取引数量

当記事執筆時点の為替レートは、ユーロ円=142円くらい、チェココルナ円=5.8円くらいです。為替レート水準が大きく異なりますので、両通貨ペアで同じ数量だけ買うと取引金額の差が大きくなってしまいます。

例えば、ユーロ円が1%動いてチェココルナ円も1%動く場合、ユーロ円の影響力のほうが大きくなってしまいます。そこで、取引金額が同じくらいになるように調整します

取引数量の例

ユーロ円:1万通貨
チェココルナ円:24.5万通貨
取引金額:両方とも142万円くらい

チェココルナ円の取引数量がとても大きく見えるものの、これは為替レート水準が低いためです。この数字に抵抗がある場合は、両通貨ペアの取引数量を全体的に引き下げて調整します。

注意点2:スプレッド

ユーロ/チェココルナを直接買う場合、取引回数は1回で済みます。しかし、今回は2つの通貨ぺアを使っていますから、スプレッドを2回分負担します。

また、チェココルナ円はみんなのFXだけで取引できます。すなわち、FX業者間の競争が激しくないという意味であり、しかもマイナー通貨ペアですからスプレッドが広いです。このため、このスプレッドを賄うだけのスワップポイントを得るには、しばらく時間がかかります。

この期間を過ぎれば、あとはスワップポイント益が増え続けます。ユーロ/チェココルナはレンジながらもコルナ高の傾向ですから、含み益も期待できるかもしれません。

注意点3:チェココルナの安全性

3つ目は、チェココルナの安全性です。2008年のアイスランドクローナのように、相場が突然消滅してしまう可能性はどれくらいあるでしょうか。そこまで極端でなくても、経済が変調してチェココルナの価値が急速に失われる可能性はどれくらいあるでしょうか。

米ドルやユーロを取引する際、私たちは「米ドルは暴落して無価値になるかもしれない」と考えていないでしょう。米国は財政事情など多くの問題を抱えつつも、世界最大の経済大国ですから信用力はとても高いです。

では、チェコはどうでしょう。米国と同等だと考えるのは無理があるでしょうが、どの程度信用できるでしょうか。以下、チェココルナの流通具合やチェコの信用力を確認します。

チェココルナの流動性

流動性とは、「チェココルナは世界でどれくらい取引されているのだろう?」ということです。

流動性が大きければ大きいほど、何かショックがあっても売買可能です。逆に流動性が小さい場合には、世界的なショックがあるとスプレッドが極端に大きくなったり取引が一時的に停止されたりします。

アイスランドクローナの場合、流動性が極端に小さいところにリーマンショックが重なったのが不運でした。アイスランドの人口は40万人に満たないですから、この通貨を使う人口が少なくて流動性が枯渇しました。ちなみに、チェコの人口は1,000万人強です。

世界での取引シェア

チェココルナが世界でどれくらい取引されているか、世界シェアを確認します。この種のデータは国際決済銀行(BIS)が有効で、今回も使わせてもらいました。BISの報告書には、世界の金融市場での各通貨の取引高などが書いてあります。

下は、チェココルナが世界でどれくらい取引されているか、その割合をグラフ化したものです。BISの調査は3年ごとですので、横軸も3年ごとになっています。

CZK取引高

グラフが何も描かれていないように見えますが、描いてあります。0%に近い数字なので、横軸と重なっています。すなわち、世界の金融市場において、チェココルナはマイナー通貨の区分になります。

こんなに流動性が低いなら全然だめだと感じるかもしれませんので、実際の取引高を確認しましょう。下のグラフは1日あたりの取引金額で、直近の2022年では1日あたり290億ドルが取引されています。

CZK取引高

2001年調査では0になるかも…という状態でしたので、伸び率がとても高いことが分かります。それだけ経済活動が活発で、信用力も高まっていることを示しています。

(参考)四大通貨

参考までに、四大通貨の世界シェアを確認します。四大通貨とは、米ドル・ユーロ・円・ポンドです。

四大通貨のシェア

このグラフの通り、4つの通貨だけで70%台のシェアを占めていますから、その他の通貨のシェアがとても小さくなるのは仕方ないといえそうです。

なお、四大通貨は強いとはいえ、シェアが徐々に低下している様子も分かります。この原因は、ユーロと円のシェア下落です。日本の経済力が他国に比べて劣後しつつあるのは、もはや隠し切れない状態です。よって、円のシェア低下は分かりやすいでしょうが、ユーロも徐々に下がっています。

ユーロはギリシャショックで信用力が落ちてシェアを失い、そこから回復していません。PIIGS問題などが根本的には解決しておらず、これが市場参加者の信頼感回復を妨げているのでしょう。

四大通貨のシェアが下がった分、四大通貨の一角に割り込もうとしている通貨があります。人民元です。中国の伸長はこの分野でも顕著で、近い将来、五大通貨と呼ばれるようになるかもしれません。

ユーロ加盟の確実度

次に、チェコはユーロに加盟できるのかどうか確認します。現状は加盟していませんから、まだユーロの基準を満たしていないということになります。しかし準備中ですから、どこかの時点で基準を満たすと予想できます。

チェコ国立銀行の報告書

チェコのユーロ加盟の準備状況について、チェコ国立銀行の報告が2022年12月21日に公開されました。

マーストリヒト条約の基準

チェコ国立銀行の報告書によると、チェコ政府はユーロ導入期日を設定できていません。

準備未完了というのは良くないイメージである一方、トレードする立場から見ると良いことです。準備が完了するとチェココルナがユーロに統合されますので、チェココルナを取引できなくなってしまいます。

また、準備が完了していないのでチェココルナとユーロの間に差が生じており、それを利用してトレードすることができます。

なお、上の画像では2022年時点で赤の×が2つあります。それぞれ以下の通りです。

インフレ率

準備OKの基準は、「EU加盟国で最も素晴らしい3か国の平均値+1.5%以内」です。チェコはこの基準をまだ達成できていません。

金利

平均残存期間10年の国債金利についても基準があり、チェコは2022年に基準を外れてしまいました。政策金利が急上昇してしまいましたので、基準から外れたのは仕方ないでしょう。トレードする場合、この歪みを使って収益を狙います。

ユーロ側の評価

チェコだけでなくユーロ側の評価も確認します。2022年6月公表の欧州委員会のプレスリリースによると、以下の通りです。

  • 物価安定性の基準を満たしていない
  • 外国為替の基準を満たしていない
  • 財政基準を満たしている
  • 長期金利の基準を満たしている

このリリースは2022年6月時点の情報であり、当記事執筆時点で再度評価すると、長期金利の基準で評価が変わるかもしれません。楽観的でも悲観的でもない書きぶりです。

この2つの報告書では、チェコのユーロ加盟時期についてはっきりと分からないものの、将来的には加盟できそうな雰囲気を感じます。

国家としての信用度

次に、国家としての信用度(credit rating)を確認します。国家財政等について自分で調べるのも選択肢としてはあり得ますが、現実的だとは言いづらいです。そこで、格付会社の評価を使用します。

格付を分析する場合、現時点の評価を見るだけでは不十分で、過去からの推移をみる必要があります。推移を見れば、全体として信用度が上昇しているのか、それとも下がっているのかが分かります。

下は、主要な格付会社2社(S&P、Moody's)による格付をグラフ化したものです。

チェコの信用格付

AA-というのは、世界の中でも抜群に良い成績です。日本はAでしかも低下傾向ですから、credit raitngの視点で見るとチェコのほうが優秀だということになります。

トレード可否の評価

以上の考察を踏まえて、チェココルナのトレード可否を評価します。

確認した結果、チェコの経済状況等は悪くないと分かりました。仮にチェコの信頼度等がボロボロだったとしても、取引できるという事実が素晴らしいです。何か材料があっても、取引手段がなければどうしようもないからです。

何か材料があって、それをもとにトレードすれば期待通りになると想定できる場合、チェココルナで取引する価値があります。この記事で紹介しました各種情報も、材料に含まれます。

ただし、米ドルやユーロのような潤沢な流動性がない点に注意が必要です。スプレッドが広いのは、この流動性が原因の一つとなっているでしょう。そこで、取引する場合は米ドル円などと比べて十分に小さな数量で実行することになります。

チェココルナ円を取引できるFX口座

チェココルナ円を取引できるのは、当記事執筆時点で「みんなのFX」一社のみです。そこで、チェココルナ円が面白そうだという場合、みんなのFXでトレードします。

なお、当ブログ経由でシストレ口座を開設いただきますと、リピート系FXに関してのレポートがもらえます。下のバナーをクリックしてFX口座とシストレ口座を同時に口座開設し、レポートをもらってください。

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ちなみに、このレポートを公開してから時間が経過しており、もっと新しい情報や手法を知りたいと感じるかもしれません。その場合は、みんなのFXにお知らせください。みんなのFXから「書くべし」と私に指令が届きましたら、気合を入れて執筆します。

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