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ポンド円の買い時【2020年3月】

新型コロナウイルス問題を受けて、いくつかの通貨ペアが大きく円高になっています。ポンド円も、その一つです。

そこで、ポンド円の買い時を考察します。

豪ドル円については、下の記事をご覧ください。分かり易い考え方です。

豪ドル円の買い時【2020年3月】

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ポンド円の買い時はいつか

大波乱時の買い時を考えるのは、長期チャートが必須です。日足や週足では把握しづらいです。

そこで、1986年以降のチャートで考えましょう。DMMFXからの引用です。

ポンド円のチャート

DMMFXの長期チャートは、抜群に優秀です。月足チャートを普段から使う人は、少数でしょう。しかし、イザという時に大変役立ちます。

さて、上の長期チャートを見ますと、値動きは大きく分けて2つに分けられることが分かります。

すなわち、チャートの左半分(円高)と、右半分(レンジ)です。

その境目は、バブル崩壊です。日本経済がどんどん発展していた時期は、円が強くなりました。しかし、成長がストップすると、円高も止まりました。

買い時を考えるには、バブル崩壊以降のチャートを見れば良いと分かります。そこで、表示範囲を1992年後半からにしてみましょう。

1990年代前半以降の長期チャート

下は、1990年代前半以降を拡大したチャートです。レンジと言っても、安値は120円未満、高値は250円くらいです。

130円(13,000銭)という巨大な範囲だと分かります。

ポンド円のチャート

検討しやすいように、チャートに数字を加えました。下の通りです。

ポンド円のチャート

バブル崩壊以降、ポンド円の高値は250円くらいで推移していました(数字1)。

ところが、チャート中ほどで、一気の円高が発生しました(数字3)。これは、2008年のリーマンショック近辺です。

250円だったのが120円になったのですから、とんでもない動きです。

その後、リーマンショック後安値が、長期的な下値支持線となりました(数字2)。

少々余談ですが、チャートの左端部分、数字4の円高も、相当なものです。リーマンショック並です。この円高は何でしょう?

これは、いわゆるポンド危機です。

ジョージ・ソロスなどの機関投資家が、割高だったポンドを売り浴びせました。その結果、イングランド銀行(イギリスの銀行)は負けてしまって、ポンドが暴落しました。

当時、日本に個人向けFX市場はありませんでした。よって、この値動きでやられた!という個人は、とても少なかったことでしょう。

円安になりづらい

なお、2008年のリーマンショック以降、ポンド円は円安になりづらい通貨ペアになっています。

上のチャートの数字5と6で、その様子が分かります。

リーマンショック以前の高値は、概ね250円で推移してきました。しかし、数字5は190円台です。数字6は、150円台です。

時が経過するとともに、高値が切り下がっている様子が分かります。

イギリスの国力が、長期的な低下傾向にあるのかもしれません。

リーマンショック後の長期チャート

今までの考察を踏まえますと、「リーマンショック後の安値が、当面の底値になりやすそう」だと予想できます。

そこで、リーマンショック後の長期チャートを確認しましょう。下の通りです。

ポンド円のチャート

安値を記録した部分に、補助線と数字(1~4)を追記しました。

豪ドル円の場合と違って、底値を狙って買うのが難しいと分かります。といいますのは、下値支持線と実際の安値の間に、大きな差がある場合があるからです。

具体的には、上のチャートの矢印部分です。大きな空間があります。

これが意味することは、以下の通りです。

  • 安値は120円割れ水準だと思って準備していたら、実際の安値は122円だったので全く買えず、悔しい展開となった。

数字1と2を参考に、数字3の位置で、ポンド円の買いを狙っていたとしましょう。目標とする買値は、120円割れあたりです。

しかし、もうすぐ買いチャンス!と思って待っていたら、買えずに大きく上昇してしまいました。

しかも、これは月足です。チャンスを逃すと、次に買えるのはいつ?という感じです。

そして、時は過ぎて2020年3月です。ポンド円は再び円高傾向にあります。どこが買い時でしょうか。あるいは、買うべきでないでしょうか。

さらに詳しく検証しましょう。数字1~4の安値を、週足チャートで確認します。

2009年初めの週足チャート

リーマンショック後の週足を見ますと、2009年初めに、最後の急落があり、その後に上昇トレンドになりました。

ポンド円のチャート

この値動きで安値の買いを狙おうと思っても、大変難しいのでは?と思います。

2009年3月くらいになって、「もしかしたら底打ちしたかも?」という感じで買い始めることになりそうです。

その場合も、恐る恐る買う感じになるでしょうか。

2011年~2012年の週足チャート

次に、2011年~2012年にかけての安値を確認しましょう。

リーマンショック後安値から反転し、円安で推移したものの、再び円高になったという状態です。

ポンド円のチャート

こちらは、2009年よりは買いやすそうです。

といいますのは、リーマンショック後の円高で、120円割れを記録したからです。「今回も、120円割れへの警戒が必要だ」と準備できます。

そして、Aの部分で、120円を実際に割り込んでいます。その後、反発しましたが、再度Bまで円高になっています。

「120円割れでの下値支持線が強いから、ここで買おう!」という判断が可能でした。

しかし、点Cで再び円高になっています。点B付近で買えても、耐えきれずに利食いしてしまったかもしれません。

2016年の週足チャート

2016年には、イギリス史上に残るイベントがありました。EU離脱に関する国民投票です。

この結果、イギリスはEUから離脱することが決まりました。下のチャートの矢印部分です。市場は円高で反応しました。

ポンド円のチャート

EU離脱は、どの国も経験したことのない出来事です。よって、この下落トレンドで買うのは、大変なストレスがかかったことでしょう。

2016年6月の国民投票後、円高トレンドが終わったのは2016年10月のことです。

「もう下落しそうもないな」と確認してから、徐々に買うという感じになるでしょうか。

しかし、この時の安値は、124円台です。120円割れには、まだ距離があります。

「過去の様子を見ると、まだ円高になる可能性がある」と考えると、買うのは大変難しかったことでしょう。

2020年の円高

そして、今回(2020年)の円高です。

過去3回の値動きには、明確な共通点が見られません。よって、豪ドル円の場合と違って、明確なトレードプランを描きづらいのが特徴です。

ポンド円のチャート

上の週足チャートに、補助線を引いてみました。この線が、下値支持線として機能する可能性があります。

すなわち、120円台前半です。2016年安値と同じくらいですので、比較的強力な下値支持線です。

しかし、120円割れの部分に、本格的な下値支持線があります。イギリスは、新型コロナウイルス問題のダメージが大きそうです。

よって、この下値支持線で買うのはどうだろうか…と難しい判断になりそうです。

また、下の超長期チャートを改めて見ますと、高値が切り下がっています。

ポンド円のチャート

超長期では高値が切り下がっていて、しかし、直近は反発の可能性もある…というわけで、買う場合は、少しずつの取引になりそうです。

イギリス独自の問題

新型コロナウイルス問題とは別の問題も、イギリスは抱えています。EU離脱に伴う影響です。

新型コロナウイルスに効果があるワクチンや薬は、いずれ開発されるでしょう。大変な状態が4年も5年も続くと考えている人は、僅少だと思います。

その一方、EU離脱は、おそらく何十年にもわたって影響し続けます。

EU離脱により、イギリスの自由度が飛躍的に高まります。この点で、メリットが大きいです。その一方で、EUに所属していたから得られた利益もあり、それを放棄しました。

メリットとデメリットは、どちらが大きいか?です。

スコットランド等が、イギリス連合王国から離脱するかもしれません。果たして、イギリスは解体するでしょうか。現在の連合王国を維持するでしょうか。

こう考えると、5年~10年という単位でポンド円を買い持ちするのは、難しい判断だと言えます。

下は、豪ドル円の買い時を考察した記事です。今回のポンド円と比べて、印象が大きく異なることが分かります。

豪ドル円の買い時【2020年3月】

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ひとまとめに「円高」で考えるのでなく、通貨ペアごとに考えて比較すると、より良い考察ができるでしょう。

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