featured-imageトルコリラが下落を続けています。上昇を期待できる政策がほぼないので、仕方ありません。

ここで心配なのは、暴落よりも相場の消滅です。消滅とは、取引が継続的に停止になり、売買できなくなることです(一時的な停止の場合は、消滅ではありません)。

そこで、トルコリラ相場が消滅する場合を想像してみます。

過去の相場消滅

過去の相場消滅と言えば、2008年のアイスランド・クローナ(ISK)が直近だと思います。リーマンショックの余波を受けて、流動性が枯渇してしまいました。

流動性がなければ、ポジションをロールオーバーできません。よって、ISK/JPYのポジションはすべて強制決済されました。

暴落の末の強制決済なので、高いスワップポイントを期待して買っていた人は、ほぼ全員が損失になったのでは?と予想可能です。

ただ、このときは、相場消滅の原因はアイスランドではないでしょう。リーマンショックが原因です。また、ISK/JPY相場の消滅が、FX市場にどのような影響を与えたかも、良く分かりません。リーマンショックの方が、影響は圧倒的に大きかったでしょう。

今回のトルコリラは、トルコが自滅するような感じになっています。トルコ発で相場がなくなる場合、その影響は良く分かりません。

そこで、日本のFX市場の取引データを使って考察しましょう。

トルコリラ円の売買比率

日本では、トルコリラ円の買い数量と売り数量で、どちらが多いでしょうか。スワップポイントの大きさを考えれば、買い数量の方が多いと予想できます。

ここで、マネーパートナーズが公開している売買比率を確認しましょう。下の通りです。トルコリラ円の部分を青枠で囲みました。

そして、赤色が、買っている割合です。

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買いポジションの割合が、圧倒的です。90%もあります。売り数量は10%しかありません。この下落の中です。買いポジションを保有し続けるのは、大変苦しいのでは?と予想できます。

トルコリラ円の相場が取引停止になったら

では、トルコリラ円相場が消滅する場合の、日本のFX市場に与える影響を考察しましょう。

今、トルコリラ円相場が取引停止になる場合、買って持っている人の大多数が損失になると予想できます。売っている人は、おそらく利益になる人が多いのでは?と思います。

ただ、買っている数量が圧倒的なので、合計すると大幅損失になるでしょう。

とはいえ、トルコリラ円の取引について、日本のFX取引全体に占める割合がごく小さいならば、影響は小さいでしょう。あるいは、無視できる程度かもしれません。

逆に、トルコリラ円の取引が一定の割合以上あれば、トルコリラ円相場の消滅は、日本のFX市場に大きな影響を与えるでしょう。

そこで、くりっく365の公開情報(2018年8月7日分)を使って、トルコリラ円の建玉の大きさを計算しました。

全通貨ペアの建玉金額:1.47兆円
トルコリラ/円の建玉金額:635億円
トルコリラ/円の割合:4.32%

トルコリラ/円は超マイナー通貨ペアですが、金額ベースで4.32%もあります。きわめて大きな数字です。世界の取引割合に沿うならば、この10分の1(0.432%)くらいでも良さそうなものなのに。

4%は、無視できない大きさです。

トルコリラ円相場の取引が停止になり、多くのユーザーが損したと仮定します。金額ベースで4%超もあります。よって、大きな痛手を被る人が続出します。すると、その損失に耐えられず、他のポジションも閉じようとする可能性があります。

すなわち、売買比率で買いが優勢な通貨ペアは、下落圧力を受けます。逆に、売買比率で売りが優勢な場合は、上昇圧力を受けます。

この想定をもとにすると、トルコリラ円相場の取引停止は、各通貨ペアに下の影響を与えると予想できます(どの程度の圧力になるかは、予想がつきません。無視できるレベルかもしれませんし、目に見える影響があるかもしれません)。

米ドル/円:円高圧力
ユーロ/円:影響なし
豪ドル/円:円高圧力
NZドル/円:円高圧力
ポンド/円:円高圧力
南アランド円:円高圧力

円高圧力が大きいと分かります。数字で具体的に影響度を計れないので、どの程度これが顕在化するか不明です。しかし、少なくとも、円安圧力にはならないと分かります。

FX業者の経営に影響はあるか

なお、トルコリラ円の暴落&取引停止が、強制ロスカットを伴うものである場合、FX業者の体力を考える必要があるかもしれません。

直近でいえば、2015年1月のスイスショックが例になります。スイス国立銀行(=スイスの中央銀行)の突然の政策変更により、スイスフランが暴騰しました。このあおりを受けて、複数の海外FX業者が経営破綻に追い込まれています。

トルコリラ/円で暴落&取引停止が起きる場合、日本のFX業者は大丈夫でしょうか。

ゆったり為替の予想では、「大丈夫」です(予想ですが)。と言いますのは、日本のレバレッジは25倍までと決まっているからです。海外でみられるような、100倍といった取引ができません。その分だけ、安全度が高くなります。

普段は厄介者扱いされる25倍規制ですが、ピンチの時には、顧客とFX業者を強力に守ってくれると考えています。

とはいえ、FX業者の体力が心配な場合は、FX各社の自己資本規制比率を確認しましょう。法律で120%以上必要とされています。この数字が大きいほど、体力が強いといえます。

主なFX業者の自己資本規制比率は、以下の通りです。

SBI FXトレード: 1273.5%
FXプライムbyGMO: 617.7%
GMOクリック証券: 436.8%
マネーパートナーズ: 377.2%
DMMFX: 287.1%

自己資本規制比率で桁違いの数字を出しているのは、SBIFXトレードです。SBIFXトレードは、2015年1月のスイスショックでも、顧客にとって素晴らしい対応をしています。

詳しくは、別記事「危機の時にこそ、FX業者の「本当の実力」が示される」(「FX究極のスワップ派」記事)でご確認ください。