スイス国立銀行(スイスの中央銀行)は市場に負けてしまいました。ユーロ/スイスフラン(EUR/CHF)=1.20を防衛できず、市場は大混乱。スイス自体へのダメージもありそうです。

同じようなことが日本で起こり得るかどうか・・・今回はこれを考えます。 

スイス国立銀行は、力技でEUR/CHF=1.20を設定しました。日銀はどうでしょうか。既発の日本国債をふんだんに買うことにより、金利を極めて低く押さえつつ資金を潤沢に供給しています。

スイス国立銀行は為替レート、日銀は国債(金利、流動性)。両者が対象とする分野は異なりますが、無理矢理押し付けるという意味では同じ部類です。

では、日銀の目標である消費者物価指数の年率2%上昇が達成された場合、どうなるでしょうか。これを考えましょう。


選択肢1 : 日本国債の購入をやめる

目標を達成した翌日から、日銀が日本国債購入をやめるとします。いきなり巨額の需要がなくなってしまうということです。すると、国債の供給よりも需要が大幅に減ることになります。すなわち、国債価格は瞬殺のごとく下落して金利は急騰します。

銀行や生命保険会社が持っている国債はことごとく含み損を計上し、償還まで長い期間の国債を多額保有している地方銀行などが経営破たんしてペイオフが実行され、日本は恐慌のごとくなってしまう・・・そんなシナリオを描くことも可能でしょう。

為替に関して言えば、無理に円安誘導してきましたから、反動で大幅円高になるかもしれません。というわけで、採用できる政策ではありません。


選択肢2: 日本国債を買い続ける

これも選択しづらいです。日銀が巨額の国債を買い続けると、日本の財政赤字を埋めるためにお金を発行して国債を買っているのでは?と市場に疑われてしまいます。これを疑われるとひどい結果が待っています。「歴史は繰り返す」が当てはまるならば、日本の物価は急上昇、円は価値を失って大幅円安になり、金利が急騰します。

とても選択できる政策ではありません。

ちなみに、日銀が政府から国債を直接購入することは財政法で禁じられています。歴史から学んでいるというわけです。そこで、日銀は市場から国債を購入しています。


選択肢3: 日本国債の購入をゆっくり停止する

そこで、これが選択肢となります。しかし、これはとても難しい技を要求されそうです。アメリカ合衆国が金融の量的緩和を縮小したり金利をあげたりするために、市場との対話を繰り返しています。市場に不必要なショックを与えないように、慎重に対応しています。

日銀も同じように市場との対話が求められるでしょう。今は金融緩和からの出口が全く見えないという状態の模様ですが、「さーて、そろそろ出口かな?」という頃になって対話を始めても、対話を始めるということ自体がショックとなって市場に余計な混乱を与えかねません。

出口に向けた対話をいつ始めるか?がとても重要になるでしょう。


FXで何か対応策はあるか?

ゆったり為替としては、適切な対応策が思いつきません。しかし、実行していることがあります。

・ 外貨で証拠金を保有する

不測の事態が発生して円の価値が急速に失われても、外貨で資産防衛をするということです。円高になる場合は損することになりますが、保険料だと考えて割り切ります。最有力候補となる主要通貨は米ドルとスイスフランでしょうか。シンガポールドルにも惹かれますが、国の規模が小さいので選択しづらいです。

→ 外貨を証拠金にできるマネーパートナーズの詳細および口座開設


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