長期トレード

政策金利とスワップポイントの関係

2020年2月5日

スワップポイント狙いのトレードにとって、各国の政策金利は重要な指標です。

と言いますのは、外国の金利が上昇して日本との差が大きくなれば、その分だけスワップポイントが大きくなると期待できるからです。

この考え方には、「政策金利差とスワップポイントの大小には明確な関連がある」という前提があります。

これが正しいか、それとも怪しい思考なのか、公開データを元にして確認しましょう。

各国の政策金利

最初に、各国の政策金利の推移を確認しましょう。下のグラフの通りです。

2008年のリーマンショック辺りを境にして、政策金利が一気に大きく引き下げられた様子が分かります。

各国の政策金利

リーマンショック前、オーストラリアやニュージーランドは高金利通貨の代表格でした。今では、ゼロがもう目の前という位置まで低下しています。

日本はどうかと言えば、ゼロ近辺で安定(?)して推移していることが分かります。

よって、スワップポイント狙いという場合、多くは円売り外貨買いとなります。

日米の政策金利

国・地域の数が多すぎますので、米国と日本の政策金利を抜き出しました。下の通りです。

日米の政策金利

上のグラフの期間において、一貫して米国の政策金利の方が高かかったことが分かります。

よって、リーマンショック後の一時的な例外を除き、米ドル円を買って保有すると、スワップポイントはプラスで推移しました。

政策金利とスワップポイント

ちなみに、政策金利差とスワップポイントは一致しません。

と言いますのは、政策金利を使って決めているわけではないからです。よって、数字の大きさは、毎日のように変化します。

スワップポイントの大きさは、日々の短期金利と、FX業者の営業政策で決まります。

日々の短期金利は、政策金利の影響を大きく受けます。よって、取得しやすい政策金利を使って、スワップポイントの検証をするのが効率的です。

このため、当ブログでは、しばしば政策金利が登場します。

そして、FX業者の営業政策を反映して、日々のスワップポイントが決まります(FX業者ごとにスワップポイントが異なることになります)。

これは、スプレッドも同様です。

本来の(=インターバンク市場の)スプレッドは、目まぐるしく変化します。それを、FX業者の裁量で原則固定に近くしています。

こうすることで、顧客に分かりやすい取引環境を作っています。

FX業者ごとにスプレッドの広さが異なるのも、この営業政策によります。

米ドル円の政策金利とスワップポイントの関係

では、米ドル円について、政策金利差とスワップポイントの関係を見てみましょう。

スワップポイントは、FX業者ごとに数字が異なります。そこで、くりっく365の数字を使います。

くりっく365は、公的な取引所です。すなわち、営業政策による数字の調整がないと期待できますので、より正確な分析ができます。

また、営業開始以来のデータを公開しており、透明性がとても高いです。

(下のグラフは、1万通貨を買った場合です。政策金利の縦軸は左側、1か月あたりのスワップポイントの縦軸は右側です。)

政策金利とスワップポイント

上のグラフを見ますと、スワップポイントと政策金利には、明確な関係があると分かります。

南アランド円の場合

上のような明確な関係は、他の通貨ペアでも存在するでしょうか。

高金利通貨ペア・新興国通貨ペアという視点で、南アランド円について見てみましょう。

南アランド円は、2008年11月から取引可能になりました。よって、スワップポイントは、それ以降の表示になっています。

取引単位は10万通貨ですので、グラフは10万通貨を買った場合の数字です。

政策金利とスワップポイント

南アランド円でも、明確な関係があると言えます。

トルコリラ円の場合

その一方で、やや様相を異にするのが、トルコリラ円です。

(くりっく365でのサービス開始は、2015年です。よって、グラフもそれ以降になっています。)

下のグラフの通り、他の通貨ペアと比べますと、政策金利差とスワップポイントの大きさの連動が、やや弱いように見えます。

政策金利とスワップポイントの関係

これは、スワップポイント算定の基礎となる短期金利と政策金利の間に、乖離があったためでしょう。

営業政策が反映される場合

上の数字を見ますと、トルコリラ円はやや例外的ですが、政策金利差とスワップポイントの大きさの間には、大きな関連があると分かります。

では、営業政策が反映される場合は、どうでしょうか。

くりっく365以外のFX業者は、相対取引です。すなわち、スワップポイントの大きさは、FX業者の営業方針で自由に決められます。

これを検証するのは大変です。と言いますのは、各FX業者は、スワップポイントの長期時系列データを公開していないからです。

しかし、ヒロセ通商は、2008年以来のスワップポイントの数字を公開しています。素晴らしい透明性です。

そこで、南アランド円について、ヒロセ通商とくりっく365を比較しましょう(同じ基準で比較するため、10万通貨を買うとします)。

先ほどの南アランド円のグラフと比べて、右側の縦軸の数字が変わっていますので、ご注意ください。

政策金利とスワップポイント

ヒロセ通商の南アランド円データは、2008年1月29日から利用可能です。グラフは、2008年2月以降で表示しています。

概ね、政策金利の推移と同じだと分かります。

しかし、くりっく365の場合と比較しますと、政策金利差との連動性が弱いように見えます。

具体的には、南アフリカと日本の政策金利差は、2014年から拡大に転じています。その拡大は、2016年初めまで続きました。

しかし、ヒロセ通商のスワップポイントは、この間も縮小を続けています。

そして、2016年7月に、突如として上昇しました。その後、同水準を継続しています。

この結果、2018年半ば以降、ヒロセ通商のスワップポイントは、くりっく365を上回る数字で推移しています。

スワップポイント狙いで取引する場合のFX口座

以上の考察から、以下のことが言えそうです。

  • スワップポイントは、FX業者ごとに大きく異なる場合がある
  • スワップポイント狙いをする場合は、業者選択が重要

スワップポイントを比較する際の基準値は、くりっく365で良いかと思います。くりっく365に比べて、スワップポイントが有利かどうかで判断します。

しかし、相対取引をするFX業者(=くりっく365以外の業者)にとって、くりっく365の数字よりも大きな数字を出すのは大変です。

と言いますのは、相対取引のFX業者のスワップポイントは、買いと売りで数字が異なるからです。下は、例です。

くりっく365の場合の例:

  • 買い:50円の受取
  • 売り:50円の支払

相対業者の場合の例:

  • 買い:50円の受取
  • 売り:60円の支払

というわけで、相対業者の場合、同一通貨ペアで同数を両建てすると、証拠金が毎日減ります。この差は、FX業者の収益になります。

この状況で、FX業者の利幅を確保しつつ、買いの数字を、くりっく365よりも有利にするとしましょう。すると、くりっく365に比べて、売りの数字で大幅に負けることになります。

よって、くりっく365よりも有利な条件を提示するのは大変そうです。

という状況で、ヒロセ通商は、南アランド円について、2018年半ばからくりっく365よりも有利な数字を出しています。

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