今回は、読者の皆様から頂きましたご質問を元に考察しましょう。
みんなのリピート注文で準備すべき金額
はじめてメッセージを送らせていただきます。いつもブログを楽しみに拝見しております。
先日、みんなのリピート注文の記事を拝見しました。
最近よくみんなのリピート注文を目にするので気になっているのですが、取引を始めるか迷っています。どのくらいの資金が実際に必要なのかいまいちピンときていません。
もし、みんなのリピート注文を取引されているようでしたら、ご意見賜れませんでしょうか。
Aさん、ありがとうございます。
ご指摘の通り、証拠金をどのくらい準備すべきか、把握しづらいです。これは、みんなのリピート注文に限らず、リピート系注文全体に言えることです。
そこで、この記事で確認しましょう。
みんなのリピート注文で最も人気があるのは、メキシコペソ円の買いです。最初に、この通貨ペアを買う場合に必要な資金について、見ていきます。
その後、他の通貨ペアについても、準備したい資金額を確認します。
なお、金額については、参考としてご利用ください。スリッページやスプレッドの広がりなどがあり得ますので、ここで表示した金額を準備すれば確実に大丈夫というわけではありません。
2020年2月26日追記:
当ブログ経由で「みんなのシストレ」口座を開設いただきますと、みんなのリピート注文で必要な証拠金の計算ツールを差し上げています。これで、面倒な計算とサヨウナラ!
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メキシコペソ円を買う場合
本来なら、「必要な金額は〇〇円です」と一言で書ければ、素晴らしいです。それができないのが、リピート系注文のややこしい点です。
そこで、最も厳しい極端な事態を想定しましょう。
すなわち、「メキシコペソ円=5.8円の時に、1回の取引で1,000通貨買うという内容で取引開始、直後に大暴落して1.0円になった」という場合です。
この場合でも強制ロスカットさせないための証拠金は、およそ25万円です。1.0円の時に損切りすると、20万円を超える損失になります。
では、25万円準備すべきか?ですが、その必要性は薄いと予想できます。なぜなら、以下の通りだからです。
- メキシコペソ円=1.0円は実現するか?
- 実現するとしても、遠い将来になるかも
- スワップポイント益と利食いがある
スワップポイント益と利食いにより、証拠金が増えていきます。よって、その分のお金は、自分で準備する必要がありません。
1.0円というのは極端です。しかし、ゆったり為替なら、メキシコペソ円=1.0円になることを想定して準備します。
FXの世界では、想定外という言葉は意味がありません。容赦なく損失を突き付けられます。よって、通常はあり得ないでしょ?というレベルまで想定しておきます。
そうすれば、何があっても余裕で対応できます。
(ただし、25万円を入金するという意味ではありません。利食いやスワップポイントが大きいので、どこまで入金をケチれるか考えます。)
為替レートと準備したい資金の関係
上の例は、1.0円という超円高が実現する場合でした。では、他の為替レートの場合はどうでしょうか。
それを示したのが、下の表です。
円高目途 | 準備したい資金 | 資金増加額 |
5.0円 | 1.1万円 | - |
4.0円 | 4.1万円 | 3万円 |
3.0円 | 9万円 | 4.9万円 |
2.0円 | 16万円 | 7万円 |
1.0円 | 25万円 | 9万円 |
「メキシコペソ円=5.8円で買い始めた直後に、一気に大暴落」という想定です。よって、利食いは0円ですし、スワップポイントもありません。
なお、円高目途は1円ごとに引き下げています。そして、準備したい資金を見ると、数字が加速度的に大きくなっている様子が分かります。
これが、リピート系注文の特徴です。想定する円高目途を遠くすればするほど、多額の資金を要します。
逆に言えば、円高リスクを軽視する場合は、わずかな資金で取引可能です。
円高リスクに備えると、資金効率が落ちる
リピート系注文で問題になりうるのは、「円高リスクを警戒しすぎると、資金効率がひどく悪くなる」ことです。
例で考えます。
今後1年間、メキシコペソ円は5円台で推移するとします。そして、1万円を獲得したとしましょう。
円高目途を5.0円に設定して1.1万円準備した場合、収益率は100%近くになります。満足です。
一方、円高目途を1.0円にする場合、最大で25万円を準備します。すると、収益率は4%になります。同じ1万円の収益でも、率にすると大きく変わることが分かります。
円高リスク軽視で大損失
では、円高リスクを無視して、準備すべき資金を最小限にしよう!という考えを採用したら、どうでしょうか。
期待通りの値動きをしているうちは良いですが、為替レートが急落したら強制ロスカットの恐怖に包まれることになります。
よって、投入する額を小さくする場合は、どこまで円高になったら損切りするか?について、あらかじめ確認しましょう。
そして、実際に円高が実現したら、損切りします。この損切りが、心情的に難しいかもしれません。しかし、損切りです。
実際には、損切りしても、既に利食いやスワップポイントで収益を得ています。その額が損切り額を上回っていれば、最終結果はプラスの成績になります。
安全重視で収益も確保
損はしたくない、しかし、長期的に収益も欲しいという場合はどうしましょうか。その場合の案は、以下の通りです。
全く想定していない状態で円高を迎えるのと、心の準備をしている状態で円高を迎えるのでは、その後の対応が全く異なるでしょう。
恐怖におびえながら慌てて対応すると、ロクなことがありません。
どこまで入金をケチるかについては、どこまで利食いとスワップポイント益を見込むか?次第です。
これは将来のことなので、確実には見通すことができません。
メキシコペソ円=1.0円まで警戒するとして、しかし入金額は10万円にするという選択肢でも、可能でしょう。10万円なら、3.0円を割り込む円高でも耐えられます。
そして、実際に円高になると、含み損が大きくなります。しかし、利食いとスワップポイント益が積みあがっていきます。
含み損には、上限があります。為替レートは0より小さくならないからです。一方、収益については、上限はありません。
よって、収益を積み重ねていけば、含み損がどうなろうともプラスの収益にすることが可能です(これが実現するには、相当な時間がかかりますが)。
メキシコペソ円のチャート
ここで、円高目途を探るために、月足チャートを見ましょう。みんなのFXからの引用です。
過去の円高記録は、5.0円を少し割り込む水準です。よって、1.0円を想定するのは行き過ぎと感じるかもしれません。
しかし、チャートの左端を見ますと、8円台です。2014年には8円台だった為替レートが、2016年に5円台になりました。
ということは、1円は極端すぎるとしても、4.0円や3.0円はありうるかも?という感じで警戒できます。警戒して準備する、これが重要です。
取引期間が長期になればなるほど、メキシコペソ円=1.0円への警戒を高める必要があります。必要ならば、1円割れについて検討しても良さそうです。
レンジで取引する場合
なお、上の月足チャートを見ますと、2016年半ばから長期のレンジになっていることが分かります。このレンジだけで取引しようと思えば、準備すべき証拠金を抑えることができます。
そして、レンジが終了したら、取引も終わりにします。
他の通貨ペアの場合
では、他の通貨ペアの場合についても、確認しましょう。スワップポイントがプラスになる側で、取引するとします。
「取引開始後、為替レートが急落下」という、悲惨な状態を想定しています(この想定は、上のメキシコペソ円と同じです)。
米ドル円
取引開始レート:109.70円
円高記録:75円くらい
円高目途 | 準備したい資金 |
105円 | 11万円 |
100円 | 30万円 |
90円 | 92万円 |
80円 | 190万円 |
75円 | 250万円 |
この表を見ますと、米ドル円=75円までは想定したくないな…という感じになるでしょう。
この金額を入金できたとしても、米ドル円=80円割れになると、含み損が巨大になります。そこで、米ドル円=100円や105円あたりでの損切りが選択肢になります。
円安方向に推移すれば、損切りゼロで完全勝利になります。損切りになる場合は、利食いとスワップポイントをどこまで確保できるか?次第です。
損切りになっても収益をプラスにしうるのが、リピート系注文の強みです。
豪ドル円
取引開始レート:75.40円
円高記録:55円くらい
円高目途 | 準備したい資金 |
70円 | 11万円 |
65円 | 30万円 |
60円 | 55万円 |
55円 | 90万円 |
50円 | 130万円 |
円高記録が再現する場合、90万円となりました。米ドル円に比べれば穏やかです。
今は、スワップポイントが小さいです。これが、少々難点です。
トルコリラ円
取引開始レート:18.6円
円高記録:18円くらい
円高目途 | 準備したい資金 |
15円 | 5万円 |
10円 | 22万円 |
8円 | 32万円 |
5円 | 50万円 |
1円 | 82万円 |
トルコリラ円は、ひたすら円高に突き進んでいます。
最近は下落が収まっており、反転を期待したいところです。しかし、リスク管理としては円高継続を想定したいです。
その結果、円安になったなら、何も問題ありません。円高になる場合は、想定通りなので、これまた問題ありません(含み損になりますが…)。
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