トライオートFXの認定ビルダーとして、米ドル/スイスフラン(USDCHF)を使ったトレードを公開しました。
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インヴァスト証券の認定ビルダーに選定されました【自動売買プログラム解説】
トライオートFXで、認定ビルダー制度が始まりました。ありがたいことに、ゆったり為替を選んでいただきましたので、気合を込めて自動売買プログラムを作成し、公開しました。 そこで、ゆったり為替が作成した売買 ...
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しかし、この通貨ペアは、一般的には馴染みが薄いと思います。そこで、この通貨ペアの特徴を確認しましょう。
米ドル/スイスフラン(USDCHF)の長期チャート
大きな流れを見るために、1980年以降のチャートを確認しましょう。下の通りです。
基本的には、スイスフラン高(米ドル安)で推移していると分かります。
ということは、長期で見るならば、買いよりも売りの方が良いという判断になるでしょうか。その考え方は、正解でないかもしれません。
と言いますのは、米ドル円のチャートを見ると分かります。下のチャートは、1973年以降のものです。
米ドル円も、長期的に見れば円高です。売りで取引するのが基本となるでしょうか。実際には、買う人も多いのでは?と思います。
では、なぜ買う人も多いのでしょうか。それは、2つの理由がありそうです。
- 買うと、スワップポイントがプラスになる
- 現在は、大きなレンジで推移している
米ドル円が大きく円高になったのは、1990年代前半までです。それ以降は、レンジだと分かります(レンジと言っても、75円~140円くらいという巨大な範囲ですが)。
直近10年ほどの値動き
米ドル円と同じような視点で、USDCHF(米ドル/スイスフラン)を見てみましょう。
冒頭のチャートを見ますと、2011年までは、下落が優勢でした。その後、レンジに移行している様子が分かります。
よって、USDCHFを取引する際、売りだけでなく買いも検討する必要があるでしょう。
もうすこし詳細に調べるために、2007年以降のチャートを見てみましょう。DMMFXからの引用です。
確かに、2011年以降はレンジになっています。やや上昇傾向と言えるでしょうか。しかし、怪しい値動きがあります。矢印で示した2つです。
これは何だ?という感じです。この原因は、ユーロです。
ユーロに振り回されるスイスフラン
USDCHF(米ドル/スイスフラン)を中長期で考えるには、ユーロを視野に入れざるを得ません。
と言いますのは、スイスフランはユーロに振り回されてきたからです。
地理条件を見ましても、スイスはドイツやフランスなどの大国に囲まれています。すなわち、ユーロ圏諸国との関係が大変強いことが分かります(下の地図は、google mapです)。
2009年頃から、ユーロ圏は怒涛の時代を経験しました。
ギリシャを代表格とする財政問題で、ユーロ圏崩壊を噂される状況になりました。下の長期チャートを見ますと、左側でユーロ/スイスフランが大きく下落している様子が分かります。
そして、クライマックスが、矢印1です。
ここでたまらず、スイス国立銀行(スイスの中央銀行)は大胆な政策を発動しました。EUR/CHF=1.20の防衛ライン設定です。上のチャートの2に相当します。
しかし、スイス国立銀行は、市場のユーロ売り・スイスフラン買いに負けてしまいました。2015年1月のスイスショックです(矢印3)。
その後、相場は平穏を取り戻しています。
USDCHFの値動きは、ユーロ次第の面も
この動きがそのまま、USDCHF(米ドル/スイスフラン)相場に反映されています。チャートをもう一度見てみましょう。EURCHFの波乱がそのまま、USDCHFに反映されている様子が分かります。
すなわち、USDCHFを分析しようと思うなら、EURCHFを分析する必要があります。
さらに書くなら、スイスでなくユーロ圏をチェックする必要があると言えそうです。USDCHFは、ユーロを含んでいない通貨ペアなのに。
ユーロが小康状態だと、USDCHFも穏やかな傾向
ここで、気づく点があるかもしれません。
ユーロ問題で大荒れになっている時期を除けば、USDCHFは、比較的穏やかな相場になっているということです。
なお、上のチャートを見ますと、左側の2007年~2010年あたりでも、上下動の大きい様子が分かります。しかし、この時は、大波乱の時代でした。
あらゆる通貨ペアが乱高下だった、と言えるかもしれません。
と言いますのは、2007年のサブプライムローン問題、2008年のリーマンショックなどの問題が目白押しだったからです。
2008年のリーマンショックは、1929年の大恐慌と比較されるほどでした。
米大統領選挙でも、値動きは穏やか
また、米大統領選挙がある年でも、値動きが穏やかな傾向という特徴があります。米ドル円と比較してみましょう。
左側の白い四角は、2012年です。右側は、2016年です。いずれも、米大統領選挙があった年です。
米ドル円
米ドル/スイスフラン
チャートを比較すると分かります通り、米ドル/スイスフランの方が、値動きが穏やかです。
(縦軸もあわせて見ていただくと、USDCHFの値動きの方が穏やかだと分かります。)
その前の2008年になりますと、米大統領選挙よりも、リーマンショック関連の値動きが大きすぎます。米大統領選挙の相場への影響を調べるのは、大変難しいです。
以上の範囲で考えますと、USDCHFのチャート分析は、主にユーロ動向を横目に見ながら考えることになりそうです。
スワップポイント
ちなみに、この記事を投稿した時点において、先進国通貨ペアを買うときのスワップポイントは、USDCHF(米ドル/スイスフラン)が最も大きな数字になっています。
以下、いくつかのFX業者を例にしてみます。1万通貨を買うときの、1日あたりのスワップポイントです(調査日:2019年12月25日)。
USDJPY | AUDJPY | GBPJPY | USDCHF | |
LIGHT FX | 40 | 14 | 30 | 57 |
YJFX! | 43 | 12 | 24 | 58 |
アイネット証券 | 48 | 16 | 40 | 60 |
この理由ですが、スイスの政策金利が大幅マイナスだからです。この記事を投稿した時点で、△0.75%です。
今後のスワップポイントについて、明確に見通すことはできません。しかし、予見可能な将来において、USDCHFのスワップポイントが最も大きい傾向が続くと予想できます。
高金利通貨ペアと言えば、トルコリラ円や南アランド円が有名です。しかし、新興国は政治・経済の安定性で難があるのがデメリットです。
USDCHFの場合は、米国とスイスの通貨ペアです。新興国に比べて、政治・経済の安定性が高いのがメリットです。
トライオートFXの認定ビルダー
最後に、ゆったり為替は、インヴァスト証券から認定ビルダーに指定いただきました。
それを受けて、トライオートFXで自動売買プログラムを作りました。ターゲットとなる通貨ペアは、USDCHF(米ドル/スイスフラン)です。
取引想定期間は、2019年12月から、半年~1年を考えています。上の分析を踏まえての自動売買設定ですので、確認のほどお願いします。
確認していただくと、ゆったり為替はUSDCHFについてどう考えているのか、よりはっきりと分かるでしょう。
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