FOREX.comでは、ノックアウトオプション取引が可能です。そこで、スプレッドの広さや、おすすめ通貨ペアを確認しましょう。
ノックアウトオプションとは
ノックアウトオプションは、その名の通りオプション取引ですが、FXと似た操作性で売買可能です。そして、下の特徴を持っています。
- FXと比べて、必要な資金が大幅に少ない
- 絶対にスリッページしないで損切りできる
例えば、米ドル/円=110.00円で1万通貨買って、109.50円で損切りしようと思う場合、必要な資金は概ね下の通りです。
- FX:49,000円
- ノックアウトオプション:5,000円くらい
必要資金が桁違いに違います。上の例で、FXと同じ資金でノックアウトオプションを取引したら、取引可能数量は10倍くらいになります。
よって、小さな資金で大きく取引したいデイトレーダー等に向いています。
また、FXの場合、強制ロスカットで借金を背負う例があります。しかし、ノックアウトオプションでは、借金になりません。そういうルールだからです。
スプレッドの広さ
ノックアウトオプションのルールだけで判断すると、顧客に断然有利です。しかし、絶対借金にならないといったルールを維持するには、一定のコスト(オプション料)が必要です。
そこで、そのコストがスプレッドに反映されています。下は、FOREX.comのスプレッドです(主な通貨ペアについて掲載)。
通貨ペア | スプレッド |
米ドル/円 | 0.9 |
ポンド/円 | 2.5 |
ユーロ/円 | 1.4 |
豪ドル/円 | 1.6 |
NZドル/円 | 2.3 |
カナダドル/円 | 2.3 |
ユーロ/米ドル | 0.9 |
ポンド/米ドル | 1.7 |
豪ドル/米ドル | 1.2 |
この表をみて、どう感じるでしょうか。他のFX会社と比較すると、明らかに広いです。
例えば米ドル/円の場合、現在のFXでは0.2銭が少なくありませんが、FOREX.comですと0.9銭です。
このスプレッドでトレードできるかどうかという基準で考えますと、問題なく可能です。しかし、0.2銭の方が良いというのが、正直な感想です。
メリットとデメリットを比較
FOREX.comの運営は、自社のスプレッドが他社よりも広いことを、認識しているでしょう。しかし、この数字を提示しています。
そして、提示を続けられるということは、この数字で多くの顧客の支持を得ているということです。
では、なぜ顧客はFOREX.comを選ぶのでしょうか。それは、今まで見てきたメリットとの比較にあるでしょう。
メリット
- FXと比べて、圧倒的に資金効率が良い
- 絶対にスリッページしないでロスカットできる
- 絶対に借金にならない
デメリット
- スプレッドが広い
皆様の場合、メリットとデメリットのどちらを優先したいでしょうか。
下は金融庁で公開されたグラフで、FXにおけるレバレッジ別の顧客数や取引金額の割合です(横軸は、レバレッジ)。
レバレッジが24倍台になると、飛びぬけて取引金額が大きくなっていることが分かります。
レバレッジが20倍台では、低すぎて面白くない!(しかし、FXのレバレッジ規制で仕方なく24倍台)という顧客が、少なくないことを示しています。
彼らにとっては、ノックアウトオプションの方が有利でしょう。と言いますのは、FXのさらに10倍に相当するレバレッジでも取引可能だからです。
しかも、相場の急変があっても絶対に借金になりません。月曜日に大きな窓になっても、決められた為替レートで確実に損切りできます。
逆に、レバレッジ1倍台で取引しているユーザーにとっては、スプレッドの方が重要だと言えそうです。この場合、FXを中心に取引することになります。
すなわち、自分のトレードスタイルに沿って、サービスを選ぶことができます。
おすすめの通貨ペア
では、FOREX.comのおすすめ通貨ペアを確認しましょう。
以上の通り、ノックアウトオプションではスプレッドが広めであると確認できました。それにも関わらず「おすすめ」とはどういうことでしょうか。
それは、通貨ペアの紹介をご覧いただくと分かります。
ユーロ/カナダドル(EUR/CAD)
ユーロ/カナダドルは、先進国同士の通貨ペアなのに、日本では関心があまり高くないという、不思議な通貨ペアです。
比較表は、以下の通りです。何と、FOREX.comが最狭となっています(スプレッドは、原則固定とは限りません。また、ゆったり為替が調べた時点での数字です。以下同じ)。
FX会社等 | スプレッド |
FOREX.com | 3.0 |
ヒロセ通商 | 4.0~17.0 |
ライブスター証券 | 4.2 |
FXブロードネット | 4.9 |
外為オンライン | 7.0 |
ノックアウトオプションをするためには、オプション料が必要です。それを含んだスプレッドなのに、FOREX.comが最狭という結果です。
FOREX.comは世界中で事業を展開していますから、顧客が大勢います。ユーロ/カナダドルは、海外で顧客の取引量が多いのかもしれません。
(取引量が多ければ、その分スプレッドを狭くできます。)
ノルウェークローネ/円(NOK/JPY)
ノルウェークローネ/円も、FOREX.comが最狭水準を実現しています。
FX会社等 | スプレッド |
FOREX.com | 1.6 |
みんなのFX | 1.9 |
外為どっとコム | 2.1 |
ヒロセ通商 | 3.0~13.9 |
楽天FX | 3.9 |
おすすめとしてご案内している中では、円を含む唯一の通貨ペアです。
為替レート水準が小さいので、少額から取引できるのがメリットです(この記事を書いている時点で、NOK/JPY=10円台)。
豪ドル/NZドル(AUD/NZD)
豪ドル/NZドルについて、他社のFXと比較してみましょう。
FX会社等 | スプレッド |
ヒロセ通商 | 1.9 |
みんなのFX | 2.9 |
FOREX.com | 3.0 |
トライオートFX | 5.8 |
セントラル短資FX | 6.0 |
FXブロードネット | 7.1 |
外為オンライン | 10.0 |
FOREX.comは、他のFX会社に劣っていません。劣っていないどころか、上位に顔を出しています。
すなわち、スプレッドが広いというデメリットが存在しません。他のFX会社と比べて、メリットの方が断然大きいと評価できます。
ちなみに、豪ドル/NZドル最重要な為替レートは、1.00です。この数字は、50年近くに渡って機能してきたサポートラインです。
もし、この為替レートが明確に破られる場合、一気に急降下する可能性を否定できません。大きな窓ができる可能性もゼロではありません。
このリスクが怖いので、為替レートが1.00に近づいても、大きく買うのが難しいです。
しかし、ノックアウトオプションなら、絶対にスリッページしないでロスカットできます。ということは、巨大なスリッページを気にせず、希望の数量で取引できます。
裁量トレードで豪ドル/NZドルを取引する場合、FOREX.comが候補になります。
豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)
豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)は、そもそも取引可能なFX会社がほとんどありません。
オーストラリアもカナダも先進国で、両国と日本の関係も深いのですが、なぜかこの通貨ペアへの関心は高まっていないようです。
FX会社等 | スプレッド |
外為どっとコム | 3.0 |
FOREX.com | 4.2 |
ヒロセ通商 | 3.7~11.0 |
取引可能な3社について、上の表の通りです。ヒロセ通商のスプレッドは範囲が広いので、FOREX.comが実質的には2位だと言えそうです。
まとめ
以上、スプレッドとおすすめ通貨ペアを概観しました。単純にスプレッドだけを見ると、全体としてはFOREX.comの競争力はなさそうという評価になります。
しかし、ノックアウトオプションのルールを踏まえたうえで比較すると、様相が変わってきます。
さらに、特定の通貨ペアについては、FOREX.comが有利という結果になります。これらを踏まえてFX会社を選択すると、より良いトレードができるでしょう。
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