FXの勉強には、いくつかの方法があります。代表的なものは、下の2点でしょう。
- 誰かに教えてもらう
- 独学
今回は、独学に焦点を当てます。ゆったり為替は、独学で勉強しました。そこで、ゆったり為替の独学を先に振り返り、それを元にして考察します。
独学前のカモネギ状態についても、確認しましょう。もしかしたら、同じ状況になっている人がいるかもしれません。
カモネギになっているかも?と感じたら、すぐに脱却しましょう!
FXの独学(ゆったり為替の場合)
ゆったり為替はトレードが大好きだったので、ひたすらトレードしました。当時は1990年代で、個人向けFX市場はありませんでした。よって、株です。
少々イメージしづらいでしょうから、当時の様子をご案内しますと、こんな感じです。
- 100万円取引したら、手数料は10,800円(だったかな…)がデフォルト
- インターネット取引の黎明期で、手数料2割引!3割引!などと出てきた
オマケに、バブル経済崩壊後とはいえ、株価水準はとても高かったです。学生の身分ではまともに買えません。
そこで、(確か)ミニ株がメインという、とても投資家とは名乗れないような状況でした(低位株を1単元で買うのがメインだったかも…このあたり、忘れました)。
働くようになってお金に余裕ができて、FXに出会ったわけですが、負け組コースは変わらず。株で負けている人が、FXに引っ越していきなり勝ちまくりというのは、ありません。
独学前の勉強方法
2004年頃にFXに引っ越してからの勉強方法は、以下の通りです。
- ウェブで情報を得る
- ひたすらトレードする
当時のウェブサイトの環境も合わせて考えると、完全なカモ、他人の養分です。
ブログ等で騒がれている手法を見つけては、それを実行しました(当然のように損します)。これはダメだ!とすぐに頭を切り替えて、別の手法を見つけて、実行です(やはり、負けます)。
こんなことを繰り返していては、全く成長できませんし、実際に成長しませんでした。
ブログ等で騒がれている手法
当時も、数多くのブログがありました。現在のゆったり為替の知識で振り返りますと、お世辞にも褒められない内容が数多くありました。
すなわち、「ひたすら煽る、とことん煽る」です。
FXの法制度さえ完備されていなかった状況ですから、アフィリエイターは節度を持って行動する必要がありません。
アフィリエイターが「これが良いぞ~!」と書いて、ゆったり為替は「よっしゃあ!」と同意して取引します。そして、撃沈。こんなのばかりです。
そして、ふと気づくわけです。「何かがおかしい」と。
アフィリエイトの存在を知る
おそらく、ゆったり為替は不勉強でした。なぜなら、アフィリエイトの存在を知らなかったからです。そして、損しまくっておかしいと気づきました。
遅い!
何が遅かったのかといえば、「ブログ運営者はFXで稼ぐのではなく、広告収入で稼いでいる」ことに気づくのが遅れました。
まともにFXで勝てない人が、ブログでFXの提案をしていました。それをマネして取引しても、勝てるわけがありません(書きながら、だんだん腹が立ってきます…)。
何百万も損したわけですが、その怒りが現在の基礎になっているとも言えます。その意味では、ムチャクチャに書いていたアフィリエイターに感謝しなければなりません。
(補足)今は変わってきた
ちなみに、現在は様相が大きく変わってきました。
「FXの成功者がブログ運営している例が、劇的に増えた」と感じます。
FX攻略.com経由で多くの人に出会ったのですが、「FXで継続的に収益を上げているから、ブログも運営している」という印象を受けます。
「話をするだけで、その人の勝ち負けが分かるのか?」ですが、勝てない人に特有の言葉が出るかどうかで予想できます。よって、彼らの言葉を注意深く聞きます。
一方で、「この発言があれば勝ち組だ」というのは、見つけられずにいます。収益を上げる方法が数多くあることの裏返しかもしれません。
とはいえ、現在も、単にアフィリエイト報酬が欲しいから書いている、という人も多いでしょう。それ自体は悪くありません。
ただ、そういう記事に賛同して取引した読者、すなわち、記事を信用してくれた大切な読者は、いったいどうなりますかねえ…ということです。
ウェブを遮断して独学を始める
さて、困りました。ウェブの情報は信頼できないとなったら、どうやって勉強しましょう。
現在のFX会社は、ウェブサイトが本当に充実しています。初心者向けから中級者向けまで、さまざまな情報を提供してくれています。
しかし、当時はそうではありませんでした。
そこで目を付けたのが、本です。数多くの本を読んだうえで、自分に合いそうな本を選びました。あとは、それに集中して独学です。
ゆったり為替の場合は、『ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法』です。既に絶版であり、入手困難かもしれません。
この書籍に、トレード手法の回答があるわけではありません。ゆったり為替はエクセル(表計算ソフト)を得意としており、この書籍はエクセルとの親和性が高かったのです。
あとは、ひたすらバックテストです。
「趣味は何ですか?」と聞かれたら「バックテストです」という感じでした。
リピート系注文も本格導入
ただ、裁量トレードだと、収益が安定しないのが欠点でした。それを補ってくれて、かつ、大波乱相場で大活躍できると分かったのが、リピート系注文です。
きっかけは、2010年だったか2011年だったか、ポンド円が急落&大乱高下という日がありました。
そのとき、なぜか「あ…これは手動トラリピでイケるかも?」と思い、徹夜で手動トラリピをしました。結果、確か50万円くらい確保しました。
「大暴落や乱高下になったら、リピート系注文」という選択が採用された日です。
良い記事を見つけたら、敢えてそのブログで口座開設
なお、独学で成果が出た後、ウェブに少しずつ復帰しました。
滅茶苦茶に書くブロガーへの怒りは、まだ消えていませんでした。その一方で、「これは正直で素晴らしい」という記事も見つかるようになりました。
そういう場合、アフィリエイトだと分かっていても、あえてその人のブログから口座を作りました。優秀な人材を応援するためです。
今は、口座数が20を超えてしまっています。もうFX口座を作ることはありませんが…。
そして、職場への不満が溜まっていたこともあり、2013年夏に独立しました。
ゆったり為替の場合、当時でもトレード時間は1日10分程度でした(日によって違います)。退職する必要はなかったのですが、自由が欲しかったということです。
独学のメリットとデメリット
ゆったり為替の話が、長くなりました。こうしてみると、「怒り」というのは重要な要素です(ゆったり為替だけかも)。
- 滅茶苦茶な記事をマネして損した怒り(単に自分が未熟だっただけですが)
- 非合理的な職場への怒り(これは重要かな)
この状況で信頼できるものがなかったので、成功した人が書いた本を軸にして、独学しました。
そこで、独学のメリットとデメリットを確認しましょう。
独学のメリット
独学のメリットは、いくつかあるでしょう。
ゆったり為替の場合、バックテストの鬼でした。主にエクセルでしたが、データ量が多すぎて、エクセルの保存や立ち上げに時間がかかりすぎるようになり、ファイルをいくつにも分割していました。
途中からは、MT4も使いました。リピート系注文など特定のバックテストは、MT4の方が便利です。
トレード手法は、無数にあります。どれが自分に合っているかというのは、事前にわかりません。そこで、自分にあう手法を見つけるために、いくらでも挑戦し続けることができます。
この点、FXスクールに行くと、手法が準備されているので楽です。しかし、その手法が自分に合っていなかったとしたら、どうでしょうか。
FXスクールでは、特定の手法や考え方だけを学びます。それが自分に合わない場合、受講料を捨てることになります。
独学の場合、それがありません。
数多くのバックテストをすると、あることに気づきます。それは、「ほとんどのパターンには優位性がない」ということです。
100個のパターンをバックテストしたら、5個くらいは「使えるかも?」という感じで候補に残ります。
さらに詳細に検証すると、全部消えます。それが通常運転です。よって、100通り検証して全部だめでも残念に思いませんし、仕方ないかな、という感じです。
正確には、1つや2つは残ることが結構あります。しかし、自分の生活リズムや性格を考えると、採用はできないな…(不採用)となります。
しかし、この作業は無駄ではありません。なぜなら、ダメなパターンが分かるからです。
ダメなパターンも、単にダメなのではなく、どういう理由があるからダメなのかが分かります。
すると、ウェブ上に氾濫する、トレードの「ウソ」「間違い」「古い情報」が分かるようになります。もちろん、断定はできませんが、予測可能になります。
これは、とても大きなメリットです。
「専門家」の品質判定にも使える
このメリットを使うと、いわゆる専門家が信用できるかどうかも判定可能になります。
例えば、バックテストすれば断定的に分かる情報があります。「月曜日は円高になりやすいか、円安になりやすいか」「ゴトー日の朝は本当に円安になりやすいか」などです。
ゆったり為替は、過去20年程度のデータを持っており、分析済みです。それを元にして、ある専門家の「月曜日の値動きに関する記事」を読むとします。
すると、その専門家は適当に発言しているのか、しっかりと過去データを分析しているのかが分かります。変な情報を掴まないという点で、とても有益な経験値です。
独学のデメリット
一方で、デメリットもあります。かなり大きなデメリットです。
このデメリットは、強烈です。5年たっても10年たっても、FXで成功できない可能性があります。
独学の初期段階で、自分に合った方法が見つかれば大変幸せです。
この場合、ダメな手法を経験することなく成功することになりますから、上で考察したメリットの一つを捨てることになります。
しかし、成功できるなら、少しでも早い方が良いです。
ところが、何年たっても成功できない可能性があります。しかも、結構高い確率かもしれません。とても厳しい現実です。
独学とはすなわち、自分ですべてを考えて勉強するということです。この点、小中高校の勉強の方が、圧倒的に楽です。
と言いますのは、学校なら、教科書や問題集があり、資格を持った先生がいて、同じ内容を学んでいる同級生がいます。
何も考えなくても、設定されたレールの上を走っていけばOKです。
これは、FXスクールにも言えることでしょう(ただし、教えてもらう方法が自分に合っていない場合は…という問題がありますが)。
独学の場合、レールを設置するところから始めなければなりません。レールを敷いた結果、東京から札幌に行こうとしていたのに、気づいたら博多にいた…なんてこともあり得ます。
独学に限らず、最も重要なこと
そして、独学であるかどうかに関わらず、最も大事なのはおそらく、「あきらめない」ことです。
この「あきらめない」を実現するには、何か理由が必要です。
ゆったり為替の場合、あきらめずに独学で勉強できた理由が、いくつかあります。そのうちの一つは、記事の上の方で確認した「怒り」であることは、おそらく間違いありません。
あきらめずに最後までしがみついて勉強できる能力というのも、とても大切でしょう。
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