SBIFXトレードを使えば、1通貨から取引可能です。すなわち、レバレッジを利かせれば、10円でもFXで取引可能です。
では、FXで成功するための必要資金は、いくらでしょうか。今回はこれを考察してみます。
成功するための必要資金
FX口座にいくら入金しようか?と考えるにあたり、決定的に重要なのは、「自分は現在いくら持っているか」です。
金融資産が100万円のとき、200万円の入金は無理です(借金は止めましょう)。
というわけで、最初は現在の自己資金については考慮せず、単純に望ましい資金を考えます。
FXをする目的別に考える
FXの目的が分からないと、必要資金の大きさも分かりません。そこで、いくつかに場合分けします。
放置で毎月1万円以上稼ぎたい場合
放置で毎月1万円以上という場合、リピート系FXが候補になります。
ゆったり為替は、トライオートFXで、豪ドル/円のリピート系FXの公開トレードをしてきました。
放置するためには、豪ドル/円がどのように動いても利食いできるように、注文の範囲を広くしなければなりません。
下のグラフは、実際の成績です。
毎月の獲得額を示しており、時々、大きく跳ね上がっている部分があります。これは、相場の急変動で利食い回数が増えたり、長期保有のポジションを利食いしたりしたものです。
ゆったり為替の投入額も合わせて考えますと、放置で毎月1万円得るために必要な資金は、250万円前後だと言えそうです。
老後資金として、2,000万円稼ぎたい場合
老後までに20年あるとしましょう。そして、毎年10%の割合で稼げるとしましょう。安全重視で、複利運用をしません。
試算する場合、複利運用を含めることが一般的です。しかし、実際には、投資額を徐々に増やすのは怖さが伴います。
この場合、700万円弱が必要です。
複利運用で毎年10%を増やせるなら、必要な資金は300万円くらいになります。実際には大変難しいので、5%の複利運用にしましょう。すると、資金は750万円くらい必要です。
専業トレーダー・兼業トレーダーになる場合
専業や兼業を目指す場合、資金量は多くなくても大丈夫です。その気になれば、10万円からでも可能でしょう(ただし、10万円スタートだと時間がかかります)。
この場合、必要なのはお金ではありません。根性です。
どこまでも相場にしがみついて研究し、最後には成功してやるという気持ちと実行です。
自己資金の大きさ(少額・多額)で考える
以上のとおり、色々なパターンがありますが、実際には「何となく入金」が最も多いのでは?と予想できます。
とりあえず入金して、トレードを楽しみます。そこで、次に自己資金の大きさ別に考察します。
少額で取引する場合
手元資金が10万円だとしましょう。
ある年、証拠金50%増という素晴らしい成功を収めたとします。年間で50%というのは、一流のトレーダーと言えるでしょう(ただし、継続できればですが)。
さて、50%という数字は素晴らしいですが、問題は、実際に稼いだ額です。10万円の50%ですから、5万円です。1か月あたり4,000円くらいという計算です。
毎日チャートを眺め、数多くの情報を集め、ストレスに耐えて…1年で5万円。どう考えても、アルバイトしたり残業する方が効率的です。
働けば、お金は増えますが減ることはないでしょう。1年で5万円稼ぐのは容易なはずです。
一方、10万円の資金で5万円稼ぐのは大変なことです。悪くすると、10万円すべてを失い、さらに追証を求められる可能性もあります。この苦しい試練に耐えた結果が、5万円。
取引を始めて1年経過する前に、気づくはずです。「全然割に合わない」と。
そこで、より大きな成功を求めて、レバレッジを大きくしたり、取引回数を増やすかもしれません。しかし、それは負けにつながります。
というのは、レバレッジを大きくしたり取引回数を増やすというのは、リスクも同時に高めているからです。
すなわち、多くの人が負けて終了することになります。
ただし、何年も我慢して複利運用を続けると、大きな成果を得られます。この点については、この記事の下にある見出し「トレード手法別に考える」部分でご案内します。
投資資金が大きい場合
一方、投資資金が1億円の場合を考えてみましょう。FXに1億円を投入する場合、FXに投入しないで持っている額も大きいはずです。
よって、稼ぐために「率」を追い求める必要性は高くないでしょう。「額」を基準にしやすいです。
そこで、目標額を年間1,000万円にしたとします。1億円で年間1,000万円ですから、年率10%です。1か月あたり83万円です。
もともとお金がありますし、さらに高い金額を求める必要性は薄いでしょう。そして、年率10%ですから、年率50%を狙う場合と比較して、背負うリスクも小さくなります。
すなわち、安定軌道に乗せやすいです。よって、資金は多ければ多いほど良いということになります。
トレード手法別に考える
以上、FXの目的、自己資金の大きさを基準にして、必要資金を考察してきました。次に、トレード手法別に考察します。
裁量トレードとリピート系FX(ここではループイフダン)を例にしましょう。
裁量トレードの場合
先ほど、10万円で年率50%を考えました。これを毎年続けるのは大変なことですが、できると仮定します。
- 1年後:15万円
- 2年後:22.5万円
- 3年後:33.7万円
- 5年後:75.9万円
- 10年後:576万円
- 15年後:4,378万円
1年間だけで考えると、年間収益は5万円で少額です。しかし、15年後まで計算すると、4,000万円以上になります。大変大きな額です。
そこで、最初の数年間は少ない収益でも我慢して、トレードを続けるのが重要です。
なお、年率50%は大変ですので、年率30%でも試算してみましょう。
- 1年後:13万円
- 2年後:16.9万円
- 3年後:21.9万円
- 5年後:37.1万円
- 10年後:106万円
- 15年後:511万円
20%違うと、15年後の成績が大きく異なることが分かります。
実際には、毎年の収益率を同じにするのは困難です。よって、自分のトレード手法を確立して、できる範囲で資産を増やしていきます。
年率30%が達成可能で、もっと資産を増やしたいとします。この場合は、最初の投入額を大きくします。
15年後に1,000万円欲しい場合、最初の必要資金は20万円ということになります。
ループイフダンの場合
上の試算は魅力的ですが、裁量トレードで成功できるのは、ごく一部の人だけです。そこで、ループイフダンで、長期トレードをするとしましょう(トラリピなどでもOKです)。
長期トレードとは、「少なくとも1年、可能ならば5年でも10年でもトレードを続けたい」という場合だとします。この場合の必要資金は、「とにかくたくさん」です。
というのは、5年も10年もトレードを継続していれば、大幅に円高になることも、その逆に大幅に円安になることもあるでしょう。
どのような値動きをしても、強制ロスカットだけは避けなければなりません。
逆に、強制ロスカットさえ避けられれば、どんどん利食いを繰り返してくれます。含み損はどうでも良いというレベルにすることも可能です。
下のチャートは、豪ドル/円の超長期チャートです。そして、赤枠部分で取引するとしましょう。
- 通貨ペア:豪ドル/円
- 1回の取引数量:1,000通貨
- 注文と注文の間の距離:40銭
- 取引範囲:55円~85円
この内容で取引する場合、必要資金は140万円くらいです。注文と注文の間の距離を80銭にすれば、必要資金は半分の70万円くらいになります。
これくらいの資金を準備できるなら、長期のトレードが可能になります。
投資資金1,000万円で取引したいという場合、1回の取引数量は、1,000通貨でなく7,000通貨くらいにできます(1億円なら、7万通貨)。
ただし、長期のループイフダンにはデメリットがあります。それは、資金増加速度が遅いということです。
ループイフダンで短期取引
そこで、資金増加速度を求めて、長期でなく短期でループイフダンをする場合も考察しましょう。
短期なので、取引の範囲は狭くなります。55円~85円という広さではありませんので、必要資金は小さくなります。
しかし、問題点があります。「注文範囲を適切に設定できるか?」です。
注文範囲を適切に設定できるなら、相場を読めるということです。この場合、ループイフダンで小さい利益を積み重ねる必要は乏しいです。裁量トレードで大きく稼げます。
しかし、一般的には、相場を読んで稼ぐことは困難です。
よって、ループイフダンなどで確実性を求める場合、長期取引が中心になります。
そもそも、トラリピなどリピート系FXの思想は、「相場を読むことはできない。だから、広い範囲に注文を設定しよう」です。
短期取引でリピート系FXを使うのは、元々の思想の逆を進むことになります。
必要資金を確保する方法
以上の検討の結果、裁量トレードに進むか、長期トレードに進むか、決めたとします。次に、トレードの必要資金を確保します。
しかし、よほどの幸運がなければ、若くしてトレードを開始しようというときには、資金がないものです。
そこで、ゆったり為替がいかにしてトレード資金を確保したか、その方法を紹介します。
学生のころは、お金がありませんでした。社会人になってから一念発起し、下の方法で資金を確保しました。
方法2:毎月の可処分所得の30%~50%を貯蓄に回す
かなり無茶苦茶な方法だと思いますが、これを実現するため、日常生活は以下の通りでした。
- 昼食は、自分で作った弁当持参が基本。
- 弁当のおかずをたくさん作り、朝食にする。
- 夕食も自分で作る。
- 社宅に入る(社宅があったのはラッキーでした)。
- お金が必要な遊びはしない。
- 家計簿をつけて、無駄遣い排除。
この生活を長期間続けました。途中で挫折するかと思いきや、その生活が通常となってしまうと苦になりません。その生活スタイルで会社員生活をしました。
また、昼休み中の弁当を早々に終わらせて、休み時間も仕事をしていました。そして、残業はゼロ分が目標。早く家に帰ってトレードの勉強をする必要がありましたので。
この生活のデメリットは、「会社は働く場所であり、それ以上でもそれ以下でもない」という割り切りが必要なことです。
上司とお酒を飲みに行って社内営業するのはありえないし、同僚のお金のかかる趣味に付き合うこともありません。極めてドライな対応になります。
ゆったり為替には合っていたスタイルですが、一般的に実行可能だとは思えません。
ゆったり為替の場合、少しでも早く退職することを目標にしていました。このため、この行動は合理的でした。
皆様に同じ行動をすることはお勧めしませんが、自分の目標に適合するようなスタイルの範囲内で資金確保を目指すと良いかもしれません。
顧客の平均的な入金額
FXは自分が勝つかどうかが重要なので、他人の状況はどうでも良い…とはいえ、やはり気になるもの。
そこで、一般的な顧客は、FX口座にどれくらい入金しているか、ざっと確認してみます。
手掛かりとして、FX会社の公開情報を確認しました。すなわち、口座数と預かり金額です(2020年6月のデータ)。
セントラル短資FX
- 口座数:191,485
- 預り総額(百万円):57,189
- 1口座当たり平均:298,660円
マネーパートナーズ
- 口座数:340,825
- 預り総額(百万円):61,807
- 1口座当たり平均:181,345円
ヒロセ通商
- 口座数:272,743
- 預り総額(百万円):55,120
- 1口座当たり平均:202,096円
この情報を公開しているFX会社は、多くないです。
しかし、3社の情報により、平均的な姿が見えてきます。とはいえ、この情報をそのまま受け入れることはできないでしょう。
といいますのは、「口座を作ったけれど、もうFXをしていない」という顧客がいるからです。
稼働中の顧客の入金額
稼働中の顧客の平均的な姿でないと、データとしては不十分です。
そこで、顧客稼働率が分かればいいんですが…と調べたところ、公開情報がありました。金融先物取引業協会です。顧客稼働率は、10%台前半だと分かりました。
という訳で、稼働している顧客1口座当たりの平均額は、上で出した数字の8倍~10倍くらいだということになります。
セントラル短資FXは入金額が少し多いので、割り引いて考えて150万円~200万円くらいだと予想できます。
試算が適切かどうか検証
さて、この試算は正しいでしょうか。それを調べるのに好都合なデータがあります。マネースクエアとインヴァスト証券です。
マネースクエア
トラリピのマネースクエアは、公式HPで稼働中の顧客の平均預入金額を公開しています。
190万円です。
トラリピは、数あるリピート系FXの中でも、比較的長期運用向きのツールです。
リピート系FXは、長期運用になるほど大きめの資金が必要ですから、この数字となっているのでしょう。
インヴァスト証券
インヴァスト証券では、トライオートFXとトライオートETFの全顧客を対象に、公開トレードバトルを実施しました。
そして、このバトルでは、顧客の成績を公開しています。下は、成績上位者です。「ランキング全体を見る」で、さらに詳しく確認できます。
そこで、トライオートFXについてデータを分析して平均を出すと、150万円強でした。
一人当たり150万円~200万円という試算で良さそうです。
より正確な、平均的な入金額
なお、マネースクエアとトライオートFXで確認した金額は「平均」であって、「中位数」ではありません。すなわち、大きな金額を投入して平均額を押し上げている人がいます。
トライオートFXのグランプリでも、数千万円規模の入金があちこちにあります。上の画像を見ますと、1,000万円を超える人が何人もいます。
よって、より平均的な顧客像(すなわち、中位数あたり)の入金額は、100万円前後ではないでしょうか。
100万円前後の入金があれば、自分は平均的だと予想できます。
まとめ
以上から、以下のまとめができそうです。
- 裁量トレードを主軸にする場合、必要資金を少なくできるが、成功するのは難しい。
- 長期リピート系FXは裁量トレードより難易度が低いと期待できるが、資金増加速度が遅い。
- 一般的な顧客は、100万円~200万円くらいを入金している模様。
どの手法で成功を目指すかによって、必要資金の額は変わってきます。