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最大レバレッジ規制が10倍になったら、どうする?

投稿日:2017年10月9日 更新日:

今回は、読者の皆様から頂きましたお便りを元に考察しましょう。

こんにちは。いつも参考にさせていただきます。ところで、最近、レバレッジが10倍になるとの報道がでています。

システムトレードの場合、最大下落時の値幅が狭くなる弊害があります。私も相当余裕ある設定にしていますが、気分は良くありません。

ゆったり為替さんはどう考えますか

Sさん、ありがとうございます。

最大レバレッジ規制はまだ決まっていませんので仮定の話になりますが、ゆったり為替のポジション等をどうするかについて考察してみます。

レバレッジ10倍規制後のトレード方針

結論を先に書きますと、「何もしない」です。

と言いますのは、米ドル/円(USD/JPY)の超長期ポジションは、米ドル/円=55円まで想定しています。

まだ具体的に計算していませんが、仮にレバレッジ規制が10倍になっても、強制ロスカット水準は過去の円高記録(75円台)よりも、ずっと円高の位置にあるでしょう。

また、豪ドル/円や豪ドル/スイスフランなどの長期ポジションも同様です。

一般の皆様が想定していないだろう水準まで考えてポジションを作っていますので、レバレッジ規制が厳しくなっても、特にすることはないだろうと予想しています。

複利運用のペースは下落

ただし、レバレッジ25倍の時よりも、強制ロスカット水準が上方修正されてしまうのは痛いです。

そこで、複利運用のペースを落として対応するだろうと思います。

例えば、利食い等で得た資金を使って再度ポジションを持つ場合は、レバレッジ1倍を目指すといった、極めて守備的な運用をするかもしれません。

少なくとも、レバレッジ25倍が適用されていた時よりは、複利運用のペースを穏やかにすると思います。

短期トレードの場合も似たようなもので、元々レバレッジは小さいです。今後も今までと同じように取引するでしょう。

FX業界には激震かもしれない

よって、ゆったり為替のトレードへの影響は小さいと思いますが、FX業界全体としては激震かもしれません。

ゆったり為替のような、レバレッジが極めて低いトレードをする人は多いと思います。しかし、FX業者から見て、このような行動は収益になりません。

短期で多額の売買を繰り返すユーザーが一定数いるから、FX業者は経営が成り立っていると予想します。

しかし、レバレッジ10倍規制が実施されると、どうなるでしょうか。

資金効率が悪くなりますので、「短期・多額」のトレードは減少せざるを得ないでしょう。あまりに厳しい日本の規制に嫌気がさして、海外のFX業者に流れるかもしれません。

すると、取引量が減ります。どれくらい減るか分かりませんが、FX業者は狭いスプレッドを提供する体力を失う可能性もあるでしょう。

スプレッドの「正常化」

現在の米ドル/円のスプレッドは、0.3銭固定のところが少なくありません。この数字は、インターバンク市場よりも狭いです。

この数字を維持できるのは、より多くの取引をしてくれるユーザーがいるからでしょう。

しかし、体力を失えば、スプレッドの「正常化」が起きるかもしれません。すなわち、インターバンク市場のスプレッドよりも広くせざるを得なくなり、スプレッドが大幅に広くなるかもしれません。

この場合、デイトレードなどの短期トレードはかなり難しくなります。

また、研究開発投資も減るでしょう。すなわち、チャートの改善や新サービスの提供が滞る可能性もあるでしょう。

すると、この状況を嫌気して、さらにユーザーが海外に流れたり、仮想通貨や株式に逃げていく可能性も否定できません。

・あまりに厳しいレバレッジ規制
→ 顧客の逃避
→ スプレッド拡大、商品開発力の低下
→ さらに顧客が逃避
→ FX業界全体の停滞

こういった流れが容易に想像できます。当ブログのタイトルは「FXゆったりトレード派」ですが、いつの間にか「仮想通貨ゆったりトレード派」になっているかも…(それはありませんが)。

FXに魅力がなくなれば、ブログやサイトの数も大幅に減ると予想できます。

なお、上の話は、悪い結果になる場合の予想です。最大レバレッジが10倍になっても、何事もなかったかのように推移する可能性もあります。

そうあってほしいですが、実際はどうなるでしょうか。その時になってみないと、何とも分かりません。

取引試算例

ここで、トレードの試算をしてみましょう。

ゆったり為替は、超長期で保有するのが好きです。例えば、豪ドル/円を90円で10,000通貨買い、55円になっても強制ロスカットにならない資金を準備するとしましょう。

この場合、現在の規制で必要な資金量は以下の通りです。

(1)取引金額の4%:
90円×10,000通貨×4%=36,000円
(2)90円で買って、55円まで下落しても耐えられる資金:
(90円-55円)×10,000=350,000円

必要な資金は、上の(1)と(2)の合計ですから、386,000円です。ゆったり為替にとって、(1)の36,000円が痛いです。可能ならば、1%以下にしてほしいです。

というのは、ゆったり為替にとってですが、この部分の資金は活躍の場がないと見込めるからです。

米ドル円の長期保有については、USD/JPY=55円になることを想定して買います。豪ドル円ならば、50円割れや40円割れも考慮します。

しかも、FX口座とは別に、銀行口座にも資金があります。

ここまでガチガチの資金管理をする場合、(1)の資金が活躍するとは思えません。レバレッジ規制が10%になる場合の必要資金について、上と同様に計算してみましょう。

(1)取引金額の10%
90円×10,000通貨×10%=90,000円
(2)90円で買って、55円まで下落しても耐えられる資金:
(90円-55円)×10,000=350,000円

合計で、440,000円です。上の場合と比較して、54,000円が余分に必要になります。実に痛いです。

この試算例では、1万通貨で計算しています。10万通貨なら、54万円が追加で必要です。100万通貨なら、540万円です。

レバレッジが極めて低いトレードでも、レバレッジ規制の強化はデメリットでしかありません。短期トレーダーにとっては、さらに厳しいでしょう。

レバレッジ規制による保護を必要とする層が存在する

その一方で、最大レバレッジが25倍では高すぎるというユーザー層が、一定数存在することは事実でしょう。

彼らを保護し、FX業者の経営破たんを回避するために、レバレッジ規制強化が検討されていると理解しました。

下は、強制ロスカットで借金を作った個人や企業の様子を集計したものです(金融先物取引業協会ホームページから引用)。

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相場が荒れると、強制ロスカットになる個人や会社が多数出てしまうことが分かります。

赤枠で囲った部分で、多数の強制ロスカットが出ています。FX業者が(一時的とはいえ)回収できなかった金額は2,200万円にもなります。

この2,200万円は、口座残高よりも大きな損を出した金額です。すなわち、顧客の借金になります。

下は、強制ロスカット件数や金額が特にひどかったときの状況をまとめたものです。

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2015年1月のスイスショックが特にひどいです。34億円弱もの未収金が発生してしまいました。

このショックの影響で、FXCMジャパンやアルパリジャパンが消えてなくなってしまいました。

しかし、ゆったり為替のような、ガチガチの資金管理をする人々については、レバレッジ規制を大幅に緩くしてほしいです。

無登録の海外業者が日本向けに営業することは法律で禁止されていますが、海外業者を使いたいという人が増えるだろうな、と予想できます。

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