どのFX業者のサイトを見ても、両建てを推奨しているところはありません。むしろ、後ろ向きの表現ばかりです。
例えば、セントラル短資FXには、以下の通り書いてあります。
どこの業者も、同じような文章です。
両建てをおすすめしない理由
一般的に言って、どんなにダメそうに見えるトレード手法であっても、ダメだと断定することは難しいです。その方法で勝てる場合があるからです。
あるいは、その手法だとトレードしやすくて合理的だ、という場合もあるでしょう。
両建てについても同様です。確かに、スプレッドの二重負担などのデメリットがありますが、両建てが有効な場面もあります。
では、FX業者が一様に両建てをすすめない理由は何でしょうか。理由は簡単で、FX業者の業界団体である金融先物取引業協会(金先取)が、そのように定めたからです。
金先取の団体内部向け資料
金先取が、FX業者の社員向けに作った資料があります。『金融先物取引の知識』です。これによると、両建てのサービスをする場合は、以下の事柄に留意するように書いてあります。
セントラル短資FXの文章と、ほぼ同じ内容です。セントラル短資FXが金先取の文章をそのまま使っている、という表現の方が正確でしょう。
また、この資料には、「両建てを勧誘することは禁止」と明記してあります。
よって、FX業者にとって両建ては儲かるはずですが、おすすめしていないという表現を使っています。
しかし、両建てが有効に機能する場面があるのは、確かです。そこで、文章を自由に書ける立場の人々が、両建てについて書くことになります。
やさしい両建て手法
では、ここで、やさしい両建て手法の例をご案内します。
ここでいう「やさしい」の意味ですが、技術的に易しいという意味です。インジケーターを細かく理解する必要はありません。ただ、実際に両建てできるか?というのは、また別の検討が必要でしょう。
超円高で、長期保有
まず、超円高になるのを待ちます。実際に超円高になったら、円を売って外貨を買います。このとき、スワップポイントはプラスになっている必要があります。
また、スワップポイントは今後も継続的にプラスだ、と期待できる通貨ペアを選びます。例えば、豪ドル/円がその通貨ペアだとしましょう。
例えば、赤枠の範囲内で10万通貨買うとします。
円安になったら、売りで勝負
その後、円安になったとします。すなわち、為替レートは赤枠の上に進みます。
こうなったら、自由に売りで勝負します。インジケーターを使っても構いませんし、売りのトラリピのように一定値幅で売りをしても構いません。
できるなら、長期チャートの上限あたりで売ると、効果的でしょう。上のチャート形状が今後も続くと想定するなら、豪ドル/円が90円~100円台の時に売ります。
ただし、売りの数量は、7万通貨くらいを上限にします。
売り数量は、買い数量よりも少なく
ここで重要なのは、円高で買って保有している数量よりも、円安になってから売る数量を十分に小さくすることです。
これには、2つの理由があります。
スワップポイント
一般的に、同一の通貨ペアで同数の買いと売りをすると、顧客は損になります。例えば、米ドル/円を1万通貨買うと同時に、1万通貨売るとしましょう。
このとき、スワップポイント(例)は、以下の通りになります。
- 米ドル/円の買い:35円受取る
- 米ドル/円の売り:45円支払う
すなわち、買いと売りで同数になると、合計でスワップポイントが損になってしまいます。この差額は、FX業者の収入源になります。
よって、スワップポイントをプラスにするには、売りの数量を十分に小さくしなければなりません。
さらに円安になるとき
また、売った後にさらに円安になる場合の考慮が必要です。
例えば、豪ドル/円=60円で10万通貨買って、豪ドル/円=100円で10万通貨売っているとしましょう。この状態で、豪ドル/円が105円、110円と円安になる場合、損益は増えません。
買いポジションは含み益が増えますが、売りポジションは含み損が大きくなります。含み益と含み損で、差し引きゼロになってしまいます。
それでは面白くありません。そこで、売りの数量を減らします。
こうすれば、円安になればなるほど、合計で含み益が大きくなります。
為替レートが円高になる場合は、売りのトレードでどんどん利食いできます。買いのポジションは含み益が減りますが、超円高で買っているので、含み損まで転落する可能性を低く見積もることができます。
買いのポジションが含み損になりそうだったら、含み益のうちに利食いするという選択肢もあります。
両建てに有利なFX口座
では、この両建てを実行するにあたって、有利なFX口座をご案内しましょう。みんなのFXです。
その理由は、買いと売りでスワップポイントの大きさが同じだからです。
売り数量を小さくしないと、スワップポイントの合計がマイナスになるよ、とご案内しましたが、みんなのFXは例外です。
下の例のように、買いと売りでスワップポイントの大きさが同じです。
- 米ドル/円の買い:40円受取る
- 米ドル/円の売り:40円支払う
みんなのFXを使うと、両建てのデメリット2つのうち、1つが消えることになります。
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