時間指定注文をいかに使うかを検討するシリーズです。今回は、「時間指定成行注文」のトレード例を検討しましょう。
イベント発生時刻前に取引を「成行で開始する」とき
例えば、こんな例を考えてみましょう。
本日は、米雇用統計発表日です。米雇用統計発表時、為替レートが大きく動く場合があると知られています。そして、本日発表される数字は、市場予想よりも悪い数字だろうと考えたとします。
この場合、米ドル/円が円高になる方向にトレードすることになります。
しかし、朝食を食べたら出勤(または通学)しなければなりません。帰宅時刻は未定ですが、雇用統計発表時刻よりも遅くなる可能性があります。
勤務中や学校に行っている間は、スマホで取引する時間もなさそうです。
この場合、選択肢は2つになるでしょう。すなわち、トレードしないか、出勤前(通学前)にトレードするか、です。
下のチャートをご覧ください。2015年10月2日の米雇用統計発表前後の、米ドル/円の30分足チャートです。ヒロセ通商(LION FX)のチャートを引用しています。
出勤前(通学前)の午前7時ごろに、米ドル/円を売ったとします。その後、じわじわと為替レートが上昇している様子が分かります。そして、米雇用統計発表と同時にストンと円高になっています。
この場合、出勤前に売って正解だったということになります。
しかし、トレードを開始してから雇用統計の発表までに、12時間以上の時間があります。その間に為替レートは動いていきます。上のチャートでは、円安方向に動いています。
米雇用統計発表を狙ってトレードしたいのに、その前の値動きで損切注文が成立するなど、不都合なことになっては面白くありません。
可能ならば、雇用統計発表直前で取引を開始したいです。
このような時に、時間指定成行注文が有効です。米雇用統計発表前、例えば21時25分ごろに成行でトレードするように設定しておけば、その通りにポジションを持つことができます。
すなわち、出勤前~21時25分の間の値動きにかかるリスクを全て排除して、純粋に米雇用統計を狙ったトレードをすることができます。あとは、予想が当たるか外れるかの勝負です。
米雇用統計発表後に成行で決済できるよう、準備しておきましょう。
イベント発生時刻前に取引を「成行で決済する」とき
逆に、米雇用統計発表前にトレードを終了させようという場合もあるでしょう。
例えば上のチャート例で、今日は米ドル/円が円安になると考えたとします。しかし、米雇用統計発表でチャートが大きく崩れてしまうかもしれません。すなわち、円高です。
- 今日は円安になると思う。
- しかし、米雇用統計発表が嫌だ。
- 出勤(または通学)があり、トレードは朝にしかできない。
この場合のトレード方法として、以下の方法が考えられるでしょう。
問題は、米雇用統計発表前に決済できるか?です。今日は円安になると思うから、できる限りポジションを長く保有したいです。そして、米雇用統計発表前には決済したいです。
しかし、米雇用統計発表前、決済するだけの時間的余裕があるかどうか。
この問題を解決するには、時間指定成行注文が有力な選択肢でしょう。
出勤前に米ドル/円を買い、米雇用統計発表前に、例えば21時25分に決済するように注文したとしましょう。上のチャート例では、これがばっちり決まっています。
ヒロセ通商(LION FX)では、時間指定に関する3注文(時間指定成行、時間指定指値、時間指定逆指値)を50通貨ペアで使用することが可能です。
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