マイナス金利がさらに大きくなったら、どうなる?

063511-2日銀総裁は、マイナス金利はこれで打ち止めでない旨を示唆しています。

そこで、さらにマイナス金利を拡大したらどうなるか、想像という名のシミュレーションをしてみましょう。


最初に、今回のマイナス金利の内容を確認しましょう。

・ 銀行が日銀に預けている現在の当座預金は、引き続き0.1%の金利を付与
・ 金利をゼロ%にする部分もある
・ 上二つを超える日銀当座預金に対して、マイナス金利を付与
・ マイナス金利が嫌だからといって現金を積み上げると、ペナルティあり

銀行は現金を積み上げるんじゃない!とにかく貸すんだ!貸せないならば金利をさらに下げるんだ!という感じに見えます。

そんな無茶な!・・・というわけで、銀行株は下がりました。

FX究極のスワップ派の記事「日銀が追加金融緩和でマイナス金利導入!」で書きました通り、企業部門は資金が余っています。「お金を貸すと言われても、今は間に合ってるし・・・」という状態だと思います。資金繰りが厳しい企業は除いて。

残念ながら貸し出しが全く増えず、消費者物価指数も低空飛行したと仮定しましょう。

そこで、極端な例を考えたほうがシミュレーションとしては分かりやすいので、日銀が実行しそうもない(と思う)マイナス金利を導入したとしましょう。

・ 日銀当座預金は、法定準備を超える部分(超過額)すべてにマイナス金利付与。
・ ついでに、無担保コール翌日物金利もマイナスに誘導します!(どうやって誘導するかは脇に置いて)
・ 現金山積みにしたら、法定準備もマイナス金利にしちゃうよ!

と、こんな無茶な政策を導入したとしましょう。 さて、どうなるでしょうか。自由な発想で考えてみましょう。

→ 企業向け貸し出しを増やしたくても、借り手がいません。
→ 個人向け貸し出しを増やしたいところですが、今でも十分低い金利が多少下がったところで、貸し出しが劇的に大きくなるとも思えません。
→ では、国債でも買おうか・・・国債の金利は史上最低水準でバブル状態です。 計算上はリスクウェイト0%で運用できるとはいえ、現実にはリスクがあります。国債をあまりに買い進めるのは危険です。利率も0%くらいですし。
→ 社債を買おうか・・・国債と同じで金利が潰れています。リスクに見合った金利を得られません。
→ 流行しているフィンテックに投資だ!・・・この分野に投資するでしょうが、まだこれからの分野ですので、主力級になるには時間がかかるでしょう。
→ では、海外貸し出しを増やそう!・・・と思っても、海外の景気も今一つ。
→ 仕方ないから、預貯金金利をゼロ%にして支出を少しでも減らそう。
→ 当座預金も法定準備だけ積んでおいて、あとは引き出す。現金山積み・・・これはダメなので、どうしよう?とりあえず子会社に貸し付けて(押し付けて)、利子を0.01%くらいにしておく?

預貯金金利がマイナスになるかも?という心配があるかもしれません。そこで、マイナス政策金利の先輩国を確認しましょう。すなわち、スイスです。スイスの政策金利の誘導目標はマイナス1.25%~マイナス0.25%です。

とてもマイナス幅が大きいですが、預金金利がどうなっているかを確認しますと、UBSのスイスフラン建て個人口座金利はマイナスになっていません。

というわけで、預貯金金利がマイナスに転落するのは、とてもハードルが高いと予想します。

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上のシミュレーションはかなり適当ですが、「金融政策で景気を回復することはできない」と思います。単に物価を上昇させるだけで良いならば、日銀総裁が「日銀は財政ファイナンスをしています」と発言すればOKでしょう。

一気にハイパーインフレーションが実現してしまうかもしれません。

それでは困るので、景気の回復をともなう物価上昇でなければなりません。しかし、金融政策での実現は無理があると思います。では、財政政策?しかし・・・。

→ 長期国債がマイナス金利。買っているのは誰?
→ 今回の追加緩和で、円を売る場合のスワップポイントはどうなる?