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メキシコペソ/円の長期チャートと見通し・トレード手法

メキシコペソ/円は、高金利の新興国通貨ペアとして知られています。

そこで、長期チャートで今後の見通しを検討し、適切なトレード手法を考察します。また、この通貨ペアの人気度もあわせて確認します。

メキシコペソ/円の長期チャート(20年)

下は、セントラル短資FXから引用した長期チャートです(2000年以降を表示)。

メキシコペソ/円の月足チャート

直感的な印象は、円高です。2000年の高値は15円くらいでしたが、2020年安値は4.2円くらいになっています。高値から見て70%も円高になっています。

しかし、よく見ると一直線に円高になっているわけではありません。

また、2008年のリーマンショックや、2020年の新型コロナウイルス問題での急落もありますので、それらを考慮しますと、レンジ相場の期間が長いと分かります。

下は、上のチャートに赤枠を追加したものです。

メキシコペソ/円の長期チャート

矢印1で2000年の高値から円高になった後、3年間ほどレンジ相場になりました。

その後、矢印2のリーマンショックで一気に円高となり、そこで再びレンジ相場になりました。

10年くらい継続した後、2020年の新型コロナウイルス問題で再び円高になっています。

長期的には、「一気の円高と年単位のレンジ相場」がメキシコペソ/円の特徴だと言えそうです。

10年チャート

次に、10年チャートで確認しましょう(正確には、2008年のリーマンショック直前からのチャート)。

メキシコペソ/円の月足チャート

20年チャートでは、この10年間を大雑把にレンジ相場と見なしたのですが、よく見ると、やや円高気味のレンジ相場か?という感じになっています。

とはいえ、レンジになるときは年単位、円高になるときには勢い良く、という特徴は、ここでも継続していると分かります。

トレードでは、この特徴を上手に捉えることが必要です。

円高になりやすい

ここで、米ドル/円の10年チャートと比較します。すると、メキシコペソ/円を買っている人にとって不都合な事実が見えてきます。

それは、「メキシコペソ/円は円安になりづらい」という事実です。

米ドル/円の長期チャート

2012年まで、米ドル/円もメキシコペソ/円も円高になっています。

その後、いわゆるアベノミクスにより、米ドル/円は大きく円安になりました。米ドル/円=80円前後だったのが120円台になったのですから、上昇率は50%くらいです。

その後は、レンジ相場で推移しており、目立った円高になっていません。

一方のメキシコペソ/円。こちらも、アベノミクスで円安傾向になりました。5円台から8円台になりましたから、50%くらいの上昇率です。

ここまでは良いとして、その後は円高基調がはっきりしています。

その結果、リーマンショック後安値を更新し続けるという状態が続いています。買って取引するのが好きだという場合、この特徴に注意が必要です。

週足チャート

もう少し具体的に検討するために、週足チャートで検討します。2019年以降です。

チャート中ほどで、一気の円高になっている様子が分かります。これは、新型コロナウイルス問題を受けた急落です。

メキシコペソ/円の週足チャート

米ドル/円など主要通貨ペアでも同様に円高になりましたので、メキシコペソ/円だけが特別というわけではありません。

また、急落はしたものの、そこからゆっくりと円安傾向になっている様子が分かります。

円高が進行しやすい理由

では、メキシコペソ/円は、なぜ円高になりやすいのでしょうか。それは、CPI(消費者物価指数)上昇率が大きいからです。

CPI上昇率が大きい国の通貨は、弱くなりやすい傾向にあります。すなわち、円高です。

メキシコの場合はどうでしょうか。下のグラフで確認しましょう。日本は総合指数を使っています。

インフレーション比較

メキシコのCPI上昇率は、2000年代初めまで大きいです。しかし、その後は安定しています。ざっくりとみて4%くらいでしょうか。

日本は、0%をやや上回っているか?という感じです。

なお、CPI上昇率が高いので、政策金利も高い数字となっています。これが、スワップポイントの大きさに反映されています。

円高に気を付けつつ、スワップポイント狙いが可能です。

CPI上昇率と為替レート

今、メキシコペソ/円=10円だとして、ある商品の価値は100円(=10ペソ)だとします。

メキシコのCPI上昇率は5%、日本は0%だとすると、メキシコは14年くらいで物価が2倍になります。すなわち、その商品の14年後の価格は20ペソになります。ところが、日本では100円のままです。

すなわち、20ペソ=100円となり、メキシコペソ/円=5円と円高になります。

メキシコペソ/円の長期見通し

では、今後の為替レートはどうなるか?ですが、ここで見通しを考察しましょう。特徴を再確認します。

  • 全体的には円高傾向
  • レンジ相場の期間が長い
  • 米ドル/円に比べて円高傾向が明確

20年チャートで円高と分かる値動きですから、円安に転換するには、何か大きなイベントが必要です。

例えば、日本から資金が逃げる現象が起きる、メキシコで目覚ましい経済発展が起きる、など。

入手可能なデータから考えると、これらが起きる可能性は高いとは言えません。すなわち、今後も円高傾向が続きやすいという見通しが立ちます。

また、リーマンショックや新型コロナウイルス問題での値動きを見ますと、文字通りの急落となる可能性があるので注意です。

中期見通し

長期的には円高警戒でも、中期的にはどうでしょうか。メキシコペソ/円はレンジ相場になりやすいという傾向も分かっています。

そこで、2016年以降の週足チャートを確認します。

メキシコペソ/円の週足チャート

上のチャートに赤線を引いたのが、下のチャートです。

メキシコペソ/円の週足チャート

2016年から2020年3月ごろまで、この線はサポートラインとして機能してきました。

すなわち、円高になっても、なぜかこの赤線付近まで来ると反発して円安になりやすいということです。

ところが、新型コロナウイルス問題で一気に下方向に抜けてしまいました。その後、反発傾向になっていますが、この赤線は今度はレジスタンスラインとして機能しやすくなります。

すなわち、円安になっても、なぜかこの赤線付近まで来ると反落して円高になりやすいということです。

円安になろうとする力と円安を阻止しようとする力が、ぶつかり合っています。すなわち、レンジ相場になりやすいのでは?と想定できます。

実際には、円安・円高いずれの方向もあり得ます。

過去実績を見ますと、「レンジを想定しつつ、それ以外の動きで対応できるように準備する」という見通しを持つのが、合理的そうです。

トレード手法

以上の見通しを踏まえつつ、トレード手法を考察しましょう。

トレード手法を具体的に見る前に、一般のユーザーは買っているのか、それとも売っているのかを確認します。

売買比率【買いと売りの比率】

一般ユーザーの動向を見るには、売買比率が適しています。

個人投資家はメキシコペソ/円を買っているのか、それとも売っているのか?が分かります。

メキシコペソ/円は高金利通貨ですので、買いの比率が高いと予想できます。2020年12月22日にマネーパートナーズの売買比率を確認したところ、以下の通りです。

  • 買い:89.81%
  • 売り:10.19%

すなわち、全体の9割が買いポジションだということになります。

多くの個人投資家は、為替差益とともに、大きなスワップポイントに魅力を感じていることが分かります。

買い中心のトレード手法

以上の売買動向を踏まえ、買いのトレードを中心に考察します。

一般的には買いが圧倒的に優勢なのに、「売りが良いでしょう」としても、実際に売るのは難しいです。実現可能性が高い方法で考察します。

改めて、メキシコペソ/円の特徴を確認します。

  • 年単位でレンジになりやすい
  • 急落時は、一気に円高になる
  • 買いのスワップポイントが大きい

レンジ相場になりやすいのですが、年単位というのがポイントです。すなわち、リピート系FXで取引すれば、文字通り放置で取引可能です。

ただし、10年という単位で見ると、急落が起きているのも事実です。

そこで、レンジの中でも円安の部分では取引せず、レンジの下部~中ほどで取引するのがコツになります。

メキシコペソ/円でリピート系FXができる主なFXサービスは、以下の通りです。

  • トラリピ
  • ループイフダン
  • みんなのリピート注文

そして、急落前に取引を停止できれば、その後に急落があっても問題ありません。

とはいえ、利食いできているうちは、延々と取引したいのも人情です。よって、利食いで得た額を複利運用せず、当初の取引設定で運用し続けます。

すると、証拠金が増えていきます。相場の急落で損切りになってもトータルでプラスになるくらいまで利食いすれば、安全圏と言えるでしょう。

スワップポイントが大きいので、この蓄積も無視できないメリットです。

急落時の売り

そして、可能なら急落時の売りを狙っても良さそうですが、メキシコペソ/円ならではの注意点があります。

それは、スプレッドの急拡大です。

米ドル/円など主要通貨ペアでも、相場の波乱時はスプレッドが広がりがちになります。メキシコペソ/円なら、なおさらです。

よって、急落時の売りを狙うならば、米ドル/円などの主要通貨ペアの方がスプレッドなどの条件が良いのでは?と想定できます。

日本のFX市場における特徴

最後に、日本市場におけるメキシコペソ/円の特徴を確認しましょう。具体的には、取引高です(データは金融先物取引業協会から取得)。

オレンジは取引金額(目盛りは縦軸左側:兆円)、折れ線は、通貨ペアの取引高順位(目盛りは右側)です。

メキシコペソ/円の取引高

2016年まで取引高はほとんど無く、オレンジのグラフがほとんど見えません。取引金額の順位も、全体の50位くらいで推移しています。

ところが、2017年から徐々に人気が出始め、2020年になると爆発的に増えている様子が分かります。

これに伴い、取引高の順位も10位を定位置にしています。

メキシコペソ円の取引金額

では、取引金額での順位を確認しましょう。下は、2020年11月の取引金額一覧です。

順位 通貨ペア 取引金額(兆円)
1 米ドル/円 411.0
2 ポンド/円 64.5
3 豪ドル/円 39.8
4 ユーロ/米ドル 37.5
5 ユーロ/円 30.5
6 ポンド/米ドル 22.8
7 豪ドル/米ドル 6.9
8 NZドル/円 2.5
9 ポンド/豪ドル 2.4
10 メキシコペソ/円 1.9

第1位は、いつも米ドル/円です。他の通貨ペアと比べて、桁違いの取引金額を誇っています。

あまりに桁違いなので、米ドル/円以外の通貨ペアの取引金額全部を合計しても、米ドル/円に届きません。

そして第2位は、ポンド/円です。第3位と比べても取引金額がずいぶん大きいです。イギリスのEU離脱問題に絡んで値動きが大きく、個人投資家の人気を集めている可能性があります。

そして、順に見ていきますと、メキシコペソ円は第10位に入っています。

FX会社の取引可能通貨ペアを確認しますと、20種類以上ある場合が多いです。その中で10位ですから、「準主要通貨ペア」と言えそうです。

なお、取引高で主要通貨ペアと言えるのは、第6位のポンド/米ドルまででしょう。第7位になると、取引金額が一気に小さくなります。

まとめ

メキシコペソ/円は、長期的には円高傾向なものの、年単位でレンジ相場を形成してきた特徴があります。また、スワップポイントも大きいです。

このため、急落に注意しながらリピート系FXをするのがトレード手法(案)となります。

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