ゆったり為替がFXをするとき、レバレッジは0倍台から1倍台です。2倍を超えることは滅多にありません。
とはいえ、最大レバレッジ25倍は不満です。必要証拠金が多すぎて、資金効率が落ちるからです。特に、リピート系注文を出す時に厳しいです。
では、最大レバレッジ25倍は不満だ!というユーザーは、どれくらいいるでしょうか。そして、その場合に採用できる対策は何でしょうか。検討しましょう。
レバレッジ25倍が不満なユーザーの割合
最初に、FXユーザーの取引データを確認しましょう。顧客のレバレッジへの不満が推測できる、そんな資料があります。
2018年3月に、金融庁でFXに関する審議会が開催されました。その際に、GMOクリック証券が顧客データの分析結果を公開しました。
店頭FXと、くりっく365に分けて公開されており、利便性が高いです。そのデータを調べてみましょう。
店頭FXの顧客データ
下のグラフが、公開資料です。横軸はレバレッジです。縦軸は、顧客や取引金額の割合を示します。
1つのグラフに3つのデータが収められています。3つをそれぞれ確認しましょう。
顧客数(NYC)
NYCとは、ニューヨーク(New York City)を意味します。すなわち、日本時間深夜の顧客動向です。
青線で書かれたグラフをご覧ください。
最も多数派のレバレッジは、2倍くらいです。顧客の6%ほどです。顧客数が最も少ないレバレッジは、0倍台、22倍~23倍台だと分かります。
では、高レバレッジの需要はないかといえば、そうでもありません。24倍台を見ますと、顧客数は他の時間帯と同じくらいです。
ニューヨーク時間では、高レバレッジへの需要は高くないと言えそうです。
顧客数(日中)
では、日本時間日中の様子はどうでしょうか(茶色の線)。ニューヨーク時間と全く違う傾向が出ています。
圧倒的な多数派は、24倍台です。全体の8%~9%くらいです。
2倍台にも顧客が集まっている様子が分かりますが、20倍台の人気が大きいです。
日本時間日中は、最大レバレッジに張り付く顧客が多いのに、ニューヨーク時間になると、人数が減ります。すなわち、高レバレッジで取引する人は、デイトレーダーだと分かります。
取引金額(日中)
日中の顧客は、25倍近くの取引を好むことが分かりました。その結果、取引金額はどうなのか?を示したのが、緑色のグラフです。
当然ながら、20倍台の顧客が圧倒的です。全取引金額の半分以上を占めています。
- 入金額100万円でレバレッジ1倍:取引金額100万円
- 入金額100万円でレバレッジ25倍:取引金額2,500万円
同じ入金額でも、レバレッジが高ければ、取引金額は大きくなります。しかも、デイトレードなら、1日で何度も取引するでしょう。
すなわち、取引金額では多数派となります。
くりっく365の顧客データ
同様の分析が、くりっく365について公開されています。店頭FXと特徴が大きく異なります。
とても興味深いです。
顧客数は、ニューヨーク時間も日本時間の日中も、1倍台~5倍台くらいが人気です。
1倍台と2倍台の顧客数は、それぞれ10%台を確保しています。
レバレッジが20倍を超える顧客は少ないですが、レバレッジが24倍になると、やや増えていることが分かります。
そして、取引金額は、レバレッジ24倍が最も多いという結果です。
すなわち、くりっく365でも、大きな金額を投入する少数の顧客が、大きなレバレッジで取引していることが分かります。
くりっく365でレバレッジが低い理由
本題から離れますが、くりっく365の顧客数について、レバレッジが低いところに人気が集まっている理由を確認しましょう。
くりっく365のホームページで掲載されている、下のバナーを見ると分かります。
下の数字は、それぞれの通貨ペアについて、国内FX市場でのシェアを示しています。
- 南アランド円:3割
- トルコリラ円:1割
- メキシコペソ円:5割
国内に、FX業者は何十もあります。その状況で、上の市場占有率です。大変な数字を計上していることが分かります。
そして、上の3つの通貨ペアに共通するのは、新興国通貨ペアであることです。新興国通貨ペアの大きな特徴は、下の通りです。
- スワップポイントが大きい
- 長期的な円高傾向
- 価格変動率が大きめ
すなわち、レバレッジを高くしてスワップポイントを狙うと、円高になった際にロスカットされてしまいます。
よって、低いレバレッジの顧客が多くなります。
レバレッジ25倍規制が不満な人が、確実に存在する
以上、顧客の状況を分析しました。これを見て分かるのは、最大レバレッジ25倍に不満なユーザーが存在することです。
おそらく、確実に存在するでしょう。
と言いますのは、GMOクリック証券の店頭FXにおいて、レバレッジ24倍台の人が最多であり、取引金額も、飛びぬけて大きいからです。
自己資金が大きく、デイトレードで繰り返し取引して、レバレッジ24倍台なら、取引金額は自然と大きくなります。
彼らは、最大レバレッジが50倍までOKというルールだったら、50倍近くで取引する可能性があります。
海外FX業者に口座を作る人も
また、海外FX業者に関する情報も、日本のウェブサイトで簡単に見つかります。
レバレッジが25倍を超えてもOKというFX業者は、日本で営業活動できません。しかし、日本に住んでいる人の一定数は、海外FX業者で取引しているように見えます。
そして、海外FX業者に関連するトラブルが後を絶たないようです。出金できないというのが、最も多いように見えます。
国民生活センターのホームページに、海外FX業者とのトラブル事例が掲載されています。
国民生活センターに掲載されるということは、海外FX業者とトラブルになって相談を持ち込んだ人が多い、ということを示しています。
高レバレッジが魅力
では、国民生活センターが警告するほどの状態なのに、なぜ海外FXで取引してしまうのでしょうか。
その最大の理由は、おそらくレバレッジだと予想できます。海外FX業者と国内の合法なFX業者を比較すると、最大レバレッジが大きく異なるためです。
- 国内FX:安全だが、最大レバレッジに不満
- 海外FX:最大レバレッジが魅力だが、高リスク
この選択を迫られていることが、海外FXを選ぶ人が出てしまう原因でしょう。
最大レバレッジが低いと、資金効率が劣る…。ならば、資金効率が圧倒的に良い方法を探してみましょう。
資金効率が圧倒的に良い方法
日本国内で合法に営業していて、かつ、最大レバレッジの不満を解消できるサービスがあります。それは、ノックアウトオプションです。
なぜなら、FXと比べて資金効率が圧倒的に良いからです。
ノックアウトオプションは、オプションです。よって、FXとは異なります。しかし、私たちユーザーから見て、FXと同じ使用感で取引できます。
「え?これってFXじゃないの?」と勘違いする人も出るのでは?というくらい、使用感が似ています。
ノックアウトオプションのメリットについては、下のリンク先の記事でご確認いただくとして、資金効率に焦点を当てて考察します。
【関連記事】ノックアウトオプションのメリットを生かす
ノックアウトオプションの資金効率
例で考えた方が、分かりやすいです。そこで、以下の取引を考えましょう。
- 米ドル円を100.00円で1万通貨買う
- 99.50円でロスカット注文(デイトレード想定)
この取引をするのに、資金はいくら必要でしょうか。以下の通りです。
- FX:45,000円
- ノックアウトオプション:5,200円くらい
これはどういうことなのか、計算式を確認しましょう。
FXの場合
必要証拠金として、取引額の4%の資金が必要です。
100.00円(為替レート)×1万通貨×0.04(4%)=40,000円
そして、為替レートが50銭分円高になっても、強制ロスカットにならないよう、証拠金を準備します。
(100.00円-99.50円)×10,000通貨=5,000円
この2つの合計額が、必要な資金です。すなわち、45,000円です。
ノックアウトオプションの場合
ノックアウトオプションの場合、必要な資金の計算方法が大幅に異なります。
オプションを使うための利用料(オプション・プレミアム)を支払います。上の例の場合、通常時は1万通貨当たり200円前後です。
そして、為替レートが50銭分円高になっても、強制ロスカットにならないよう、資金を準備します。こちらは、FXと同様ですので、5,000円です。
合計した金額が、必要な資金です。すなわち、5,200円くらいです。
同じ効果を狙った取引なのに、必要な資金の大きさが1桁違います。ノックアウトオプションの方が、資金効率が断然高いです。
オプション・プレミアムの支払を避ける
さらに、オプション・プレミアムの支払を避ける方法があります。
今回の取引例ですと、99.50円でロスカットする場合に、オプション・プレミアムの支払が発生します(オプション・プレミアムの支払が発生する損切り位置を、ノックアウトレベルと呼びます)。
ならば、別の為替レートで損切りしましょう。例えば、99.55円です。
こうすると、オプション・プレミアムの支払が不要になります。すなわち、実現損だけ負担すればOKということになります。
スリッページが絶対に発生しない
さらに、ノックアウトレベルで損切りする場合、絶対にスリッページしません。なぜなら、ノックアウトオプションはオプションであって、FXではないからです。
取引ルールが違います。
超巨大な暴落やスリッページが発生して、世の中が騒然となっても、全くスリッページしません。
このメリットが、わずかなオプション・プレミアムの支払で確実になります(普段は、ノックアウトレベルと違う位置で損切りすれば、プレミアムの支払いは不要です)。
日本のFXの仕組みに不満を持っている場合、ノックアウトオプションは検討に値するツールになるでしょう。
関連記事