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FRBが緊急利下げを実施【2020年3月3日】

アメリカの金融政策を決定するFRB(米連邦準備制度理事会)は、3月3日に緊急利下げを実施しました。

政策金利の変化は、以下の通りです。

  • 引下げ前:1.50%~1.75%
  • 引下げ後:1.00%~1.25%

FRBの緊急利下げ実施時の声明

何か政策変更があれば、その理由等を示す文書が公開されたり、記者会見が開かれたりします。

そこで、FRBホームページで公開された資料を確認していきましょう。

プレスリリース

パウエル議長の記者会見に先立って公開されたプレスリリースの趣旨は、以下の通りです。

アメリカの経済的基礎は強さを維持している。しかし、コロナウイルス問題は経済活動にリスクをもたらしている。

このリスクを考慮し、また、最大限の雇用と物価の安定というFRBの責務を達成するために、FOMC(連邦公開市場委員会)は本日、政策金利を0.5%引き下げて1.0%~1.25%にすることを決定した。

委員会は、経済を支えるために、経済見通しの進展や今後の見込みを注意深く監視し、FOMCが使用可能な手段を用い、そして、適切な措置をとる。

緊急利下げの意味

FRB(米連邦準備制度理事会)の中の機関として、FOMC(連邦公開市場委員会)が存在します。

具体的な金融政策の決定は、FOMCによって行われます。

金融政策の変更は、年8回開催される会議で決められるのが一般的です。しかし、年8回ということは、1か月半に1回のペースです。

この会議の開催を待っていては時期を逸するという場合に、臨時で会議が開催されて金融政策が変更される例があります。

今回は、臨時会議で政策金利が引き下げられました。すなわち、緊急利下げです。

コロナウイルス問題は、米国の景気をまだ直撃していないようです。しかし、先手を打ったということになります。

とはいえ、緊急利下げをしたということは、次回の会合まで待てないほどリスクが迫っているということです。

次回の会合

次回の会合は、米国時間で3月17日~18日です。

FOMCでは、3か月に1回、経済見通しを発表します。その経済見通しは、3月18日の会合終了後に発表されます(日本時間で3月18日未明)。

コロナウイルス問題を受けて、前回(2019年12月11日)発表された内容からどのように変化しているか、確認したいところです。

前回の緊急利下げ

ちなみに、前回の緊急利下げはいつだったか?ですが、2008年10月8日です。

2.0%だった政策金利が、1.5%に引き下げられました。この時は、ユーロ圏、イギリス、スイス、カナダなども追随して利下げしました。

いわゆる協調利下げです。

今回の引き下げを受けて、他の国々はどのように反応するでしょうか。注目しても良さそうです(水面下で既に協議済みかもしれません)。

日本は、どうするでしょうか。一部には弾切れ(政策手段がもうなくなってしまった!)を指摘する声もあるようですが…。

記者会見

パウエル議長の記者会見についても、確認しましょう。

質疑応答の前に、声明を読み上げました。その趣旨を箇条書きにしますと、以下の通りです。

  • FOMCは、政策金利引き下げを表明した。
  • リスクと経済見通しを踏まえ、米国経済を維持するためである。
  • 労働環境を中心に、米国の経済状況は強さを維持している。
  • コロナウイルス問題が新しいリスクとなった。
  • コロナウイルス問題は、各国経済に影響を及ぼしている。
  • 経済状況は流動的である。
  • 調査の結果、米国経済の見通しリスクは大きく変化した。
  • これに対応するために、金融緩和することを決定した。
  • 今後数週間、数か月にわたって、状況を注意深く監視する。

米国経済は依然として強さを維持ししているものの、旅行関連などで影響が出ている…と声明にあります。

それを受けた措置だということです。

ただ、旅行関連だけでは、緊急利下げは劇薬すぎるでしょう。よって、旅行関連以外にも広くリスクが広がっていると理解できます。

政策金利の推移

最後に、米国の政策金利の推移を確認しましょう。下のグラフの通りです。

アメリカの政策金利推移

2015年末から始まった金利引上げ局面は、2019年に終了したことが分かります。

金利引上げ期間は、年単位に及びました。しかし、水準そのものは、過去の政策金利と比べると、大変低いです。

すなわち、インフレ圧力は弱かったということです。それだけ、経済活動を押し上げる力も乏しかったということになります。

また、政策金利のピークが低かったため、今後の利下げ余地は限られることになります。

…とアメリカの話を書いていますが、日本はもっと利下げ余地がありません。スイスのように、マイナスを突き進むならば、下限なしということになりますが。

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