ノックアウト・オプションは、IG証券が提供しています。
そこで、どんな顧客がノックアウト・オプションを使うことを想定しているか、そして実際はどうなのかを確認しました。
ノックアウト・オプションの顧客
デイトレードでの使い道
正直なところ、ノックアウトオプションは週足トレードに向いた商品だと考えていました。
- 清算日まで最大1年間
- オプションプレミアム(事実上の手数料)が必要
この2つの条件を見ると、デイトレード向きには見えません。
ただ、清算日まで最大1年間というのは、たまたま1年にしたような雰囲気です。1年間ポジションを引っ張ってください!という意味ではないようです。
すると、オプションプレミアムをどう扱うかが問題になります。
オプションプレミアムは、相場状況によって異なりますが、米ドル/円だと数銭未満のように見えます。そして、デイトレードの場合、利幅は数十銭あたりになるでしょう。
損するトレードもあるわけで、損するたびに数銭未満を追加で負担するのは、痛いはずです。
オプションプレミアムを負担しない方法
正確には、オプションプレミアムを負担しない方法があります。
オプションプレミアムとはスリッページを防ぐための保証料、実質上の手数料であり、これを負担することで、スリッページを完全にゼロにできます。
取引開始時に損切りレート(=ノックアウト価格)を決定しますが、オプションプレミアムを支払うことで、その為替レートで確実に損切りできます。
この状況で、取引を開始した後、ノックアウト価格よりも現在値に近い位置に逆指値を移動したとします。
すると、損切りになる場合、ノックアウト価格とは異なる位置で損切りすることになります。
すなわち、オプションプレミアムを使う必要がなかったということになり、この費用は返還されます。
米ドル/円=100.00円で買い、損切り(=ノックアウト価格)を99.00円に設定。その後、損切り位置を99.50円に変更して、実際に損切りになったら、オプションプレミアムは返還されます。
損切り位置を恣意的に変えてしまいがちな人に有効
取引開始後、逆指値注文を変更できますが、ノックアウト価格よりも損失が大きくなる側に変更できません。
例えば、100.00円で買って、ノックアウト価格を99.00円にした場合、損切り位置を98.50円に変更できません。
ここまで考察すると、デイトレードでノックアウトオプションを使う理由が見えてきます。
以下の行動をしてしまう人にとって、ノックアウトオプションが有効です。トレードしている最中に…
- 損切りしたくないから、損切り位置を遠くに変えてしまう
- 損切り注文そのものを、削除してしまう
ノックアウトオプションを使えば、この種の「良くない行動」ができなくなります。
感情に基づいて損切り位置を変更するのは、大けがの元です。ノックアウトオプションを使うことにより、大けがする可能性をなくすことができます。
すなわち、中長期トレードだけでなく、デイトレードでも有効性が極めて高いということです。
FXよりも必要な資金が少ない
そして、取引するために必要な資金が、FXよりも圧倒的に小さいです。これも、ノックアウト・オプションの特徴です。
FXの場合、取引金額の4%の証拠金が必要です。
ノックアウトオプションの場合、取引設定によっては、FXに比べて10分の1以下の資金で取引することも可能です。この点も、ノックアウトオプションのメリットと言えそうです。
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