米雇用統計

米雇用統計と米ドル円【長期トレード】

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米雇用統計と米ドル円を関連付けて考える場合、スキャルピングまたはデイトレードが多いでしょう。

では、長期トレードの視点から考えると、米雇用統計と米ドル円の間にはどんな関係があるでしょうか。過去データを使って確認しましょう。

1973年以降の米雇用統計と米ドル円

長期トレードですから、現行の為替制度が採用された1973年以降で考察しましょう。

下のグラフは、米ドル/円のチャートと米雇用統計(農業を除く雇用者数)の実数を重ねたものです。左の縦軸は雇用者数、右側は為替レートです。

米雇用統計と米ドル円

米ドル/円は、上下動しながらも長期的には円高傾向です。そして、農業を除く雇用者数は、上昇トレンドです。これでは、二つのデータに関連があるのかどうか分かりません。

そこで、1991年以降で確認しましょう。

1991年以降の米雇用統計と米ドル/円

米ドル/円は、バブル経済崩壊前後で値動きが大きく変わったように見えます。すなわち、1990年台前半までは急激な円高、それ以降は横ばいです。

下は、1991年以降に絞ったグラフです。

米雇用統計と米ドル円

これを見ても、二つのグラフに大きな関連はないように見えます。

2000年代初めまで、雇用者数は伸び続けました。その間、米ドル/円は上下動が大きい展開でした。それ以降を見ても、雇用者数と米ドル/円の間に明示的な関係が見つかりません。

これでは、米雇用統計の数字を使って長期トレードができません。何か工夫が必要です。

前月比増減数と米ドル/円で比較

そこで、米雇用統計のデータの使い方を変えてみます。

雇用者数の実数ではなく、前月比の増減数と米ドル/円を比較します。米雇用統計は、前月比増減数が注目されるからです。

ただ、米雇用統計はブレが大きい指標です。そこで、6か月移動平均線を使います。移動平均にすれば、毎月の大きなブレを緩和することができます。

下のグラフで、雇用統計の縦軸(左側)が変わりました。単位は千人です。そして、雇用者数の推移を示す青線の形も大きく変わりました。何か特徴的な関係は見つかるでしょうか。

米雇用統計と米ドル円

ジッと眺めていても、明確な関係がないように見えます。もしかすると、2008年のリーマンショック後の落ち込みが大きすぎて、他の通常期のデータがグラフ上で潰れているだけかもしれません。

グラフの表示を変更

そこで、米雇用統計の縦軸の最低値を△1,000(マイナス100万人)でなく、△400(マイナス40万人)にしてみました。下のグラフです。

米雇用統計と米ドル円

上のグラフを見ますと、リーマンショック後の青線がグラフの下に消えています。凄まじい不景気だったことが分かります。

では、上のグラフで、米雇用統計(前月比増減、6か月移動平均)と米ドル/円の間に何か関係を見つけることができるでしょうか。

…特に、これといった特徴がないように見えます。例えば、1990年代前半ですが、青線は右肩上がりなのに円高でした。2003年~2004年くらいや、2010年~2011年あたりも同様です。

逆に、2000年代前半は、青線は下に落ち込んでいるのに円安でした。

では、米雇用統計の数字と米ドル/円は逆に動く関係なのか?といえば、そういうわけではありません。1996年~1998年、2012年~2015年あたりなどでは、両方とも右肩上がりになっています。

米雇用統計と米ドル/円の関係

直感的には、米雇用統計の数字が好調なら円安だろう、という感じがします。と言いますのは、米雇用統計の数字が好調ならば、米国経済も好調だからです。

米国経済が好調なら、政策金利は引き上げられるだろう。そして、結果として日米金利差が拡大して、円安になるだろう…そのように考えることができます。

しかし、実際には、少なくとも長期的な視点で見る限り、米雇用統計の数字と米ドル/円の推移には明確な関係がないことが分かりました。

タイムラグを考慮する

しかし、タイムラグを許容するなら、状況は変わってきます。すなわち、「米雇用統計が一定の動きをしてから、数年程度の時間を置いて米ドル/円が反応する」という場合です。

1991年から1995年にかけて、米雇用統計はマイナスからプラスに転じました。すると、1995年から米ドル/円も円安になりました。

時間差が4年くらいありますが、米雇用統計の数字がマイナスからプラスになると、米ドル/円は円安です。

同様の関係が、以下の通り見られます。

  • 2001年くらい~2006年くらいまでの米雇用統計と、2005年以降の米ドル/円
  • 2009年くらい~2015年くらいまでの米雇用統計と、2012年以降の米ドル/円

長期トレード方針

では、この結果を受けて、米ドル/円で長期トレードをする場合、どのような方針を立てられるでしょうか。ゆったり為替の方針です。

  • 通常は、米雇用統計を考慮しない。
  • 前月比マイナスが続いてからプラス転換する場合、数年~5年以内に米ドル/円が円安になりうる

「数年~5年以内は長すぎるのでは?」と感じるかもしれません。確かに、長いです。しかし、長期トレードの場合は、このくらいの期間のズレは許容範囲です。

「今後も必ず同様になる」と確定的には言えませんが、考慮しながらトレードできます。

明確な関係を見つけられない場合

今回は、有効性はともかく、2つのデータの関係を見つけることができました。

では関係が見つからなかった場合、どうしましょうか。その場合は、トレードの際にそのデータを全く考慮しません。何かの経済指標と為替レートの間に、どうしても明確な関係を見つけられないことは、日常茶飯事です。

この場合、2つの理由が考えられます。

  • 本当に、何の関係もない
  • データの読み方が不適切である

グラフの作り方や計算などが間違いの場合がありますので、繰り返しチェックします。それでも関係が見つからない場合は、仕方ありません。そのデータを捨てます。

米ドル/円と明確な関係を持つデータは他にもありますので、それを利用して取引すればOKということになります。

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