国民投票が終わって、イギリスの政治は混乱しているようです。
こんな中、いったいイギリス国民は何を考えているんだろう?…そこで、イギリスでどんなキーワードが検索されているのか、確認しました。
その結果が驚愕です。
EUって何?
Googleは、ユーザーによって検索されたキーワードの統計情報を公開しています。そこで、現在(2016年6月26日)のトレンドキーワードを見ると、以下の通りです。
(画像はgoogleから引用。以下同じ。)
上の画像の訳:
イギリスの国民投票の結果を受けて、イギリスで最も検索された質問は「EUとは何?」そして「キャメロン首相の次はだれ?」だった。
上の表の訳は、以下の通りです。表の見出しは、「イギリスにおける、EUに関する検索質問上位」です。
- 1位:EUから離脱することは、何を意味する?
- 2位:EUとは?
- 3位:EU構成国はどこ?
- 4位:今EUから離脱したら、何が起こる?
- 5位:EU構成国は何か国?
雰囲気で適当に投票した可能性があるかも?
これは、イギリス国内で、Googleを使って検索されたキーワードです。よって、選挙権を持っていない人が検索した例もあるでしょう。
しかし、「EU離脱の意味を知らずに投票した」という有権者が、相当数含まれていると予想できます。
検索された質問の内容が、あまりに基本的なので驚きを隠せません。
「お祭り気分」「雰囲気」「何となく」…このような感じで投票した人もいたかもなあ、と予想できます。
しかし、時を戻すことはもうできません。イギリスは連合王国の維持さえ難しくなろうとしています。
「スコットランドは再び独立の投票準備に入った」と報道されています。北アイルランドでも、独立の動きがあるようです。
「ロンドンはイギリスから独立しよう」というインターネット活動もあります。さすがに、これに現実味はないと思いますが…。
こうなると、「民主主義とは何か?」「民主主義は有効に機能しうるか?」という、古くて新しい問題がでてくるかもしれません。また、教育の重要性も改めて実感します。
地域別の関心度
では、この驚きの検索キーワードが多く検索された地域を、確認しましょう(イギリス国内限定)。
青色が濃いほど、全検索に占めるEU離脱問題への関心度が大きかったことを示します。
- イングランド:100
- ウェールズ:96
- スコットランド:69
- 北アイルランド:55
最大値は、100です。すなわち、イングランドでは、EU離脱問題が強烈に意識されていたことが分かります。そして、スコットランドと北アイルランドは、やや冷めた感じを見て取れます。
この数字の差ですが、国民投票結果とリンクしているように見えます。
下の地図は、イギリス国民投票の結果を、地域別に示したものです。黄色は、EU残留が多数派です。青色は、EU離脱が多数派です。
スコットランドと北アイルランドは、残留が勝利です。イングランドとウェールズは、離脱が勝利です。投票数は、イングランドが圧倒的に大きいです。
よって、離脱が決まりました。下は、投票総数です。イングランドが、桁違いの投票総数を持っています(人口が多いから)。
- イングランド:15,188,406
- 北アイルランド:349,442
- スコットランド:1,018,322
- ウェールズ:854,572
希望通りになったイングランドとウェールズで、EU関連の検索への関心度がMAX状態です。そして、検索キーワードは「EUとは?」です。
おいおい…。
2019年11月現在の状況
そして、時は流れました。2019年11月9日現在、イギリスは、まだEUから離脱していません。
もう3年も経過しているんですが。遠く離れた日本にも、イギリスの混乱ぶりが伝わっています。
「本当は、EUから離脱したくないのでは?でも、国民投票で決めてしまったから、仕方なく離脱に向けて動いている…でも、本当は嫌なのでは?」
というのが、ゆったり為替の率直な感想です。総選挙が実施されますので、その結果を待つことにします。
私たちにできることは?
私達がイギリスに関してできることはないでしょうが、「日本の選挙で同じような行動をしない」という反面教師にすることができます。
日本でも毎年のようにどこかで選挙が実施されています。「あの人は著名人だ」「何となくやってくれそう」…雰囲気で投票すると、後悔することになるかもしれません。
自分が何(誰)に投票しようとしているのか、投票する前に確認することが大切でしょう。
関連記事