経済指標等

米雇用統計が大暴れ【2020年4月~5月】

新型コロナウイルス問題を受けて、米雇用統計が大暴れしています。そこで、雇用者数増減(農業除く、季節調整済み)の長期推移を確認しましょう。

米雇用統計の長期推移

2020年4月分、5月分の数字が桁外れの数字になっています。

まず、1993年~2019年までのグラフで確認しましょう。下の通りです(米労働省HPの公開データを基に作成)。

米雇用統計のグラフ

マイナスになっているのは、前月比で雇用者数が減ったということです。その時期は不景気だということになります。

2008年のリーマンショック前後の数字が、とても厳しいです。1か月で80万人もの雇用が失われました。しかし、2010年には復活しています。

米国の労働市場の柔軟性は、極めて高いことが分かります。

新型コロナウイルス問題を反映したグラフ

前置きはこれくらいにしまして、上のグラフに、2020年1月~5月分の数字を追加しましょう。下の通りです。

何が何やら、さっぱり分からないグラフになりました。縦軸の単位が、百万人になりました。上のグラフでは千人でしたから、文字通り桁違いです。

米雇用統計のグラフ

上のグラフの右端を見ますと、大きく下方向に伸びていることが分かります。これが原因です。そこで、2019年以降に限定して、グラフを作ってみました。下の通りです。

米雇用統計のグラフ

2020年の増減数を書き出しますと、下の通りです(2020年6月5日発表分)。

  • 1月:21.4万人増
  • 2月:25.1万人増
  • 3月:137.3万人減
  • 4月:2,068.7万人減
  • 5月:250.9万人増

4月の減少数が、凄まじいことになっています。2,000万人以上がクビになったという数字です。

ちなみに、日本の2020年4月現在の雇用者数は、5,923万人です(労働力調査)。2,000万人という数字がいかに大きいかが、良く分かります。

そして、驚きなのは、5月に250万人も増加していることです。冒頭のグラフで分かります通り、雇用者数が増える場合は、前月比で15万人~20万人くらいが多いです。

2,000万人がクビになった反動でしょうが、それにしても大変な雇用者数の増加です。興味深いので、リーマンショック前後の数字と比較してみましょう。

リーマンショック前後の雇用統計

下は、2008年~2010年の様子です。リーマンショックは、2008年10月です。最大で80万人くらいが、毎月職を失い続けました。

しかし、2009年半ばころには、驚異的な回復を見せ始めます。そして、2010年には、プラス圏に浮上することも多くなったことが分かります。

米雇用統計のグラフ

グラフ右側で、いきなり60万人近く増えていることが分かります。これは、国勢調査のために採用された人々です。よって、国が関与した一時的な数字です。

リーマンショックのマイナスからプラスに転じるまで、1年くらいかかりました。

それに比べますと、今回の新型コロナウイルス問題を受けた雇用者数減少と増加は、あまりに異例です。これと比較できる例はないように見えます。

では、1929年の世界大恐慌から、1936年あたりにかけてはどうだったのだろう?…と確認したいところですが、米雇用統計は1939年以降のデータが公開されています。

世界大恐慌当時の数字は不明で残念です(とはいえ、1939年の数字が簡単に得られるのも、驚きですが)。

米雇用統計の作り方については、下のリンク先記事でご確認ください。他の統計と違って特殊なので、速報値と確報値で大きく数字が変わるのが特徴です。

すなわち、アナリストにとっては、極めて予想しづらい指標の一つとなっています。

-経済指標等

© 2020 FXゆったりトレード派