インターネットを見ていますと、損切りできないという話題が見つかります。FXに限らず、株式などでも同様のようです。
そこで、考察してみましょう。
損切りとは
損切りとは、損失を確定させることです。
米ドル円=110円で買って、保有しているとしましょう。その後、105円まで円高になりました。含み損が発生しています。
含み損ですから、まだ損失は確定していません。為替レートが復活すれば、プラスでの推移も期待できます。
ここで、葛藤が出てきます。
- 本来なら、もう損切りすべきだ
- しかし、為替レートが円安になるかもしれない
そして、もうしばらく様子を見よう!という感覚が勝利します。これが、意外に何度も成功します。
こうして、我慢するという成功体験が繰り返されます。
あるとき、同じように含み損になる場面がありました。そこでも、いつものように頑張ります。その結果、大きな円高に遭遇し、大損で終了…。
よくあるパターンです。
よって、個人の裁量トレードの場合、勝率は60%~70%くらいあるのに、損益合計は大幅マイナスというのが常態化します。
損切りできない理由
以上の例からも、損切できない理由が見えてきます。
あるとき、「ちゃんと損切りしないとダメだな」と思い、実行したとしましょう。
そして、しばらく経過してからチャートを見てみたら、為替レートが復活していたとします。このとき、後悔するのでは?
こうなると、ますます損切りできなくなります。
しかし、個人投資家の勝率は高いのに、損益合計はマイナスが多いという実態を見ますと、損切りは重要なポイントです。
個々のトレードの損益に振り回されないことが、重要です(難しいことですが)。
損切り不要なトレード手法
損切りの目安について考察する前に、損切り不要なトレード手法をご案内しましょう。
嫌なことができるように努力するよりも、やらない方が楽です。修行のためにFXをするわけではありませんし、楽しくやりたいです。
下のリンク先記事では、損切りしないことを目指しています。
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損切りしないトレード手法
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上の記事では、米ドル円を例にしています。他の通貨ペアでも実行可能です。
豪ドル円の場合、豪ドル円=54円になってもOKという想定で取引した場合、過去のトレード成績は100%の利食いでした。
(過去においては、という条件付きですが。)
将来どうなるかについては、誰にも分かりません。未来のことですから。しかし、参考になるでしょう。
損切りの目安
損切りするという王道で取引する場合、いくつかの点について分けて考える必要があります。
順に見ていきましょう。
手法による違い
一般的には、「利大損小」にすべきと言われます。すなわち、利食いする時は大きく、損切りするときは小さくです。
こうすれば、勝率が50%でも損益合計はプラスになります。
利幅と損失幅の差によっては、勝率が40%でもプラスの成績にできるでしょう。
FXは、勝率でなく損益合計を争うものです。よって、この考え方は自然です。しかし、この考え方がいつも成立するわけではありません。
リピート系注文
リピート系注文は、小さな利食いを繰り返す方法です。すなわち、損切りするときは大きくなります。
下は、イメージ図です。
そして、レンジを下方向に抜けたところで決済したとします。損切りの目安は、「レンジが終了したところ」です。
この場合、上の図の4のポジションの損失額は、比較的小さいでしょう。
しかし、1のポジションは、損失額が大きくなるでしょう。
よって、損益バランスが良くありません。すなわち、リピート系注文の場合は、ひたすら利食いを繰り返す必要があります。
利食いを積み重ねることによって、損切り時のダメージを緩和します。
逆に、為替レートが円安方向に進む場合は、勝率100%の完璧なトレードが完成します。
スワップポイント狙い
また、スワップポイント狙いの場合も、損切りと利食いのバランスが良くない場合があるでしょう。
どれだけ含み損になっても構わず、ひたすらスワップポイントをもらうぞ!という例です。この方法はアリでしょう。
含み損には上限がありますが、スワップポイントの蓄積額には上限がありません。
将来的に、為替レートが良い方向に動く可能性もありますし、事前に試算したうえで実行可能です。
この場合の損切り目安は「いつまでも決済しないで保有する」です。
短期の裁量トレードの場合
以上は、例外的な場合です。大半の短期トレードについては、「利大損小」が重要になるでしょう。「想定利幅よりも小さな損失幅で決済」が目安です。
ところが、これが難しいです。
利大損小都は、含み益になる場合は粘って利幅を伸ばし、含み損になるときはサッサと決済しましょうという意味です。
含み益は早く利食いしたいのが、人情です。同様に、含み損になっても損切りせずに復活に期待したいのが、人情です。
そこで、この感情を断ち切る練習が必要だということになります。
取引数量を、ごくわずかにする
この練習に有効そうなのは、2つあります。
- デモトレードで取引する
- 取引数量を小さくする
デモトレードなら、損切りしても実際の損失はありません。トレードした気分を味わえるというだけですから。
しかし、実際にお金を投入していないと、緊張感がなくて面白くありません。ゆったり為替は、デモトレードが好きではありません。
そこで、取引数量を小さくするという案が出てきます。
1回の取引数量を1,000通貨にすれば、100銭損しても1,000円の損失で済みます。
しかし、1回1,000円の損失でも、10回繰り返したら1万円になります。面白くないと感じるかもしれません。
この場合は、1取引で100通貨の取引にします。こうすれば、損しても額は小さく、しかしお金を投入していますから、緊張感もあります。
マネーパートナーズ【FXnano】の場合、100通貨の取引が可能です。
他人の手法を使う場合
なお、他人の手法を勉強して取引するという場合、利大損小がなかなかできないどころか、トレードが全然上手にならない場合が少なくないでしょう。
本当は、有効な手法なのに。
こうなってしまう理由について、下のリンク先記事で考察しています。
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