新型コロナウイルス問題を受けて、世界経済はガタガタです。
各国でお金を国民に支給していますが、お金は湧いて出てくるものではありません。誰が支払うか?と言えば、将来の国民です。
今、しっかりともらう側に回っておかないと、将来悲惨な目に遭うことが想像できます。
経済・財政、いずれも株価にとって悪影響なはずです。しかし、奇妙なほどに好調です。理由はいくつも考察されています。では、為替はどうでしょうか。
米ドル円の長期チャート
下は、米ドル円の月足チャートです(DMMFXからの引用)。赤の矢印部分は、2020年3月です。新型コロナウイルス問題を受けて、為替レートが乱高下しました。
- 高値:111.7円
- 安値:107.4円
- 差:4.3円
1か月で400銭以上動きました。大きな変動です。ところが、為替レート水準は変わっていません。上のチャートの通り、レンジを維持しています。
すなわち、日米ともに痛い目に遭ったので引き分け(?)になり、為替レート水準に変動はないということでしょうか。
阪神・淡路大震災のときの米ドル円
世の中の人々があっと驚くような事件・事故があるとき、相場は瞬時に反応しない場合があります。分かりやすい例は、阪神・淡路大震災です。
下は、その時の値動きを示しています(月足チャート)。
1995年3月、一気に10円(1,000銭)以上の円高が実現しました。矢印1の部分です。
では、阪神・淡路大震災は矢印1の部分で起きたのか?ですが、違います。1995年1月です。赤矢印2の部分です。すなわち、震災直後は、為替レートは反応しませんでした。
同じ事が起きる場合を警戒しながら、米ドル円を眺めています。
ただ、当時と違うのは、2020年3月は為替レートが大きく反応していることです。反応した結果、レンジを維持しています。遅れて反応した1995年とは違う感じに見えます。
豪ドル円の長期チャート
別の通貨ペアを見てみましょう。豪ドル円です。白枠部分は、過去3回の大きな円高の様子を示しています。
この3つを見ますと、以下の共通点があります。
- 50円台になった
- 数か月~1年以上円高が続いた
- その後、大幅円安になった
ところが、2020年3月は異なります。
- ギリギリ59円台になった
- すぐに反発して70円台になった
下は、2020年3月の様子を示したものです。瞬間的という感じで円高になった後、すぐに反発している様子が分かります。
ゆったり為替は、50円台でしっかり買うべく待機していました。しかし、長期ポジションを1通貨も持てずに終わってしまいました。ガッカリ。
(長期リピート系注文を実行していますので、その分は買えましたが。)
為替レートとは
ここで、為替レートとは何か?を振り返ります。為替レートとは、通貨と通貨の交換比率です。
よって、例えば米ドル円について、誰もが円を欲しがらない状況となっても、それ以上に米ドルは不要だという状況になれば、円高になります。
弱さ比べの結果、円が買ってしまって円高になるということです。
米ドル円
下は、新型コロナウイルスによる新規の死亡者数推移を示しています(日本経済新聞から引用)。米国の被害が桁違いに大きいことが分かります。
では、多大なダメージを受けた米国を避ける動きが出て、円高になるか?ですが、円高になっていません。これは、先ほど確認した通りです。
国内外問わず、何か危機が起きると、いつも円高になってきました。しかし、今回は違うかもしれません。
値動きがいつもと違うので、色々な値動きを想定しつつも、どのような値動きにも対応できるようにしたいと考えています。
すなわち、米ドル円の中長期取引はしないか、実行してもわずかな数量です。
豪ドル円
豪州は、中国との経済的な結びつきがとても強いです。そして、中国は新型コロナウイルス問題を早期に克服し、経済指標は劇的に向上しました(再発があるかもしれませんが)。
すなわち、豪州経済にとってもプラスです。
その一方、新型コロナウイルス問題の調査を要求しているオーストラリアに対し、中国は豪州産品の輸入禁止で対抗しています。この点は豪州経済にとってマイナスです。
とはいえ、中国が他国と衝突する場合、禁輸したりその国の国民を(適当に理由をつけて)逮捕したりするのは、いつものことです。よって、市場の反応は薄いかもしれません。
全体として、豪州は他国よりも良好な経済状況でしょう。そこで、豪ドル円が円安になるのは自然なことかもしれません。
とはいえ、もう一度60円割れになることを警戒(期待?)して、月足チャートを眺め続けます。
結局…
いつもの長期分析記事では、断定的に書かないよう、敢えてぼんやりと文章を書いています。ところが今回は、断定的に書きたくても難しいです。
過去の為替レート推移を利用しての分析が、難しいと感じます。
こういう時は、トレードしないのが最良です。少なくとも長期トレードについては、次の値動きを待つのが賢明なように見えます。
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