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長期トレード

スワップポイントの計算と、トレードへの応用

2020年2月6日

スワップポイント目的の取引をする場合はもちろん、そうでない場合も、スワップポイントの数字は多少なりとも気になるものです。

そこで、どのように計算してスワップポイントが作られるか、確認します。

また、スワップポイント益を含み損益に換算して考える方法をご案内します。

計算方法

計算のやり方は、難しくありません。必要な数字は、以下の2つです。

  • 短期金利
  • 為替レート

しかし、実際のスワップポイント計算で使う短期金利を取得するのは、一般のユーザーには大変難しいです。そこで、政策金利で代用して考えます。

為替レートが100円で1万通貨を買うとします。そして、日本との短期金利差は3.65%だとします(海外の金利の方が高い)。

1.まず、取引金額を計算します。

100円×1万通貨=100万円

2.次に、短期金利差で掛け算をします。

100万円×0.0365(3.65%)=3.65万円

3.この3.65万円は、1年間の数字です。そこで、1日あたりにするために、365で割ってあげます。

3.65万円 / 365=100円

よって、日々のスワップポイントは100円くらいだろうと判断できます。

厳密には正確でない部分もあるでしょうが、私たちユーザーとしては、これくらいの計算で十分対応できます。

FX業者によって数字が異なる

ところが、実際のスワップポイントを見ますと、FX業者ごとに数字が大きく異なっていることが分かります。

これは、各社の営業戦略を反映しているためです。

営業戦略とは、例えば、こんな感じです。

(例)
これからは、顧客にメキシコペソ円を注目してもらおう。どうやって?…高金利通貨だから、買う人が多い。ならば、オマケしてさらに大きな数字にしよう。

この場合、FX業者はスワップポイントで多少損してでも、顧客に注目してもらうことを優先しています。

通貨ペアごとにメリハリをつける

しかし、顧客有利ばかりに視点を持っていくと、従業員の給料を払えませんし、システム開発や維持もできません。そこで、メリハリをつけることになります。

(例)
この通貨ペアは、スワップポイントの数字を辛くしよう。メキシコペソ円で放出した分を回収しないと。

実際に回収目的なのかどうか、分かりません。この部分は、ゆったり為替の予想です。

しかし、このスワップポイントの数字は厳しすぎるのでは?という通貨ペアを見つけるのは、あまり難しくありません。

買いでも売りでもスワップポイントがマイナスになっている場合、FX業者の利幅が大きい可能性があります。

短期トレードが主軸のFX業者

その他、短期トレードを主軸に置いているFX業者の場合、スプレッドを極めて狭くして、その分スワップポイントが厳しいという場合が散見されます。

この場合、短期志向の顧客にとっては、あまり苦になりません。ポジションを持ち越してスワップポイントを受け渡すことは、多くないだろうからです。

FX業者としては、スプレッドでギリギリまで顧客優遇することにより、顧客との共存共栄を図ります。

ということは、私たち顧客としては、どのFX業者で取引するか?というのは、意外に重要なポイントだということになります。

全く同じ取引をしても、取引口座が違うというだけで、成績に差が出てくる可能性があります。

スワップポイントと評価損益

では、実際に、スワップポイント目的で取引を始めるとしましょう。毎日貯まっていきます。

本来は、これに加えて含み益も欲しいです。しかし、含み損になる可能性もあります。

では、どれくらいスワップポイントが蓄積したら、どれくらいの含み損に耐えられるでしょうか。この計算は、取引開始前に考察したいです。

スワップポイントのpips換算

先ほどの計算例を使いましょう。

為替レートが100円で、1万通貨買いました。その後、為替レートは99.99円まで下落したとしましょう。この時の含み損を計算します。

(99.99円-100.00円)×10,000通貨=100円

1銭のマイナスで、100円の含み損になることが分かります。

これは、為替レート水準がどこにあっても同じです。1万通貨を売買して1銭の含み損になれば、評価損益はマイナス100円です。

ということは、スワップポイントで100円獲得すれば、1銭の含み損に耐える証拠金を獲得したという意味になります。

円を含む通貨ペアで1万通貨売買する場合、100円獲得するたびに、1銭の利食いをしたのと同じ効果を得られる。

2万通貨を売買する場合は、200円獲得するたびに1銭の利食い相当になります。

中長期トレードで活躍

この考え方は、中長期のトレードで活躍します。

例えば、トルコリラ円でスワップポイント狙いをしているとしましょう。しかし、長期的には円高傾向です。

すなわち、買って保有すると、将来的には含み損になる確率が高めです。

とはいえ、為替レートは0以下になりません。すなわち、為替レートの下限(=含み損の上限)は決まっています。

その一方で、スワップポイントの上限はありません。

この場合、スワップポイント狙いのトレードを採用できるか?です。どうやって考えましょうか。

計算方法

この時に、スワップポイントのpips換算を使えます。

トルコリラ円のスワップポイントが、1万通貨あたり50円だとしましょう。しばらく、この数字に変化はないと想定します。

そして、1万通貨を1年間保有するとします。この時のスワップポイント合計額は、以下の通りです。

50円×365日=18,250円

そして、「100円=1銭の値動き」として計算しますと、18,250円は18.25銭と換算できます。

すなわち、スワップポイントが50円/日で維持されるなら、1年後に18銭の含み損になっても、トレード損益をプラスにできます。

実際には、スプレッドの考慮が必要ですので、それを差し引くと16銭くらいになるでしょうか。

よって、以下の考察ができます。

16銭までの含み損ならOKで、1年で決済するとして、今買ったらプラスの成績になるだろうか?

この方法を使うと、成功の難易度が下がることが分かります。

  • 成功判定その1:利食いできるかどうか
  • 成功判定その2:1年後に、16銭までなら損切りしてもOK

どちらが、気持ちを楽にして考察できるか?です。ゆったり為替は、しばしばこの考察を採用しています。

FX業者の営業に速攻で否定される

ちなみに、ゆったり為替が使っているこの方法を、あるFX業者の営業さんに披露したところ、「そんな計算を使うのはあり得ない」と速攻で否定されてしまいました。

私が使っていると前置きして話したのに…。

速攻の否定から分かるのは、この考察方法は極めてレアだということです。

スワップポイントと含み損益を別のものとして考察するのではなく、スワップポイントを評価損益に換算する方法は、ゆったり為替にとって、トレードを考察する上で有効な方法の一つです。

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