時間指定注文を深く分析して、トレードに活用しようというシリーズです。
今回は、時間指定指値注文を確認しましょう。時間指定成行注文よりも応用範囲が広いだろうと思います。
時間指定指値で取引を「開始する」とき
例えば、下の図のようなチャートに出会ったとしましょう。
日足で見ると上昇トレンドだったとします(赤の曲線)。「買えばいい感じかも?」と思ったとします。そこで念のため、短い足でも為替レートを確認してみました(青線)。
すると、短い時間足で現在の状況を詳細に見ると、上昇トレンドと言うよりは下落に近いかも?という状況でした。さて、今買うべきでしょうか・・・?
こういう例は珍しくないでしょう。
状況をまとめますと、以下の通りです。
- 普段は日足でトレードしており、現在の形は買いパターン
- しかし、短い足で確認すると、「買いでないかも」という形
- とはいえ、最終的には上昇すると思うから、買いたい。
- でも、今買うのはお得感がないかもしれない。
- チャートをずっと眺めて待つ時間はない。
こういう場合に、時間指定指値が有効かもしれません。例えば、以下のように使います。
時間指定指値注文を使う
最終的には上昇すると思うけれども、直近は下がるかもしれません。そこで、ここで買いたいというレートを指定して、指値注文を出します。
その指値が成立するほど円高になってくれない場合は、時間指定注文が機能して成行で買います。
(指値が成立した場合は、成行注文は自動でキャンセルされます。同様に、時間指定成行注文が成立するときは、指値注文が自動でキャンセルされます。)
成行買いと時間指定指値注文を併用する
上の方法で注文すると、指値で買うことができず、思っていたよりも高いレートで取引を開始することになるかもしれません。
そこで、例えば、全体で10,000通貨買おうと考えていた場合、上の方法で5,000通貨を注文し、 残り5,000通貨は今すぐに成行で買うという方法があります。
こうすれば、安値で買うチャンスを伺うと同時に、意外に高値で買ってしまっても、レートの平均値は低く抑えることができます。
日足と時間足で値動きが一致しない感じだから、トレードすべきか迷う、ということはあると思います。この場合に有効な発注方法でしょう。
時間指定指値で取引を「決済する」とき
次は、ポジションをすでに持っている場合の時間指定指値注文です。上のチャート例をもう一度確認しましょう。
日足では上昇トレンドに見えますが、それよりも短い足では上昇の勢いが今一つのように見えたとします。今は買って持っていますので、少しでも円安になる時に決済したいです。
- 今、決済すべきか?
- しかし、日足は上昇トレンドに見える。
- とはいえ、30分足の値動きは怪しい。
- チャートをずっと監視する時間もない。
・・・という場合にも、時間指定指値注文を使うことができるでしょう。
時間指定指値注文を使う
最終的には上昇すると思うけれども、直近は下がるかもしれません。そこで、ここで決済したいというレートを指定して、指値注文を出します。
その指値が成立するほど円安になってくれない場合は、時間指定注文が機能して成行で決済します。
(指値が成立した場合は、成行注文は自動でキャンセルされます。同様に、時間指定成行注文が成立するときは、指値注文が自動でキャンセルされます。)
成行決済と時間指定指値注文を併用する
上の方法だけで注文すると、思っていたよりも低いレートで決済することになるかもしれません。
そこで、例えば、全体で10,000通貨を決済しようと考えていた場合、上の方法で5,000通貨の決済注文を出し、 残り5,000通貨は成行で決済するいう方法があります。
こうすれば、高値で決済するチャンスを伺うと同時に、意外に安値で決済してしまっても、決済レートの平均値は高く維持することができます。
取引を開始するときにも決済するときにも、時間指定指値注文が有効に機能し得ることが分かります。
ヒロセ通商(LION FX)では、時間指定に関する3注文(時間指定成行、時間指定指値、時間指定逆指値)を50通貨ペアで使用することが可能です。
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