当ブログの記事を読んでいただくと、FXは大変だと分かります。為替レートは上か下かの2つだけなのに、奥が深いです。
では、簡単に大きく勝ちたい場合、どうすれば良いでしょうか。
最初に、楽に勝とうと思うと、実はどれだけ難しいかを確認します。その後で、簡単・単純なのに確実度が高い手法について検討します。
FXで簡単に大きく勝ちたいなら
簡単に勝ちたいなら、「適当にトレードする」ことになるでしょう。上がりそうだと思えば買い、下がりそうだと思えば売ります。
多くの場合、この方法だと損するでしょう。しかし、資産を築く人も少なからずいる、と予想できます。
10連勝する人数・確率
日本のFXユーザー数を検索しますと、正確な数字は出ませんが、全人口の1%くらいかなあ?と予想できるような気がします。仮に1%としまして…
1億2,000万人×0.01(1%)=120万人
未成年は基本的にFXができませんし、高齢者も口座開設が難しいです。これくらいかも知れません。
そして、直感的ににトレードして、勝率は50%だとしましょう。コインを投げれば、表と裏の出る確率はそれぞれ50%だと期待できます。為替レートの上下動も同じだと仮定します。
すると、10連勝する確率はおよそ0.1%です。120万人のうちの0.1%といえば、1,200人です。
仮定だらけで信用できない数字ですが、それでも1,000人以上が、10連勝を達成できることになります。
利食いすれば資金が2倍で損切りなら大損、という派手なトレードをする場合、10連勝すれば、資金は1,000倍になります。
0.1%の確率で資金が1,000倍になるのですから、宝くじよりもずっと有利だと分かります。
余談ですが、宝くじはお客さんが出したお金の半分以上を胴元が回収するという、極めて効率の悪い賭けです。宝くじよりもFXの方がずっと効率が良くなるのは、自然です。
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どんな方法でも、勝てば官軍
話が少しそれましたが、簡単に大きく勝とうと思えば、この1,200人に入ることを期待してトレードすることになるでしょう。
そして、結果として勝てれば、それは実力です。
相場で優劣を決定する物差しはただ一つ、「勝ったか?それとも負けたか?」です。極論すれば、知識はどうでもいいです。
相場が上がっているときに買っていて、相場が下がるときに売っているか?これに尽きます。
というわけで、適当にやっても資金を増やせるのですが、問題は「誰かは勝てるかもしれないが、自分は勝てるだろうか?」です。確率通りならば、分が悪いです。
相場に容易に対応できるスーパーマンでもない限り、最終的に生き残る確率を高めるためには、どこかで努力しなければならないでしょう。
楽に勝ちたいなら、バックテストは不要
ゆったり為替は、バックテストを重視します。そして、バックテスト経由で最終的に勝利を得るには、以下の繰り返しになります。
- トレードパターンを考える
- バックテストしてみる
- ダメだったら、振出しに戻る
ゆったり為替の場合、バックテストを100回実行したら、「イケるかも?」と思うのは多くても5つくらいです。
そして、その5つについてさらに検証して、生き残るのは0~1くらいです。すなわち、ほとんど生き残りません。
なお、生き残らなかったパターンは全てダメか?ですが、そういうわけではありません。
実際にトレードすれば良好な成績になるだろう、という結論になっても、自分の生活リズムや性格に合わなければ不採用です。
よって、バックテストして良好な結果を得るという条件に加えて、自分の生活や性格に適合しているか?という条件も加わります。
バックテストを本気でやると、とても長い道のりになることが予想できます。
そこで、「楽に大きく勝ちたいなら、バックテストはしない方が良い」ということになります。バックテストは全然楽ではありませんので、途中で挫折することでしょう。
苦労しないと、トレードパターンを信用できない
なお、運良く簡単にトレードパターンが見つかったとしても、楽して勝ちたい場合は、それを使っても好成績にならない可能性があります。
なぜなら、どんなに良好なトレード手法でも、連敗するからです。
楽に勝ちたいという場合、連敗した時点でそのトレード手法を捨てる可能性があります。資金の減少は、苦痛です。「別の良い手法を見つけよう」となりがちです。
一方、自分で努力した末に見つけたトレードパターンの場合、連敗しても耐えられます。
努力した結果で得たトレードパターンの場合、最大連敗数や最大ドローダウンについての調査もしているでしょう。よって、連敗しても耐えられます。
今回の連敗は、過去と比較してどうなのか?が分かるからです。「努力して得たトレード手法だ」という意地もあるでしょう。
分は悪いが簡単なトレード手法【まとめ】
以上をまとめますと、こんな感じです。
- 簡単に大きく勝ちたいなら、適当に取引
- しかし、適当に取引すると、生き残る確率は低い
- 努力して得た手法なら、継続して取引できる
何だか、厳しい結果です。実際のところ、FXでプラスの成績を挙げられるのは、全体の10%程度の模様です。
【参考記事】FXで負ける・損する個人投資家の割合
FXは、とても難しい世界です。
簡単で単純、確実度もある手法
では、簡単で単純でありながら、確実度が高い手法はないのか?ですが、あります。
最初に、簡単な方法を確認しましょう。米ドル/円の長期チャートをご覧ください(DMMFXから引用)。
ズバリ、「買って、利食いする(それまで何年でも待つ)」です。実に単純です。
と言いますのは、下のチャートで、高値である四角1部分(2006年~2007年)で買ったとしても、四角2で決済すれば、利食いできたからです。
リーマンショックがあろうとも、ユーロ圏崩壊か?という危機が訪れようとも、ポジションを持ち続けます。
この間、スワップポイントは概ねプラスでしたから、スワップポイント益も大きいです。
くりっく365で、2007年1月初日に1万通貨買い、2015年6月末日に決済したとしましょう。このときのスワップポイント益は、84,052円です。
いい感じです。
よって、究極に簡単な手法は、「先進国通貨ペアで、スワップポイントがプラスになる側でポジションを持って、後は含み益になるまで待つ」となるでしょう。
- いつ買うか?:いつでもOK
- いつ決済する?:損益がプラスになったら
- 損切りは?:損切りは嫌だからしない
実際には、高値で買ってしまわないように注意します。そして、利食いを繰り返します。
うっかり高値で買ってしまっても、ひたすらポジションを維持して、将来の利食いに期待します。
資金効率を改善
ただし、この方法は、単純であるがゆえに難点があります。
例えば、上の例では、2006年あたりで買っています。そして、利食いは2015年くらいです。10年近くも時間がかかっています。
利食いできましたし、スワップポイントも10年間蓄積しました。しかし、あまりにのんびりしすぎます。
この10年間の間に、米ドル/円=75円を記録したときもありました。最終的に利食いしたとはいえ、含み損がとても大きいです。
そこで、改善しましょう。
例えば、下の白枠部分で買います。すなわち、円安すぎる部分では買わないという選択です。
この考え方を採用すると、高値で買って苦しくなるのを回避しやすくなります。
しかし、110円で買ってから75円まで円高になるのは、やはり含み損が大きくなって面白くありません。そこで、さらに改善しましょう。
下のチャートは、1990年代初めから表示したものです。
ここまで長期間を表示すると、あることが分かります。
それは、「超長期で見れば、米ドル/円はレンジになっている」ということです。そこで、白枠あたり、すなわちレンジの下限あたりで買います。レンジ内の反発狙いです。
こうすれば、含み損は小さくなりますし、利食いしやすくなります。
自由に利食いしても構いませんし、大きく円安になってから利食いしても良いでしょう。
買いチャンスがないかもしれない
含み損を減らし、比較的容易に利食いできるこの修正は、採用できるでしょう。しかし、問題があります。
「米ドル/円が90円よりも円高になるのは、いつ?」ということです。この記事を投稿した時点で、米ドル/円は100円台です。
将来、再び90円を割り込むことがあるとしても、それはいつになるでしょう?
トレードしたいときに自由にできないと、簡単な手法とは言いづらいです。トレードしないで我慢しなさい、というのは、面白くありません。
米ドル/円以外の通貨ペア
そこで、視野を広げてみましょう。すなわち、米ドル/円以外の通貨ペアで、探します。
分かりやすいのは、豪ドル/NZドルでしょう。
下は、1973年以降のチャートです。すなわち、現行の変動相場制度が開始されて以降のチャートです。豪ドルNZドル=1.00が下値支持線だと分かります。
そして、下は、上のチャートの赤枠付近の月足チャートです(セントラル短資FXから引用)。
豪ドル/NZドル=1.00のすぐ上で、レンジになっている様子が分かります。
これを見ますと、豪ドル/NZドル=1.00~1.06くらいの範囲にある時に、自由に買って自由に利食いする、という方法が考えられます。
インジケーター不要、トレードタイミングは適当でOK。利食い位置も適当。いい感じになったら利食いです。
では、損切りはどうしましょうか。過去50年くらい継続している下値支持線ですので、容易に破られるとは思えません。
しかし、安全を考慮するなら、1.00をしっかりと下回ったところで損切りすることになるでしょう。
安全度を高めるトレード
とても簡単なこのトレードですが、さらに安全度を高めてみましょう。
例えば、豪ドル/NZドル=1.03で買って、1.06で利食いしたとします。300pipsの利幅です。次に1.03で買うとき、1.00で損切りすると、損失幅は300pipsです。
すなわち、合計で損していません。よって、最初のトレードで、しっかり利食いしたいです。
最初のトレードで利食いしたら、複利運用しません。同じ取引数量で、利食いを繰り返します。すると、最終的に損切りしても、合計で大幅プラスになります。
利食いで十分に資金を確保したら、徐々に取引数量を増やします。
こうすれば、勝ち組の仲間入りです。
相場の大波乱に備えて、取引数量は控えめにします。こうすることで、大波乱が起きてもプラスを確保しやすくなります。
米ドル/カナダドル
同様に超長期のチャートを探しますと、レンジで推移しているよね?という通貨ペアが見つかります。例として、米ドル/カナダドルを挙げましょう。
米ドル/カナダドルが1.0を下回るとき、絶好の買い場だと分かります。
2007年、米ドル/カナダドルは久しぶりに1.0を割り込みました。この時、(日本では扱いが小さかったですが)欧米メディアでは、30年ぶりの現象だと多く報道されました。
この時に、適当に買って利食いしていれば、勝率100%が可能でした。
新興国通貨ペアでは難しそう
なお、この手法は、為替レートが下落しても再び戻るだろう、と期待できることが必要です。
というわけで、トルコリラ/円や南アランド/円などの新興国通貨ペアでは、実行するのは難しいです。
下は、トルコリラ円の長期チャートです(セントラル短資FXから引用)。買った後に円高になったら、もう戻ってこないのでは?という感じがします。
簡単な手法のまとめ
以上、概観してきました。ここで、まとめましょう。
「超長期チャートがレンジになっている通貨ペアで、レンジの下限あたりに来たら、適当に買う」です。
逆もOKです。すなわち、レンジの上限あたりに来たら適当に売る方法です。単純で素晴らしいです。
インジケーター不要、気が向くままに新規売買して可、思いつくままに利食いして可、です。
超長期のレンジですから、容易にレンジを破らないと予想できます。しかし、念のため、レンジが完全に終わったら損切りします。
豪ドル/NZドルの例で確認しました通り、ひたすら利食いします。こうすることで、損切りしても合計でプラスにします。
超長期チャートを表示できるFX会社
では最後に、超長期チャートを表示できるFX会社を確認しましょう。意外にと言いますか、超長期チャートを表示できるFX会社は少ないです。
多くは、2000年前後以降の表示になります(それでも20年あるのですから、一般的には十分でしょう)。
超長期チャートを表示できるのは、DMMFXです。この記事を投稿した時点で、以下の期間の表示ができます。
- 米ドル/円:1976年8月以降
- ユーロ/円:1999年1月以降
- ポンド/円:1976年8月以降
- 豪ドル/円:1987年1月以降
- ユーロ/米ドル:1999年1月以降
- ポンド/米ドル:1975年2月以降
- 豪ドル/米ドル:1987年1月以降
米ドル/円やポンド/円が、強烈です。1976年以降です。
ユーロが絡む通貨ペアは、表示期間が短いです。と言いますのは、ユーロが決済用通貨として誕生したのは1999年1月だからです。紙幣の流通は、2002年以降です。
超長期でレンジになっている通貨ペアを見つけたら、この簡単なトレードを検討できます。