相場

テーパリング(量的緩和の縮小)開始後の相場への影響

主要国の景気回復や消費者物価指数の上昇を受けて、テーパリング(量的緩和政策の縮小)の話題が出るようになりました。

そこで、実際に金融が引き締め局面になったら相場はどうなるか、考察します。

テーパリングとは

最初に、テーパリングを簡潔に確認。

世界各国の中央銀行は、落ち込んだ景気を支えるために政策金利を低水準に抑えるとともに、債券等を大量に買い付けて市中に資金を大量投下しました。この大量買い付け&資金の大量投入を量的緩和と呼びます。

この量的緩和の逆、すなわち債券等が償還したら資金を再投資しない、あるいは債券等を売却して資金を回収することをテーパリングと呼びます。

では、本題に移りましょう。

考察を分かりやすくするために、極端な例で考えます。すなわち、「市中に流通しているお金の総量が半分くらいに大幅に減り、その他の条件に変化はない」です。

「数字を極端に増減」「その他の条件は変化なし」というのは、経済を考えるうえで有効です(大学で経済学を勉強する際にも、しばしば用いられます)。

仮想通貨

最初に、仮想通貨から。

新しい仮想通貨はどんどん新規公開されており、テーパリング開始に伴う価格下落可能性が比較的高いと予想しています。

  • 仮想通貨:種類がどんどん増える
  • 資金:テーパリングによって減少

この関係ですから、少なくとも価格上昇を想定しづらいです。

また、世界中の仮想通貨情報を紹介しているサイト「CoinMarketCap」によると、この記事を執筆している時点での仮想通貨の種類は、1万を超えています。

そのサイトに掲載されていないものを含めると、その数はもっと多くなります。そして、その数は増え続けています。

さらに、仮想通貨を取り巻く法規制は各国でまちまちであり、そうでありながら仮想通貨は世界中を自由に飛び回っており、法的安定性に欠けています。その他の理由もあって、ボラティリティは極めて高いです。

この状況で資金供給が絞られれば、価格下落は避けられないのでは?と予想しています。

なお、中国の規制関連報道を受けて、この記事を書いている時点で既に大幅下落していますが、さらに下落すると考えています。

ちなみに、この価格下落は買いチャンスでもありますので、ゆったり為替は大暴落をジッと待っています。

アート

次に、アートです。

具体的には、絵画や彫刻などであり、量的緩和で溢れた資金がドッと流れ込んで無名作家の作品でも高値がつくようになりました。

ゆったり為替は、アートの世界の価格下落が最も厳しいと予想しています。

その理由ですが、そのような無名作家等の作品についての取引市場は小さく、売りたいときに売れないという状態が比較的容易に発生しやすいと考えているためです。

さらに、アートを適切に管理するにはコストがかかります。これも痛いです。

量的緩和で余った資金が流れ込む際、買う人の気持ちは大きくなっていますので勢いで価格が上昇します。ところが、いざピンチ!となったら、換金しようにもそのようなアートを買いたいという人がどれくらいいるでしょう。

ただし、真に資産性のあるアート(歴史的に有名など)については、この限りではないとも予想しています。

アンティークコイン

アンティークコインについては、下落と下落せずの二極化になると予想しています。すなわち、歴史的に価値ある貴重なコインは価格が下落せず、その他については下落かなあ、です。

歴史的に価値ある貴重なコインは、少なくとも過去何十年にもわたって価格が上昇し続けました。2008年のリーマンショックとその後の不景気でも、ひたすら上昇でした。

よって、今回も価格を維持すると予想しています。ところが、その他のコインはそうはいかずに価格下落になるのでは?

では、価格が下落したコインを容易に買えるようになるか?ですが、なかなか買えないかもしれません。なぜなら、含み損を抱えた保有者は損切りしたがらないからです。

金貨や銀貨の材質は貴金属ですから、材質自体に希少価値があります。また、管理コストはかかりませんし、数年も経過すれば再び価格が上昇する可能性がありますので、ジッと耐え忍ぼうということです。

よって、オークション等で閑古鳥が鳴いてしまう可能性を危惧しています。

株式

最も重要な投資先である株式を4番目に書いていますが、その理由は、上3つと異なる値動きになると考えているためです。

テーパリングを実施した結果、株価が暴落して不景気になってしまってはいけません。そこで、各国の中央銀行は、景気を注視しながらの実行となるでしょう。

よって、株価は乱高下する場面も下落する場面もあるでしょうが、仮想通貨のような下落にはならないと予想しています。

各国の中央銀行は、株価への悪影響を最小限にとどめながらテーパリングを成功させようと努めるはずです。

ただし、各国全てにおいて株価が上昇するか?といえばそうでもなく、力強く回復する国の株価は高値になり、そうでもない国の株価はダラダラとレンジ近くになる展開を考えています。

この点は、自然な成り行きです。

いずれにしましても、株式は仮想通貨やアート等と比べて、中央銀行から守られる存在になるでしょう。

FX

そして最後に、このブログのメインであるFXです。

テーパリングをするということは、各国で流通する通貨の総量が減ることを意味します。そして、為替レートは通貨と通貨の交換価値を示していますから、両国の通貨流通量が半減すれば、為替レートに与える影響はないということになります。

例:
米ドル/円=100円として、米ドルと円の供給量がそれぞれ半減したら、米ドル/円は100円のまま変化なし。

ところが、各国の通貨供給量は同時に減るわけではありませんし、景気回復度合いによって政策金利の引き上げタイミングや引き上げ速度も違ってくるでしょう。

このため、為替レートにも影響が出てくると想定できます。

そして、この政策変更の違いが広い意味での国力を反映したものならば、長期的に見ても為替レートが大きく動く原因となるでしょう。

この視点で考えますと、米国などはテーパリングに関する議論が活発になっているのに対し、日本はまだその段階になっていないように見えます。

よって、米ドル/円相場は円安に進みやすいと想定しています。

10年~30年といった長期で考える場合、(ゆったり為替はブログで時折書いていますが)米ドル/円は大幅円安に進みやすいと考えています。

日本の人口減・少子高齢化・財政赤字の拡大等が、広い意味での国力を削ぐと考えているためです。

日々の消費でも、既に日本全体の貧困化が少しずつ見えます。例えば、いわゆる「サイレント値上げ」です。食料品等の価格を据え置きつつも、内容量を徐々に減らして実質値上げするというものです。

本来なら、企業としては値上げして収益確保を狙いたいところですが、国民はその負担に耐えられないため、サイレント値上げせざるを得ない状態です。

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