リピート系注文(ループイフダンなど)に都合の良い通貨ペアだといえるためには、条件がいくつかあります。
- 長期間にわたって、一定の範囲で動いていること
- スワップポイントを常にプラスにできること
- 一定の大きさの値動きがあること
カナダドル円(CAD/JPY)は、この条件を満たしています。そこで、長期チャートを見ながら適切なループイフダン設定を考察します。
カナダドル円の長期チャート
下の長期チャートは、アイネット証券からの引用です。1995年半ば以降の表示です。カナダドル円の長期推移は、とても特徴的だと分かります。
どのように特徴的なのか、見ていきます。
長期的な安値目途
カナダドル円を買って持つと、スワップポイントを継続的にプラスにできました。そこで、今後もそうなることを期待して、買いでループイフダンをするとします。
この場合、どこまで円高になりうるか?を考える必要があります。
下のチャートは、安値の目途をざっくりと考えたものです。概ね、70円あたりだと言えそうです。20年にわたって継続している支持線です。
2008年のリーマンショックの時でさえ、70円よりも円安の位置で反発しています。よって、カナダドル円=70円のラインは、とても強い下値支持線だと評価できます。
ただし、注意が必要です。上のチャートの左端の部分で、70円よりも円高になっています。
正確には、1995年の阪神・淡路大震災を契機として、60円くらいが実現しています。よって、正確な円高記録はカナダドル円=70円あたりでなく、60円あたりです。
1995年の話です。トレードという視点で見ると、はるか昔のことです。1995年のチャートを見ているという人は、ほとんどいないでしょう。
そこで、どこまでトレードに反映させるか?ですが、トレードする人のリスク許容度次第だと言えそうです。
リーマンショックの時でさえ70円よりも円安だったのだから、70円まで見ておけばOKというのも、合理的です。60円まで考えるべきだというのも、合理的です。
現在の為替レート
なお、この記事を投稿した時点のカナダドル円は、80円台前半で推移しています。
すなわち、20年という長期を見据えたループイフダンなのに、考えるべき安値までの距離が短いです。ということは、準備すべき証拠金も少なくて済みます。
ある程度の値動きがあって、値動きの範囲が比較的狭くて、スワップポイントは継続的にプラスです。
今後もこの値動きが続くという条件つきながら、カナダドル円はループイフダン向きの通貨ペアだといえるでしょう。
カナダドル円のチャート分析その2
もう少し違う視点から、カナダドル円をチャート分析してみましょう。下のチャートの通り、2本の補助線を引きました。今後もこの補助線が機能する場合、補助線は交わります。
すなわち、ペナントになっています。
ペナントができる場合、為替レートは最終的に、どちらかの補助線を破って上方向または下方向に進んでいきます。
現時点では、上と下どちらに進むのか、判断するのは難しいです。
上のチャートは表示期間が長いので、分析が少々難しいです。そこで、2007年以降の月足チャートで確認しましょう。下の通りです。
ペナントの線の引き方は、いくつか種類があります。上値抵抗線(上側の赤線)は、月足の高値と高値を結んだ直線です。下値支持線(下側の赤線)は、安値と安値を結んだ直線です。
このチャートを見ますと、2019年1月3日の急落&反発でも、下値支持線がしっかりと機能していることが分かります(チャートの右端のローソク足)。
日足で見ると、急落&反発はムチャクチャな位置で起きているように見えます。週足から月足でチェックすると、このようにきれいに分析が当てはまることがあります。
日足や時間足だけでトレードするという場合も、月足でチャートを眺める価値があります。
ループイフダンのトレード戦略
さて、ペナントを踏まえたうえで、ループイフダンのトレード戦略を考えます。
ペナントが終了すると、為替レートは上または下に大きく進みやすいと言われます。しかし、どちらの方向に進むのか、事前に把握するのは難しいです。
買いで勝負しているので、全く問題ありません。完全勝利です。
含み損になるので、事前の入念な検討が欠かせません。
そこで、円高警戒のトレード方針となります。
ループイフダンの取引範囲
ペナントの補助線2本が交わる為替レートは、88円~90円くらいのあたりです。下のチャートは、補助線が交わるあたりの為替レートに、黄色の横線を追加したものです。
矢印を3つ足しました。黄色い線は下値支持線であり、かつ、上値抵抗線でもあります。
上側の赤い線(上値抵抗線)まで為替レートが推移すると、反落しやすいです。そして、上値抵抗線は、徐々に円高方向に進んできます。
一方、黄色い線も支持線・抵抗線として機能しています。
ということは、カナダドル円でループイフダンをする場合、88円~90円あたりになったら取引を停止するという案を検討できます。
これよりも円安で買っていると、そこから下方向に大きく動く場合、含み損が大きくなってしまいます。黄色の線よりも円高で取引していれば、含み損を減らすことができます。
含み損回避を重視した方法です。
円高になったら
そして、円高方向に大きく進む場合は、ループイフダンを継続です。70円近くまで円高になる場合は、長期保有で買っても良いでしょう。数年後に90円近くまで復活したら、そこで利食いします。
その間も、ループイフダンで利食いをひたすら繰り返します。
- ループイフダンで利食い
- スワップポイント
- 円高時に買って、将来円安になったら利食い
この3つの収益源を期待します。
では、ペナント終了後に円高にならず、円安に進む場合はどうなるの?です。
今までのループイフダンで利食いを繰り返しているのですから、勝利です。円安になっても買い続ける場合に比べれば、収益は小さくなるでしょう。
しかし、円安になっても構わず買い続けると、円高になるときのダメージが大きいです。
どれだけ利食いを続けても、1回の敗北で退場する可能性があるのが、相場です。よって、守備重視の方針でトレードするのが、長生きのコツです。
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