学生の皆さんの中には、「FX会社に入社して、FXの神髄を極めて大きく稼いでやろう!」という野望を持っている方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、注意が必要です。
「FX会社の社員は、FXで私的な取引をすることができない」からです。
各種規則により、社員はFXができない
これは各種規則で定められており、どうしようもありません。
取引する気満々でFX会社に入社すると、目の前が真っ暗になりかねませんので注意しましょう。
FX会社社員の私的なFX取引を禁止している条文等で、最も分かりやすいのは、「金融先物取引業務に従事する従業員等の服務に関する規則」でしょう。
これは、FX業界団体の自主規則です。この規則の第4条を見ますと、下の枠部分の行為をしてはいけません、と書いてあります。
ということは、FX会社の社員は、FX会社に所属しているのに、自分が売っている金融商品について(本質的には)知らないということになります。
いくら勉強して知識を得ても、自己資金を投入し、自分のお金がリスクにさらされる緊張感を肌で感じないと、本当の意味でFXを理解したとは言えないでしょう。
とはいえ、規則なので仕方ありません。FX会社の社員であるうちは、FX取引はあきらめましょう。
業務としてFXをするのは可能
ただし、業務として取引することは可能です。ディーラーと呼ばれる人々が、それにあたります。
また、外部の人は、FX会社の内部情報に接する機会が皆無です。この情報に接することができるというのは、極めて有用でしょう。
よって、ディーラーを目指したり、FXの内情を知りたくてFX会社に入りたいという場合がいるかもしれません。
長期間働き続けることを前提にして、就職活動をします。よって、内情を知りたいというだけでFX会社に入りたいという人は、なかなかいないだろうと思いますが。
(ディーラー希望での就職は、少なからずありそう。)
FXの解説をしている人は誰?
FX会社のホームページを見ると、トレード手法や相場について、動画で解説している場合があります。
そして、トレード手法や相場については、外部の専門家に委託していることが多い、と気づくかもしれません。これは、今までの考察から考えると、自然なことです。
自社従業員は、私的なFXができません。そこで、相場としてのFXをより良く知っている外部専門家に、解説してもらいます。
FX会社としてはコストのかかる話ですが、止むを得ません。
なお、自社従業員が、FXの相場について解説している場合もあるでしょう。その場合は、概ね下の通りです。
- チャート分析等について資格を持っている
- FXの外部専門家を、社員として雇っている
上に該当するなら、専門性を備えています。
外部専門家の人は、社員であるうちは私的なFXができないということになりますが、FXと違い、働いたら確実にもらえる給料も魅力的です。
ツール解説は、まさに専門家
その一方で、彼らは、自社のFXトレードシステムの専門家です。これについては、外聞専門家よりも良く知っています。
FX業者でヒアリングすると、ある機能を実装したかったけれどもできなかった、あるトラブルがあって大変だった、という話を聞けることもあります。
というわけで、システムの操作方法説明の動画などでは、社員が登場することが多くなるでしょう。
営業社員は、顧客の情報を知らない
ちなみに、FX会社の社員といっても、その職種は多岐にわたります。営業職だったり、システム開発や保守だったり。
ゆったり為替が意見交換していただいているのは、営業職の皆さまです。
そこで、FXシステムの「コアな部分」について、どれだけ情報を持っているのか質問したことがあります。
- 顧客の何割が損している?
- 大勝ちした顧客はどれくらい?
こんな内容です。
結果、「そのような情報は把握していないし、その情報にアクセスすることもできない」だそうです。
言われてみれば、当然なのかもしれません。システムの心臓部や顧客情報については、限られた一部の社員だけが閲覧可能だということです。