時間指定注文は、使い方によっては便利な機能です。しかし、ウェブサイトを検索しても、詳細には紹介されていないように思います。
そこで、注文の意図から実際に使用する場面の紹介まで、シリーズ化してお届けします。
時間指定注文とは
時間指定注文とは、特定の時刻に約定するよう、あらかじめ発注しておく注文方法です。これを細かく分類すると、全部で3つになります。
時間指定注文を実行できる会社は、わずかです。今回は、ヒロセ通商(LION FX)を例にして概要を確認します。
また、以下の3つの取引は、トレード開始時でも決済時でも実行可能です。
時間指定成行注文
特定の時刻になったら、買いまたは売りの取引を実行するという注文です。下の画像の意味は、以下の通りです(ヒロセ通商からの引用。以下同じです)。
- 現在は20時です。
- 翌日午前4時に成行注文をしたいと考えました。
- そこで、翌日午前4時に成行注文するという発注を、「今」します。
- 午前4時になったら、実際に発注されます。
この説明を初めて読んだとき、正直なところ「こんな注文を使おうという人はいるのか?」と思いました。当時のゆったり為替には、時間指定でトレードするという概念がなかったためです。
しかし、ゆっくり考えてみると、使える場面がありそうです。時間指定成行注文の使い方を、別記事で考察します。
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時間指定指値注文
時間指定指値注文は、時間指定成行注文と指値注文を同時に発注できる便利機能です。下の画像をご覧ください。
ただ今、買いでポジションを持っています。そして、101円で指値注文(決済注文)を出しています。しかし、指値まで為替レートが届かないというのは、日常茶飯事です。
為替レートが指値に届かなければ、取引は成立しません。取引が成立しなければ困る、という状態だと想定しましょう。
この場合、指定時刻に成行注文を執行するという注文(時間指定指値注文)を発注します。特定の時刻になり、成行注文が執行されると、指値注文は自動でキャンセルされます。
同様に、指定時刻前に指値に到達すると、指値注文が執行され、成行注文は自動でキャンセルされます。
なお、指値注文が成立しない場合に成行でトレードしないと困る、そんな場面があるのか?については、別記事で考察します。
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時間指定逆指値注文
時間指定逆指値注文は、時間指定指値注文と似ていますので理解しやすいでしょう。下の画像をご覧ください。
99円で逆指値注文を出しています。為替レートが99円に到達しないまま時間が過ぎる場合は、午前4時に成行注文を執行するという注文を発注しました。
逆指値注文が成立する場合は、成行注文は自動でキャンセルされます。同様に、成行注文が執行される場合は、逆指値注文は自動でキャンセルされます。
ゆったり為替は、以上3つの説明を読んで、時間指定逆指値が最も使いやすそうだと直感的に思いました。
ポジションを持っていて、損失を限定的にするために逆指値を出しておくけれども、いつまでもポジションを持ちたくないから特定の時刻に成行決済・・・という具合です。
実際には、上の3つともそれぞれ有用な場面があります。そこで、別記事で確認していきましょう。
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時間指定逆指値注文の使い方
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時間指定注文の注意事項
以上の通り、時間指定注文は興味深い特徴を持っています。しかし、注意事項もありますので、確認しましょう。
時間指定注文を使えない時間帯がある
FXは、基本的に土曜日・日曜日を除く24時間のトレードが可能です。しかし、時間指定注文で指定できない時間帯があります。指定できない時間は通貨ペアごとに決められています。
例えば、米ドル/円について、以下の通りです。
月曜日: 0:00~07:30
火曜日~金曜日: 5:30~7:30
土曜日: 04:00~23:59
日曜日: 終日
土曜日や日曜日を指定できないのは当然として、通常取引が可能な時間でも指定できないことがあります。例えば、上の例ですと月曜日の07:00~07:30の時間帯です。
この理由ですが、スプレッドが安定しないためだろうと予想できます。
早朝時間帯は取引が薄いため、スプレッドが広くなることがあります。すると、時間指定注文で意図通りの時刻に取引が成立しても、スプレッドが予想外に大きく損害を被ってしまうかもしれません。
これは、ユーザーにとってもヒロセ通商(LION FX)にとっても、不本意な状況でしょう。これを避けるために、上記の時間帯の指定を不可にしているのだろうと思います。
日足で取引する際、決済時刻は始値や終値の時刻としたい場合があるかもしれません。
しかし、上述のとおり、その時間に決済することができません。このため、日足始値を指定したい場合は、午前7時30分~午前8時00分あたりで取引することになるでしょう。
マイナー通貨ペアの場合
ヒロセ通商で取引可能な通貨ペア数は、50にも及びます。すなわち、マイナー通貨ペアも多数含まれます。
マイナー通貨ペアを取引する際に、特に留意すべき事項は以下の通りです。ヒロセ通商(LION FX)のホームページからの引用です。
指定した時間にレート配信がない場合は、レート配信再開時の市場価格で約定します。
※時間指値は指定した時間になれば成行になります。そのため指定した時間の流動性が低くなっている場合(特にマイナー通貨において)は注文が成立しない場合がありますのでご注意ください。
この問題は、時間指定注文をしていなくても同様です。マイナー通貨ペアは、その名前の通りマイナーです。世界中で取引されているとはいえ、取引が極端に少ない瞬間があるでしょう。
特に、早朝の時間帯や世界経済の大混乱期が想定されます。
インターバンク市場でレート配信がない瞬間に時間指定注文が発動されても、約定できないということになります。
この場合は、レート配信が再開されたときのレートで約定することになります。
マイナー通貨ペアで時間指定取引を使う場合、この点に留意しましょう。ゆったり為替ならば、時間指定注文はメジャー通貨ペアまたはそれに準じる通貨ペアで利用したいです。
ヒロセ通商の特徴
ヒロセ通商(LION FX)では、時間指定に関する3注文(時間指定成行、時間指定指値、時間指定逆指値)を50通貨ペアで使用することが可能です。
また、下の特徴を持っています。
- スキャルピング歓迎
- 業界最狭水準のスプレッド
- 高金利通貨ペアのスワップポイントが大きい
スキャルピング歓迎のFX業者は、数が少ないです。取引可能な通貨ペア数も多いですし、ヒロセ通商は有力な選択肢になるでしょう。
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