(注:2014年2月時点のデータで掲載しています。)
両建てトラリピ検証シリーズの8回目です。この検証シリーズにおいて、重要な通貨ペアを失念していました。
EUR/CHF(ユーロ/スイスフラン)
これです。
2011年、スイスフランが大暴騰しました。そこで、スイスは、EUR/CHFが1.20を下回らないように無制限に介入することを宣言しました。
その結果、2012年以降、1回だけ瞬間的に1.20を下回ったことがありますが、それ以外は下回ったことがありません。
1.20~1.27あたりをウロウロしているEUR/CHFは、両建てトラップ系の取引にうってつけの通貨ペアかもしれません。
そこで、AUD/NZDやAUD/CADと同じように検証してみましょう。
EUR/CHFの2011年1月~2014年2月までのチャートです。
2011年夏にスイスフランが急激に強くなっています。その後、EUR/CHF=1.2の制限が付きました。
よって、2011年10月以降の部分だけ検討しましょう。
上のチャートはEUR/CHFの推移、下のグラフはECB(欧州中央銀行)とスイスの政策金利推移です。
スイスの政策金利は0%に張り付いているので、ECBとスイスの金利差(=スワップポイントに近い)は、ECBの政策金利と同じということになります。
このグラフでは、現在のスワップポイントがプラスになっていますが、その値はとても小さいです。このため、実際の取引では、ロングもショートもマイナススワップになっているかもしれません。
しかし、1.20~1.27の700pipsの範囲で安定的に動くEUR/CHFは魅力的かもしれません。次に、ヒストリカル・ボラティリティを計測します(2012年及び2013年)。
EUR/CHF 1.63% 4.33%
ボラティリティがとても小さいです。同じ期間について、今まで検証してきた他の通貨ペアと比較してみましょう。
AUD/NZD 5.15% 7.00%
AUD/CAD 6.15% 8.19%
USD/JPY 7.61% 11.92%
AUD/JPY 11.84% 12.64%
どうでしょうか。
AUD/NZDやAUD/CADでもボラティリティが少し小さいなあ、という感じでした。EUR/CHFはさらに大幅に小さいです。
実際のところ、1日の値動きが数十pipsしかないということも珍しくありません。
このため、この通貨ペアで両建て取引をする場合は、注文と注文の間の距離を5pips~10pipsくらいの狭い幅にしなければならないかもしれません。
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