CFDとFXの違い

CFDとFXの違いですが、基本的に両方とも同じです。しかし、完全一致というわけではなく、異なる部分もあります。

そこで、先に異なる部分を確認し、次に同じ部分を見ていきましょう。

CFDとFXで違う部分

最も大きく異なるのは、取引対象です。CFDの取引対象は株価や商品(金銀等)であり、FXは為替レートです。

しかし、為替レートを取引対象とするCFDをFXと呼んでいるだけですので、本質的な違いはありません。便宜的に分けているという理解でOKです。

名前が分かれた理由

では、なぜFXだけ独立した名称があるのか?ですが、歴史を振り返りますと見えてきます。

1998年、日本版ビックバンと呼ばれた大幅な金融規制緩和が施行されました。これにより、日本でも個人向けFXサービスの提供が可能となり、FX分野で多くの企業が参入しました。

そして、2004年頃からスワップポイント狙いのトレードが大流行し、その後はトラリピに代表されるリピート系も流行しました。

そんな中、FX以外のCFDに参入する企業はわずかで、2000年代半ばになって、ひまわり証券がようやく参入するという状態でした。

その後、2000年代後半になって、ようやくCFDを取扱う会社が少しずつ増えてきたのですが、以上の経緯から、確固たる地位を築いたFXとは別物という認識になったという流れです。

おそらくは歴史の違いもあって、サービス内容に違いが出てきています。以下、その点を見ていきます。

取引可能な会社の数

すぐに分かる違いとしては、取引可能な会社の数です。FXでは数多くの会社があり、積極的に広告を出している会社を数えると、数十社は出てきます。

一方のCFDは、じっくり探さないと出てきません。例を挙げますと、以下の通りです。

  • GMOクリック証券
  • IG証券
  • 楽天証券
  • インヴァスト証券
  • くりっく株365 など

選択肢が少ないので、どの会社で取引しようか迷わずに済むとも言えますが、期待通りのサービスを展開してくれている会社が見つからない可能性も出てきます。

各社の比較につきましては、下の記事で検証しています。

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取引可能銘柄数

FXの場合、取引対象は外国為替に限られますので、取引可能な通貨ペアは数十という場合が多いです。一方、CFDの場合は極端に書くなら、値動きがあるものは何でも取引可能です。

そこで、株価指数や金銀といった商品だけでなく、個別株式でも取引可能です。ということは、全世界の上場株式は数多くありますから、銘柄数は何万にもなるでしょう。

しかし、実際に取引可能な銘柄数は10未満、という例が多いです。

これは、サービス提供に要するコストと実際の収入を比較検討した結果かもしれません。外国の個別株式でCFDを展開しても、取引してくれる顧客がいなければ、支出ばかりが膨らんで損失になってしまいます。

そこで、有名どころでサービスを展開しているということです。

CFD全体の人気が上昇してきたら、各社の取扱銘柄数も増えていくのでは?と期待できます。

ちなみに、IG証券は別格で、17,000以上の銘柄数を誇ります。IG証券は世界中でサービスを展開していますので、主な顧客はアメリカだったりヨーロッパだという銘柄であっても、日本でサービス提供が可能です。

取引可能時間

取引可能時間も、少し違います。FXなら24時間取引可能です(月曜日の早朝から土曜日の早朝まで)。

一方、CFDの場合は、銘柄ごとに異なります。日経平均の場合は、概ね朝8時30分~翌日朝6時50分くらいまでとなります(標準時間の場合)。すなわち、取引できない時間が1.5時間ほどあります。

この差が出る理由ですが、原資産が取引されている時間が異なるためです。原資産とは値動きの元となる銘柄のことで、FXなら外国為替、日経平均なら日経平均先物です。

外国為替の場合、世界中のどこかで常に取引されています。その取引価格を元にして、各FX会社は為替レートを顧客に提示します。

しかし、日経平均先物の場合、(1日に2時間弱という短い時間ではありますが)世界中のどこでも取引されていないという時間があります。

その時間は価格がついていないので、各社は顧客に価格を提示できません。

これが、取引可能時間の差となって現れます。というわけで、CFDでは銘柄ごとに取引可能時間が異なりますので、取引開始前に確認することが大切です。

調整額(スワップポイント)

CFDの場合、調整額が少々厄介かもしれません。FXの調整額とはすなわちスワップポイントですから、特に難しいことはないでしょう。

金利が安い通貨を売りつつ金利が高い通貨を買えば、スワップポイントはプラスになります。逆方向に取引すると、支払いが毎日発生しますので注意が必要ですが、難しいというわけではありません。

しかし、CFDの場合、調整額には3種類あります(価格調整額、金利調整額、権利調整額)。

さらに、ある銘柄では特定の調整額が発生しなかったり、同じ銘柄でも取引会社が異なると調整額の扱いも異なったりするという厄介さです。

以下、楽天証券とGMOクリック証券の2社で比較します。

2社で異なる部分

細かい部分かもしれませんが、同じ内容でも呼び方が異なります。GMOクリック証券の場合「調整額」ですが、楽天証券では「調整金」です。

また、3つの調整額のうち、GMOクリック証券で「権利調整額」と呼ばれるものは、楽天証券では「配当相当額」です。

下の表は、日経225を取引する場合の調整額の違いです。

会社名 価格調整額 金利調整額 権利調整額
GMOクリック証券 × ×
楽天証券 ×

両社で、完全に逆の扱いとなっています。値動きで利食いを狙うのがCFDですので、この調整額は脇役ですが、あらかじめ確認したい項目です。

スプレッド

スプレッドも、FXとCFDで異なります。FXのスプレッド競争は極限まで近づいており、しかも原則固定となっている例が珍しくありません。

一方のCFDの場合、競争はそこまで極限を迎えてはいないようです。そこで、原則固定スプレッドではありません。

ただし、楽天証券については、通常スプレッド制を採用しています(下の表の通り)。あらかじめ数字が公開されていると、分かりやすいので助かります。

銘柄 スプレッド
日本225(日本225先物) 5.0
米国30(NYダウ先物) 4.0
米国500(S&P500先物) 0.5
米国NAS100(NASDAQ100先物) 2.0
イギリス100(FTSE100先物) 2.4
ドイツ30(DAX先物) 6.7
ユーロ50(ユーロ・ストック50先物) 1.7

最大レバレッジ

FXの最大レバレッジは25倍ですが、CFDは種類ごとに異なります。各社ホームページを見ますと、以下の通りです。

  • 個別株式:5倍
  • 株価指数:10倍
  • 商品:20倍
  • バラエティ:5倍

すなわち、値動きが大きい銘柄の最大レバレッジは小さく、逆に、値動きが小さいものは最大レバレッジが大きくなっています。

よって、個別株式は5倍しかなくてつまらない、というわけではなく、株価自体の大きな値動きで利幅を狙いに行けます。

(値動きが大きい分だけ損失リスクも大きくなりますが、最大レバレッジで調整しています。)

売買手数料

CFDもFXも、スプレッドの中に売買手数料が含まれていますので、売買手数料を支払うことは一般的にはありません(リピート系FXなど自動売買系を除く)。

しかし、IG証券の個別株式においては、興味深いルールを採用しています。すなわち、スプレッドはゼロで、売買手数料を別途徴収する方式です。

このルールだと、固定スプレッド制を採用しているのと似た効果を得られるばかりでなく、売買手数料という名目で明示的に金額で把握できますので、確定申告で経費扱いが可能だと見込めます。

スプレッドなしの取引をしたい場合、IG証券の個別株が候補になります。

自動売買

FXの場合、各社から様々な自動売買ツールが公開されています。

  • リピート系
  • 選択式自動売買
  • インジケータのパーツを組み合わせる方式
  • MT4 など

それに比べると、CFDの自動売買は数えるほどしかありません。以下、例を挙げます。

楽天証券など

楽天証券などでは、取引ツールとしてMT4を採用しています。すなわち、MT4の自動売買プログラムを使ってCFD取引が可能です。

岡三オンライン証券

岡三オンライン証券では、くりっく株365の取引をする際、エクセルを使って自動売買が可能です(岡三RSS)。

ちなみに、岡三オンライン証券のくりっく株365口座を開設いただくと、3,000円をもらえます(当ブログ限定)。取引不要でもらえますから、取引リスクがないのでお得です。

自動売買をしたい場合は、楽天証券や岡三オンライン証券などが候補になるでしょう。

【関連記事】岡三オンライン証券の口座開設キャンペーン(取引不要で3,000円)

違いのまとめ

以上の比較を見ますと、CFDとFXでは異なる部分が多い、そしてCFDの方が厄介そうだと分かります。

しかし、その厄介さの原因は、CFDの銘柄数が多いからという理由が大半です(FXは外国為替という1種類のみ)。

ただし、調整額については、同一銘柄でも会社ごとに異なる扱いがあるので、事前確認が必要です。

同じ部分

CFDとFXは同じサービスですから、基本的には同じです。

例えば、顧客資産は信託保全で保護されますし、レバレッジを利かせた取引も可能ですし、様々な注文方法に対応しています。また、税制も同じです(雑所得として申告分離課税)。

よって、CFDで取引したいと考える場合は、具体的にどんな銘柄で取引したいかを決め、そして、その銘柄について取引時間や各種権利調整額を調べ、さらに各会社のスプレッド等を比較するという流れになるでしょう。

CFDのメリット・デメリット

上の考察を元にして、最後にメリットとデメリットを確認します。

メリット

  • 株価指数や商品で取引できる
  • FXと同じ感覚で取引できる

FXと同じ感覚で株式等を取引できるのは、大きなメリットです。デメリットは以下の通りです。

デメリット

  • 取引可能な会社数が少ない
  • 自動売買の選択肢が少ない
  • 調整額等の把握が厄介かも

デメリットのない金融商品は存在しない(=全ての金融商品にデメリットがある)ので、メリットを中心に確認し、自分にとって良いものを選んで取引する姿勢となるでしょう。

 

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