ゆったり為替のIG証券についてのイメージと言えば、「取引可能通貨ペア数がとても多い」ことです。
そして、CFDやバイナリーオプションなど、商品構成が多彩なことです。
そのIG証券が、スプレッドを大幅に狭くして勝負してきました。さらに、IG証券独自の注文方法を使えば、危機発生時のリスクを大幅に低減できます。順に確認しましょう。
IG証券の新スプレッド
最初に、IG証券の新スプレッドを確認しましょう。下の一覧の通り、業界最小水準のスプレッドになったと言って良いでしょう。
IG証券のスプレッド変更:(2020年1月10日。下記数値は原則固定、例外あり)
- 米ドル/円(USD/JPY):0.2銭
- ユーロ/米ドル(EUR/USD):0.4pips
- 豪ドル/円(AUD/JPY):0.7銭
- ユーロ/円(EUR/JPY):0.5銭
- 豪ドル/米ドル(AUD/USD):0.6pips
ただし、当ブログの読者の皆様にとっては、この情報の重要度はどれほど大きいでしょうか。
といいますのは、当ブログの読者の皆様から頂きますメールを拝読しますと、FXで経験を積んでいらっしゃる方が多いと予想されるためです。
すなわち、既にお気に入りのFX口座がある場合が多いでしょう。
スプレッドが狭くなったからと言って、あえてIG証券に乗り換えるだろうか?と考えるとき、その可能性は高くないと思います。
では、ゆったり為替が敢えてこの情報をお知らせする理由は何か?ですが、このスプレッドに加えて「ノースリッページ注文」を使えば、皆様にメリットが大きい場合があると考えるからです。
ノースリッページ注文とは
最初に、ノースリッページ注文とは何かを確認しましょう。ノースリッページ注文とは、「決済注文で絶対にスリッページしない」という注文です。
下の図は、IG証券からの引用です(以下同じ)。
上の図の左側で、買いポジションを保有しました。この際、ノースリッページ注文を指定しています。その後、為替レートが急落してしまい、ノースリッページ注文の指定価格を割り込みました。
このときにスリッページが決して発生しないというものです。
「なんだ、そんなことか」と感じるかもしれません。しかし、この機能が極めて有効に作用する場合が少なくないと考えています。
いくつかの例を考察しましょう。
例1:2015年1月のスイスショック
もう3年近く前の話になりますが、2015年1月にスイスフランが暴騰しました。
わずか1時間ほどの間に、ユーロ/スイスフラン(EUR/CHF)が1.20から0.80近くまで4,000pipsも下落しました。
下のチャートは、この時の日足の様子です。暴落するまではEUR/CHF=1.20のすぐ上を推移していたのですが、2015年1月15日にいきなり大暴落です。
この時のFX相場は大荒れでした。ユーザーによっては、1,000pips級の巨大なスリッページに見舞われてしまったようです。
この時、IG証券のノースリッページ注文はなかったわけですが、今後、同じような大暴落があっても、ノースリッページ注文を使っていれば確実に自分の資産が守られます。
例2:2016年10月のポンド暴落
例の2つ目として、ポンド/円(GBP/JPY)の暴落を挙げましょう。下のチャートの通りです。2016年10月7日早朝、ポンド/円(GBP/JPY)が暴落しました。
このとき、ノースリッページ注文を使っていれば、完全にスリッページなしで、指定レートで損切りできます。
ノースリッページ注文を使っていなかった場合は、上の図の通り、とても不利なレートで決済することになったでしょう。
この不利なレートは、IG証券に限ったことではありません。このときは、相場が大荒れでしたので、通常のようなイメージで取引することが極めて困難でした。
FX各社ともスプレッドやスリッページが巨大化し、スイスショックの再来を思わせるような状況でした。
にもかかわらず、ノースリッページ注文を使っていれば、スリッページなしで決済できます。
暴落等は頻発するのか?
ここで、疑問が出るかもしれません。上の2つのような例は、そんなに頻発するのか?です。ほとんどないならば、ノースリッページ注文の活躍の場はないかもしれません。
これを考察するために、金融先物取引業協会のデータを確認しましょう(下の表2枚)。これは、ロスカットによる追証の発生状況です。
すなわち、預入証拠金以上に損失を計上してしまい、FX業者に対して借金を背負ってしまった件数と金額です。
(一般社団法人金融先物取引業協会HPより引用)
(一般社団法人金融先物取引業協会HPより引用)
上の2枚は期間が少し離れています。ゆったり為替の手元にデータがないためです。すみません。これを見ますと、追証を背負ってしまう例がしばしば発生していることが分かります。
すなわち、他人事ではありません。
しかし、ノースリッページ注文を使っていれば、確実に設定レートで損切りできます。巨大なスリッページ等による証拠金の追加などで困ることがありません。
よって、波乱相場が予想されるけれどもトレードしたい場合に、IG証券のノースリッページ注文の使用を検討できます。
ノースリッページ注文の保証料
ただし、ノースリッページ注文には費用が必要です。完全にスリッページを排除するということは、IG証券がスリッページのリスクを全て背負って決済レートを保証することを意味します。
そこで、少しだけ保証料をもらうことで、IG証券は背負うリスクを緩和しています。
では、気になる保証料の大きさです。
米ドル/円(USD/JPY)で1万通貨を保有する場合、ノースリッページ注文の保証料は100円程度です(実際の金額は、取引画面でご確認ください)。
この保証料で、上で考察した問題から解放されます。しかも、この保証料は、実際にノースリッページ注文が成立した場合だけ支払います。
発注時に支払う必要がありません。私たちにとって、メリットが大きいでしょう。
ノースリッページ注文の発注方法
ノースリッページ注文の発注方法は、極めて簡単です。下の画像は、IG証券の発注画面です。赤枠で囲った「ノースリッページ注文」をチェックして、ストップ値幅を指定するだけです。
なお、波乱が予想される場合はIG証券、そうでない場合は別のFX口座という使い方もできますが、イザというときだけIG証券を使うというのは難しいかもしれません。
というのは、効果的に取引するには「取引ツールへの慣れ」も必要だからです。
そこで、ノースリッページ注文を使いたい場合は、普段からIG証券のツールに触れるのが良いだろうと思います。
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