両建てのトレード手法には、複数あるでしょう。ここでは、ゆったり為替が実際に使用した2つをご案内します。
両建てのメリット
買いのトレードは躊躇なくできるのに、売りは得意でないという方は少なくないだろうと思います。
しかし、両建てならば、売りのトレードが簡単にできるかもしれません。すなわち、ストレスなく売りのトレードをする練習になります。
また、下の方法がうまく決まる場合、円高は嫌なものでなく、待ち遠しいものになるかもしれません。
両建て手法1
この両建てを実行するには、以下の条件が必要です。
- 現在値は歴史的安値圏にあり、将来は上昇すると予想している。
- その通貨ペアを買うと、スワップポイントは継続的にプラスになる。
- 年単位では安値圏であるものの、日・時間単位では売っても良い状況。
すなわち、現在の為替レートが歴史的な安値圏にあるということです。例えば、下の豪ドル円ならば、概ね65円未満くらいで実行可能と思います。
下の米ドル円なら、90円未満で実行かな、と思います(80円未満の方が良さそうですが、そこまでは欲張らず)。
具体的なトレード方法
上の条件を満たしたら、両建てでポジションを保有します。
トレードしようとしている人は、何らかの理由で下落を予測し、売りたいと考えています。
一方、超長期(過去数十年)で見れば、現在は安値圏にあるため、長期で考えれば上昇するだろうとも予想しています。そこで、両建てです。
トレードが成功するとき
短期的には下落を予想しています。そこで、最初に売りポジションを決済できるでしょう。利食いです。
次に、買いポジションの利食いを狙います。売りポジションを利食いできた時点では、買いポジションは含み損になっています。
しかし、為替レートは上下動します。また、長期的には上昇を予想しています。よって、為替レートの上昇を気長に待ちます。
気長と言っても、意外に早く利食いできるかもしれません。どれくらいの期間が必要か不明ですが、その間はスワップポイント益をもらいます。
売りトレードが期待通りにならない場合
短期的には、為替レートが下落すると予想しました。よって、先に売りを利食いできるのですが、予想は外れる場合があります。
すなわち、売りポジションを利食いする前に、為替レートがひたすら上昇してしまうパターンです。
この場合、急いで決済する必要はありません。為替レートが下落するのをじっと待ちます。そして、下落して売りポジションが含み益になったら、利食いします。
その後は、買いポジションの利食いを狙います。
どうしても下落せず、為替レートが上昇一辺倒な場合は、買いポジションと売りポジションの両方を同時に決済します。
こうすれば、売りポジションの含み損と、買いポジションの含み益が相殺しあって、合計で損失はわずかになります。計算上は、スプレッド程度の実現損になります。
スワップポイントをどうする?
ここで問題になるかもしれないのが、スワップポイントです。と言いますのは、多くのFX業者では、買いと売りでスワップポイントの大きさが異なるからです。
例えば、以下の通りです。1万通貨を取引する時…
- 買いの場合:毎日50円のプラス
- 売りの場合:毎日60円のマイナス
こんな感じのFX業者が大半です。すなわち、買いと売りで同数のポジションを持ってしまうと、合計で毎日少しずつ損することになります。
ところが、買いと売りでスワップポイントが全く同じFX業者があります。みんなのFXです。下の通りです。
- 買いの場合:毎日50円のプラス
- 売りの場合:毎日50円のマイナス
みんなのFXなら、スワップポイント損を考えなくても済みます。
デメリット
なかなか良い感じに見えるトレード方法ですが、デメリットがいくつかあります。
デメリットの1つ目は、為替レートが歴史的安値圏にある場合だけ実行可能だということです。為替レートが歴史的安値圏にあるから、将来は上昇するだろうと予想できます。
また、歴史的安値圏で両建てするのですが、過去最安値を超えてさらに安値圏へ下落し続けてしまう場合に、問題含みとなります。
と言いますのは、売りのポジションは利食い済みですが、買いのポジションは持ち続けているからです。すなわち、含み損が膨らんでしまいます。
しかし、過去数十年の安値圏で買っているのですから、含み損はある程度限定的だろうと予想できます。十分に円高になってから実行できる方法です。
なお、ひたすら円高になり続けるような通貨ペアでは、この方法は難しいです。安定感のある先進国通貨ペアで実行可能です。
両建て手法2
両建て手法の2つ目に移りましょう。この両建てを実行するには、以下の条件が必要です。
- 現在値は歴史的安値圏にあり、将来は上昇すると予想している。
- その通貨ペアを買うと、スワップポイントは継続的にプラスになる。
- 年単位では安値圏であるものの、日・時間単位では売っても良い状況。
すなわち、両建て手法1の条件と同じです。これらの両建ては、何としてでも成功で終わらせたいという方法です。
よって、短期的な予想に加えて、長期的なトレンドも利用します。短期予想は下落、長期予想は上昇。複数の時間軸を使っています。
具体的なトレード方法
上の条件を満たしたら、大きめの買いポジションを保有します。
過去の円高記録が実現してもOKな証拠金を準備して、買いポジションを持ちます。また、できるだけ円高の位置で買います。
あとは、自由に売って利食いを繰り返します。
ただし、買いポジションの数量に比べれば、1回の取引で売る数量を十分に小さくします。売りポジションの合計数量も、買いより十分に小さくします。
買い数量:10万通貨
1回の売り数量:5,000通貨
売りは自由に実行するが、同時に保有する売りポジ合計は7万通貨まで など。
トレードしようとしている人は、何らかの理由で下落を予測し、売りたいと考えています。一方、過去数十年で見れば、現在は安値圏にあります。
すなわち、長期で考えれば上昇するだろうと予想できます。そこで、両建てです。
トレードが成功するとき
自由に売って取引します。成功すれば、小さめの利食いを数多く繰り返せます。
また、売ったポジションで利食いできず、為替レートが上昇する場合もあるでしょう。この場合、そのポジションは含み損を抱えます。
しかし、先に十分な量の買いポジションを持っています。これは含み益になります。
(売りの数量) < (買いの数量) ですから、上昇すればするほど、合計で含み益が増えます。
売りのトレードは含み損を抱えているのに、合計では含み益が増えています。買い数量を、売り数量よりも多くしているからです。
また、(売りの数量) < (買いの数量) ですから、毎日のスワップポイントは、合計でプラスを確保できます。
こうして考えると、売り取引を繰り返している最中に、為替レートが大幅上昇してしまってもOKという、素晴らしい状況になります。
デメリット
しかし、このトレード方法にもデメリットがあります。
買ったときのレートよりも低いレートで数多く売った後で、為替レートが上昇するときです。このときは、レートが上昇すると合計で含み損となる場合があります。
できれば、買ったレートよりも上で売ります。しかし、買いの数量が十分に大きいので、あまり神経質にならなくても良いと考えています。
過去最安値を超えてさらに安値圏へ下落し続けてしまう場合、売りのポジションは利食い済みですが、買いのポジションは持ち続けています。すなわち、含み損が膨らんでしまいます。
よって、十分に円高の位置で買います。
両建てしないで、買いポジションだけで良いのでは?
これらの両建て方法は、歴史的に見て安値にある通貨ペアで行います。将来のレート上昇が見込めるから、というのがその理由です。
ならば、両建てしないで、買いポジションだけ保有すれば良いのでは?という疑問が出てきます。買いポジションを持って、スワップポイントを気長にもらい続けます。
そして、将来大きな利食いを期待します。
この疑問は的を得ていると思います。そのほうが簡単です。わざわざトレードをする理由は、以下の通りでしょう。
- トレードするほうが、より多く利食いできる可能性がある。
- トレードするのが楽しい。
FXをする目的は資産の成長ですが、その過程も楽しみたいというのが本音でしょう。
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