ゆったり為替には、相場予想に夢中な時期がありました。そして、利食いできるようになると、相場予想への関心は劇的に減りました。
予想の重要度は低めだからです。
そこで、相場予想と実際のトレードの違いを考察します。
相場予想
相場予想とは要するに、今後の為替レートは上昇するか下落するかについて、事前に判断することです。
どれだけ有能な人であっても、将来の事象を100%正確に当てることはできません。
蓄積した経験と勉強に基づいて、「過去の実績から考えると、将来はこうなりそうだ」と考えています。
この相場予想ですが、トレードに比べると圧倒的に簡単です。
米ドル円の日足チャート
実際のチャートを見ながら、考えます。下は、米ドル円の日足チャートです(DMMFXから引用)。
数字1の時点で、何らかの理由で円安を予想したとします。そこで、ツイッター等で「これから円安になるよ!」と公開したとします。
日足ですから、確実な結果が出るまでに時間を要します。そして、2か月後、為替レートは数字2の位置に来ました。
「ほら、円安になったでしょう?自分の予想は素晴らしい!」と誇れます。
この例では、日足で考えていて結果発表は2カ月後なので、少々気長すぎるかもしれません。1時間足で予想して結果発表は数日後、という感じでも構いません。
予想ではトレードできない
しかし、この予想ではトレードできません。と言いますのは、下の数字3で損切りになるかもしれないからです。
上のチャートでは、結果として円安が実現しています。
しかし、予想は当たるか外れるか分かりません。この場合、数字3まで円高になった時点で精神的に耐えられず、損切りする可能性があります。
予想が100%当たるなら、数字3で損切りする必要はありません。しかし、外れる場合もありますから、損切りは仕方ありません。
すなわち、トレードをするためには、円安になるか円高になるかという情報だけでは、全く足りないということになります。
トレードに必要な情報
では、トレードするために少なくともこれは必要だ、という情報は何でしょうか。
以下の3つがあれば、何とかトレードできそうです。
- いつ買うか(売るか)
- 損切りレート
- 利食いレート
上の3つがあれば十分というわけではありません。
いつ買うかという点を見ても、取引予定数量を一度に全部買うのか、それとも分割して買うのか、分割の場合はどこで買うのかなど、欲しい情報がいくつもあります。
損切りレートと利食いレートも同様です。
上で見たような予想でなく、下のチャートのような感じならば、実際のトレードで採用できそうです。
- 数字1で、今後の上昇を予想します。
- ただし、いったん反落する可能性があります。
- そこで、反落後の上昇(数字2)で買って、上昇を期待します。
- 損切りレートは数字3です。
上の情報を「事前に」判断しなければなりません。トレードは大変です。
ただし、ウェブ等で公開するのでなければ、四角で囲った部分の値動きを、事前に予想する必要はありません。
「四角部分で書いたように動いたら、トレードする」というだけです。別の動きをしたら、別のトレードをします。
よって、トレードは、値動きの予想ではありません。様々な選択肢を準備しておいて、どの選択肢に当てはまるか?を見ます。
どれにも当てはまらなければ、取引を見送ります。
予想の方が、圧倒的に簡単
以上の通り見ますと、予想の方が圧倒的に簡単だと分かります。
上か下かを言うだけだからです。しかも多くの場合、期限を定めません。よって、どこで正否判定するかによっても、当たったか外れたかを恣意的に操作可能です。
一方、トレードの場合、「いつ、どうなったら取引を始めて、どうなったら決済」を明示しなければなりません。
トレード結果を見れば、プラスかマイナスか分かります。恣意的な正否判断が難しいですし、難易度がとても高くなります。
以前のゆったり為替はFXで全然勝てず、試行錯誤していました。そして、次第に結論が見えてきました。
- (勉強した後は)他人の予想を見ても価値がない
- 確固とした自分を持って考えないと、継続的に資産を増やせない
すごく当たる!という人がいたとして、その人の言うとおりに売買できればいいなあと考えていた時期もありました。
しかしその場合、自分の資産の運命は、その人次第になります。また、自分の精神も、その人に支配されています。その人が間違えれば、自分も終了します。
自分がどうなるかについて、自分で決めたいです。
自分の手法を確立する
というわけで、自分の手法を確立しなければなりません。自分の手法が決まれば、他人が何を言っても無視できます。
下のリンク先記事の通り、個人投資家の9割は損します。
また、リンク先の記事では書いていませんが、フランス金融庁の元データを読みますと、本当に大勝ちしているのは、プラスの人の中の1割です。
すなわち、大きくプラスの成績を挙げているのは、全体の1%です。
世の中が「これからは円安だ!」と騒いでいたとして、自分の見通しが「これからは円高だ!」だったとしましょう。
この場合、「よしっ!」となるわけです。自分は1%の側にいるかもしれない、と思えるからです。
他人と同じ意見だったら、警戒感がバリバリです。「うわっ!自分は99%の側かよ…」という具合です。
ゆったり為替の場合、他人の意見と自分の意見を比較することにも疲れました。よって、他のFXサイトやFXブログを全く読まないという選択をしています。
最初は、他人の意見を聞くしかない
とはいえ、FXを始めてからしばらくの間は、他人の意見を参考にするしかありません。
FXをしてきた人は万の単位でいますし、情報発信している人も、数多くいます。自分ですべてを探すように勉強するよりも、他人の意見を聞いた方が合理的です。
手当たり次第に探し回ると、いわゆるガセネタもあります。しかし、それは仕方ありません。どんどん読んでいきます。
そして、知識を蓄積してから、情報を取捨選択していきます。
この取捨選択も、大変難しいです。と言いますのは、「トレードで勝てない段階で、どの情報が良いかを判断する」ということだからです。
トレードで勝てない状態で、情報の良し悪しが分かるか?と言えば、それは大変厳しいです。
ゆったり為替は、他人の情報を遮断してバックテストばかりしていたわけですが、当時と今では状況が違います。以前と比べると、今は勝てる人が多くの情報を発信しているように思います。
というわけで、とにかく勉強あるのみです。
ゆったり為替の為替予想とトレード
ここで、ゆったり為替の場合を少しご案内します。
長期的な趨勢については、上で考えた「予想」を使います。具体的には、月足や年足といったレベルです。
何か大きなイベントが控えているときに、今後はどうなるだろうか?を考えます。例えば、以下の通りです。
- 米政策金利が、継続的な引上げから継続的な引下げに転じる
- 米大統領選挙が行われる
- 豪州の政策金利が… など
こういった場合、まずは直感的に考えてみます。そして、その思考が正解かどうか、過去50年ほどのデータを調べて確認します。
すると、自分の思考と過去データが異なっている場合が少なくありません。
どちらを信用するか?と言えば、もちろん過去データです。いわゆる専門家が何を言おうとも、自分の分析を信じます。
こうして、長期的に見た相場予想が完成します。後は、具体的なトレードに反映させます。
すなわち、長期的な相場予想で円安・円高が出るわけですが、予想と同じ方向のトレードは強気に攻められます。逆の方向は守備的にできます。
この方法がいつも正しいか?と問われれば、そうではありません。しかし、トレードの方向性を示唆してくれるので重宝します。
ちなみに、これからの米ドル円は長期的に見てどうなるか?ですが、ゆったり為替は「分からない」という判断をしています。
いつも何らかの判断ができれば良いのですが、できないことの方が多いです。
そういう時は、仕方ないので、自分の手法に従ってトレードすることになります。当ブログでご案内している手法は、下のリンクの通りです。