読者の方から、両建て取引の発展型についてご質問をいただきました。今回は、その内容を考えましょう。

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はじめまして。いつも楽しく読ませて貰ってます。
今回、両建てトラリピ記録を読んでたら浅はかな素人がなにやら閃いた気がしてるのでご意見頂きたくお願いします。
 
今回の怪しい閃きは両建てトラリピを3通貨でやるものです。既出かもしれませんが・・・
トラリピはコストが高いのでFXブロードネットのトラッキングトレードを使います。
バックテストとかのやり方がよくわからないので3月9日からデモ口座で試してます。

無題

名づけて”トライアングルアービトラッキング”です(笑)
通常の両建てトラリピに対して
3通貨になった事でリピート数が増える=攻撃力UP
両建てにはかわりないので防御力は変わらない?・・・と、思うのですがここは自信が無くご意見頂きたい所です。

デモ開始2週間で確定益23万、含み損15万と好スタートです。
なにかリスクを見落としてると思うので厳しい意見をお願いします。

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Sさん、お便りありがとうございます。ゆったり為替はこのトレード方法を考えたことがなく、とても楽しく拝読しました。

ゆったり為替の所感を申し上げる前に、3通貨ペアのトラップ系の取引について皆様にご紹介します。トラップ系の取引とは、トラリピに代表されるトレード方法を指します(最下部注)。

お便りでは、3つの通貨を使っています。米ドル、ユーロそして円です。

米ドルが強くなる場合を考えましょう。

このとき、米ドル円(USD/JPY)は上昇したとしましょう。すると、上の表ではUSD/JPYを売っていますので、含み損になります。一方、ユーロ米ドル(EUR/USD)は下落すると期待できます。EUR/USDは売っていますので、利益になります。

米ドルが弱くなる場合は、この逆です。同様にユーロと円についても考えます。すると、どの通貨が強くなっても弱くなっても、どれかの通貨ペアで利益になり、どれかの通貨ペアで損になります。

このままでは成績は上がらないかもしれませんが、トラップ系の取引を採用することで、どんどん利益確定を繰り返してもらおうという方法です。


また、上の例では、取引の方向が以下の通りになっています。

USD/JPY: 売り
EUR/JPY: 買い
EUR/USD: 売り

これを正反対にすることも可能です。すなわち、USD/JPYは買い、EUR/JPYは売り、EUR/USDは買いというパターンです。

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では、本題に入りましょう。どんなトレード方法にもメリットとデメリットがあります。
そこで、両方を確認しましょう。

メリット:
1通貨ペアの値動きでなく3通貨ペアの値動きを狙います。よって、より良い成績を狙うことが可能です。

というのは、USD/JPYが全然動かない膠着状態になったとしても、その他の通貨ペアで稼ぐことが期待できるからです。利益を最大にできるのは、3通貨ペアの為替レートが、想定した変動幅の範囲内で大きく上下動するときです。

メリットが実現するときには、何も問題がありません。また、ご質問はデメリットに焦点を当てることを希望されているように思います。

よって、メリットについてはここで終了して、デメリットを詳しく検討しましょう。デメリットを検討した結果、メリットのほうがデメリットよりも優勢だと考えれば、このトレード方法を採用できるかも知れません。


デメリット:
管理すべき通貨ペアが3つになりますので、1通貨ペアの場合に比べて考えることが多くなるでしょう。特に厳しい場面になるのは、3通貨ペアの強弱が大きく異なってしまう場合です。

分かりやすくするため、極端な数字を例にします。例えば・・・

米ドル: 米国経済が強いため、さらに強くなるとします。
ユーロ: 極めて大きく下落すると仮定します。
円: 円もそこそこ下落すると仮定します。

この結果、以下のような為替レートが実現すると仮定します。

USD/JPY=125
EUR/JPY=110
EUR/USD=0.88

Sさんから頂いたトレードの設定と比較しながら考えましょう。

USD/JPY: 損切りが発生する可能性があります。
EUR/JPY: とてもたくさんの損切りが発生します。
EUR/USD: とてもたくさんの利益確定が発生します。

この損切りと利益確定について正確に理解するには、トラッキングトレードの仕組みを理解することが必要不可欠です。トラッキングトレードとiサイクル注文は基本的に同じ取引です。

今回、米ドル/円(USD/JPY)は損切りがあるかどうか、という状況です。ユーロ円は損切りが多発する一方で、EUR/USDは逆に利益確定が多発・・・どこが問題なの?という感じかもしれませんが、問題があります。

問題点:
一つ一つの利益確定で得られる利益は限定的である一方、一つ一つの損切りで被る損失は大きいです。

よって、利益確定回数と損切り回数が仮に同じくらいだったとすると、実現損益は大幅にマイナスになります。利益確定回数の方がずっと大幅に上回っていないと、利益を確保することが難しいでしょう。

よって、大ダメージを受けないためには、為替レートが想定変動幅から大きく外れないことが必要になります。

では、為替レートが想定変動幅を大きく超える場合はいつも大変なことになるかと言えば、そうでもありません。ジグザグを繰り返しながらゆっくりと動く場合は、結果として当初の想定変動幅を大きく外れても大丈夫な可能性があります。

というのは、為替レートの上下動で、数多くの利益確定を期待できるからです。

以上から、今回お問い合わせいただいた取引方法で最も困るのは、「為替レートが、想定変動幅を超えて大幅かつ急激に動いてしまうとき」となります。

この事態が発生するのはなかなかないかもしれませんが、1度でも発生するとダメージが大きくなりますので注意が必要です。


メリットとデメリットのまとめ

メリットとデメリットを参考にして考えますと、以下の通りで良いかと思います。

・ 大規模な為替変動が発生する前に、十分な利益を確保できると予想する場合:
このトレード方法を採用できる可能性ありです。

・ 十分な利益を確保する前に、大規模な為替変動が起こるかも?と思うとき:
このトレード方法は採用しづらいでしょう。

いずれにしましても、このトレード方法を採用する場合は、一定の損失が実現してしまった時点で取引そのものを終了することが必要でしょう。


ご質問いただいた設定での勝敗予想

ゆったり為替の予想ですが、お問い合わせいただいた設定方法はリスクが大きいと思います。すなわち、デメリットが現実になりやすいと予想します。

なぜでしょうか。

理由は、想定変動幅が500pipsだからです。例として、EUR/JPYの1年間の高値と安値の差を考えましょう。

2014年 およそ1,500pips
2013年 およそ3,200pips
2012年 およそ2,000pips

これをご覧いただくと分かりますが、500pipsよりもずっと大きいです。利益になる側に大きく動けば良いのですが、EUR/JPYで利益になる側とはすなわち、ユーロが強くなって円が弱くなることです。USD/JPYもEUR/USDも売りの取引ですから、この2通貨ペアで損失を計上してしまうかもしれません。

今年は一転して500pips以内の穏やかな動きになるかと言えば、過去の実績から考えれば難しいです。

では、想定変動幅を3,000pipsにしてみましょう。すると、3通貨ペアもあります。それぞれ3,000pipsに対応可能な証拠金を準備すれば、多額にならざるを得ません。

このように考えると、ご質問の設定で首尾よく利益を確定するには、期間限定でトレードすることが必要になると予想します。すなわち、為替レートがボックス相場で動いているうちは稼働させ、トレンド相場になったら終了です。

ゆったり為替ならば、トラッキングトレードまたはiサイクル注文を使う場合でも、取引範囲を移動させず、想定範囲を外れた時点で全ての取引を終了させる方法を採用するかな・・・と予想します。しかし、3通貨ペアを同時に予想しますので、かなり難しいです。

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後ろ向きの話が長くなってしまいました。これは、デメリットに焦点を当てた回答のためです。メリットも十分にありますので、この方法を採用するかどうかについては、相場状況とリスク選好の度合いによると思います。

また、以上はゆったり為替が一人で考えた意見にすぎません。このため、見落としがあるかもしれませんし、予想が外れる可能性も十分ありますので、ご了承ください。

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