267228-2FXをしていますと、「米雇用統計=FX」の図式が頭から離れません。しかし、本来の使い方はそうではないでしょう。

アメリカの産業構造の変遷などを確認するのにも、米雇用統計が役立ちます。今回は製造業とサービス業の雇用者数について、長期的な推移を確認しましょう。 

最初に、製造業雇用者数の長期推移を確認しましょう。下のグラフは、米労働省ホームページからの引用です(以下同じ)。

1971年以降のグラフです。1999年あたりまでは1,750万人くらいで横ばいだと分かります。

米製造業雇用者数20160714

1980年代、日米は貿易摩擦で大騒ぎでした。しかし、このグラフを見る限りですが、日本の輸出がアメリカの雇用を奪ってはいないとも言えそうです。

あるいは、日本がなければ右肩上がりだったのに、日本が半導体やら自動車やらを輸出するから横ばいになったのかもしれません。この場合は、雇用を奪ったともいえるでしょう。

しかし、1999年以降は明らかに雇用者数が大幅に減っています。製造拠点が中国やインドなどに移動し始めた時期と近いように思います。

その後は一方的に下落し、2010年くらいになってようやく回復に転じました。しかし、その足取りはゆっくりだと分かります。


では、この消えてしまった雇用の受け皿となったのは、どの産業でしょうか。下のグラフをご覧ください。サービス業です。

米サービス業雇用者数20160714

サービス業は、製造業と対照的に増え続けています。2008年のリーマンショックあたりで人数が減っていますが、それは例外的だと分かります。

2015年のサービス業の雇用者数は1億人を超えており、製造業の1,200万人くらいと比較すると10倍近い差があります。

以上の通り、ちょっとグラフを抽出して調べるだけで、実に様々なことが分かります。米国労働省のホームページでは、とても多くの分野の情報について、このようなデータを極めて簡単に入手できます。グラフ化も容易です。

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