トレードをするにあたり、効率的に利食いをしたいと思うでしょう。そういう時に考えるのは、おすすめ通貨ペアです。
そこで、トレードの種類別に、おすすめ通貨ペアを検討していきましょう。
おすすめの通貨ペアとは
では、おすすめの通貨ペアの基準は何でしょうか。スプレッドだったら、米ドル円で決まりでしょ?という話になります。稼ぎやすいという意味なら、誰に聞くかで変わってきます。
と言いますのは、人によってトレードスタイルが大きく異なるからです。
その人のトレードスタイルに適切な通貨ペアが、おすすめの通貨ペアになります。
よって、この記事では、一般的な情報をお伝えしつつ、ゆったり為替のトレードスタイルを加味した解説を展開します。
スキャルピング・デイトレード
スキャルピングやデイトレードにおいて、おすすめの通貨ペアの条件は以下の通りです。
- スプレッド:狭い方が良い
- スワップポイント:考えなくてOK
スキャルピングやデイトレードの場合、1取引あたりの利幅は小さくなります。そこで、スプレッドも狭くなければなりません。
例えば、スプレッドが1銭で、利食い・損切りの幅は10銭としましょう。スキャルピングです。
このとき、利幅に占めるスプレッドの大きさは、10%になります。スプレッドとは、私たちにとってコストそのものです。コストは、小さくなければなりません。
コストは1桁%に抑えないと、少々厳しいでしょう。
また、10銭の利幅を取るには、自分の期待する方向に11銭動く必要があります(1銭分は、スプレッド)。逆に、10銭の損失の為には、逆方向に9銭動くだけでOKです。
こう考えると、スプレッドの狭さが重要です。
この視点で考えますと、おすすめの通貨ペアは、以下の通りになります。
- 米ドル円
- ユーロ円
- ポンド円
- ユーロ米ドル
- ポンド米ドル など
すなわち、一般的な認知度の高い通貨ペアを中心に考えます。
スワップポイントについては、考慮する必要はありません。デイトレードやスキャルピングでは、スワップポイント損益が発生しないためです。
スイングトレード
スイングトレードの場合は、デイトレード等と比べて変わってきます。
ゆったり為替の場合、スイングトレードで取引する通貨ペアの基準は、以下の通りです。
- スプレッド:あまり気にしない
- スワップポイント:あまり気にしない
すなわち、スプレッドやスワップポイントについてはあまり考慮せず、純粋にチャートを見て考えることが多くなります。
ただし、あまり気にしないといっても、スプレッドが5pipsくらいあったら、その通貨ペアはスイングトレードの対象から外します。
同様に、スワップポイントも、あまりに数字が大きい場合は、取引前に確認します(プラスの側に取引するならOKという感じ)。
以上の観点から、スイングトレードでのゆったり為替のおすすめ通貨ペアは、以下の通りとなります。
- 基本的に、どれでもOK
- 新興国通貨ペアは、一定の配慮が必要
よって、通貨ペアの選択肢がとても多くなります。
円を含む通貨ペアに限定する必要はなく、円を含まない通貨ペアも広く対象にします。その方が、取引チャンスに巡り合える確率が上がります。
なお、新興国通貨ペアですが、スワップポイントがとても大きかったり、経済指標発表時にスプレッドが大きく跳ね上がったりしやすい印象です。よって、注意が必要です。
ポジショントレード
ゆったり為替は、週足と月足を利用したポジショントレードも実行します。この場合、通貨ペアの選択肢は大きく制限されます。
- スプレッド:ほぼ気にしない
- スワップポイント:しっかり確認する
ポジショントレードとは、取引開始から終了までの期間が、月単位になります。うっかりすると、1年くらいかかる場合もあります。
この場合、利幅は数百pipsだったり、大きいときには1,000pips級を目指したりできます。
すなわち、スプレッドは無視して構わないでしょう。数百pipsの損益を考えているのに、スプレッドで0.1銭の差を考えても、有効とは思えません。
その一方で、スワップポイントは大いに気にします。
可能ならば、スワップポイントがマイナスの側でトレードしたくありません。その理由ですが、損益に与える影響と、気持ちの問題の2点です。
- 損益:スワップポイント分だけ、毎日確実に損する
- 気持ち:スワップ分だけ毎日損すると、気分が重い
両方とも、面白くありません。損益の大きさに比べると、スワップポイントは割合が小さいので、無視できれば良いのですが、損切りになった時が嫌です。
為替差損とスワップ損の両方が出てしまうからです。
そこで、可能なら、スワップポイントがプラスの側で取引できるようにします。なお、スワップポイントの水準がとても小さいならば、スワップポイントを無視できます。
以上の観点から、ポジショントレードでのゆったり為替のおすすめ通貨ペアは、以下の通りとなります。
- どの通貨ペアでもOK
- スワップポイント動向に注意
通貨ペアとしては制限が少ないですが、スワップポイントへの配慮がいるので、取引可能な通貨ペアは意外に少なくなります。
例えば、トルコリラ円を売りたいけれど、スワップポイントのマイナスが大きすぎるからダメだ…という具合です。
長期トレード
長期トレードはポジショントレードと近いですが、違う部分も多いです。
それは、損切りです。損切りはあまりありません。短期と違って、長期は損切りが実現する前に利食いになります。
極端な例ですと、「ゆったり為替は米ドル円=50円台を想定して買っている。この状況で、米ドル円の買いポジションは損切りになるだろうか?」ということです。
損切りになる前に、利食いできます。正確には、「損切りさせないトレード」ということになります。
そこまで極端でなくても、例えば、豪ドル/NZドルですと、1.00割れが損切りの基準です。これも、極めて堅いトレードです。
下は、豪ドル/NZドルの年足チャートです。1973年以降を表示していますが、1.00のラインがいかに強い下値支持線か、良く分かります。
よって、豪ドル/NZドルのトレードは、損切りの経験はありません(今後は不明ですが)。
以上の観点から、長期トレードでのゆったり為替のおすすめ通貨ペアは、以下の通りとなります。
- どの通貨ペアでもOKだが、下値目途が見えやすい通貨ペアが良い
- スワップポイントは、継続的にプラスでないと厳しい
スワップポイントについては、継続的なプラスが必要です。仮に、ずっとマイナスの場合、年単位でスワップポイント損が毎日積み重なってしまいます。
これは厳しいです。
ゆったり為替のおすすめ通貨ペア(長期)
以上の前提を基にして、長期トレードのおすすめ通貨ペアをいくつか、順不同でご案内しましょう。特徴的なラインナップです。
シンガポールドル/円
当ブログで全然登場しない通貨ペアですが、ゆったり為替は重視しています。その理由は、チャート形状で分かります(FXプライムbyGMOからの引用)。
1990年1月からの長期チャートです。極めて分かりやすい値動きです。「60円で買って、80円で売ればOK」と想定できます。50円台後半に下値目途があるように見えるからです。
待つのがしんどいという場合は、60円~70円の間でリピート系注文をしておけばOKなのでは?と想定できます。
なお、シンガポールの通貨制度は、他国と少々違います。この点は、実際にトレードチャンスが来るかなあ?という段階になってから確認するくらいでOKと思います。
また、シンガポールドル円を有利に取引できるFX業者が極めて少ないのも、少々問題です。FXプライムbyGMOだと、有利な条件で取引できます。
FXプライムbyGMOには、是非ともこのままサービスを継続してほしいです。
今後もこの値動きが続くならば、こんなに分かりやすい通貨ペアは、なかなかありません。
なお、当ブログ経由でFXプライムbyGMOの口座を開設いただくと、当ブログ限定のキャッシュバックをもらえます。ご利用ください。
豪ドル/カナダドル
豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)も、継続的にチェックしています。
下の長期チャートの通り、過去20年にわたってレンジを形成しており、しかも、値動きの範囲が狭いです。20年もあるのに、わずか3,000pipsくらいの範囲しかありません。
米ドル円と比べて、半分くらいの値動きです。
要するに、「うっかり高値で買ってしまって含み損になっても、放っておけば再び復活しやすい」ということです。
スワップポイントの考察が必要ですが、今後もこの値動きが続くなら、損切りしないトレードが可能と考えています。
値動きの範囲が小さいので、実際のトレードでは、リピート系注文が活躍できそうです。
なお、上の長期チャートで分かります通り、AUD/CAD=0.95の下値支持線を突き抜けて、大いに下落中です。これを狙うトレードも可能でしょう。
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豪ドル/円
当ブログでの登場回数が、とても多い通貨ペアです。簡単に書けば、「今までの値動きが続くなら、60円くらいで買って、100円くらいで売ればOK」です。
上のチャートで分かります通り、50円台半ばに、強力な下値支持線があります。ここよりも円高には進みづらいと予想できます。
そこまで待てない!という場合は、55円~85円くらいの範囲でのリピート系注文も検討できそうです。
将来、円高記録の55円を割り込むかもしれません。しかし、リピート系注文は利食いを繰り返しますので、証拠金が増えます。すなわち、55円を下回ってもOKな状態になります。
どこまでも利食いを続けよう、というスタイルです。
おすすめ通貨ペアのまとめ
以上、おすすめ通貨ペアについて考察してきました。分かるのは、どこに視点を置くかによって、おすすめの通貨ペアが変わってくるということです。
今回は、取引期間を中心に考察しました。以下の分類です。
- スキャルピング・デイトレード
- スイングトレード
- ポジショントレード
- 長期トレード
そのほかにも、インジケータの特徴で分類ができます。インジケータの場合は、主に以下の分類になりそうです。
トレンド系のインジケータ
トレンド系のインジケータは、トレンドに強いです。そこで、トレンドが出やすい通貨ペアがおすすめということになります。
例としては、ポンド円、ユーロ円あたりです。
レンジ相場でトレンド系のインジケータを使うと、損切りばかりを繰り返して大変な目に遭ってしまいます。
オシレータ系のインジケータ
一方、オシレータ系のインジケータは「買われすぎ、売られすぎ」を判断します。為替レートの反発や反落を判定するのが得意です。すなわち、トレンド相場は得意とは言えません。
トレンド相場でオシレータ系のインジケータを使うと、「買われすぎだから反落するよ~という判定が継続的に出てしまう」という状態になります。
そこで、レンジを作りやすい通貨ペアが候補になるでしょう。例えば、豪ドル/NZドルなどです。