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米ドル/円のヒストリカルボラティリティ(価格変動率)

最近数年にわたって、為替レートの値動きが小さい相場が続いています。2020年3月~4月は大きく動きましたが、再び値動きが小さくなってしまいました。

そこで、直近10年間くらいの米ドル/円のボラティリティ(価格変動率)を確認しましょう。

米ドル/円のヒストリカルボラティリティ

まずは、標準偏差を使ったヒストリカルボラティリティ分析から。トレードの世界では、標準偏差による分析が一般的でしょう。

標準偏差と言っても、計算自体はエクセルがやってくれますので、計算式を入力するだけでOKです。

下のグラフの読み方ですが、年別のヒストリカルボラティリティを折れ線グラフで描いています。数字が大きいほど、値動きが大きいことを示します。

米ドル/円のヒストリカルボラティリティ

グラフを見ますと、直近数年の値動きが特に小さいことが分かります。

2011年頃の米ドル/円

今回、2011年を最も古いデータにしました。2011年~2012年前半頃は、値動きが全くなくてどうしようもない時期でした。

米ドル/円は70円台後半~80円台前半で張り付いて、稀に日銀の市場介入で為替レートが3円上昇するものの、すぐに元の位置に戻る…そんな感じでした。

ちなみに、2011年以降のチャート形状は、下の通りです(FXプライムbyGMOから引用)。

米ドル/円のチャート

左端部分が、2011年~2012年です。月足だと、そこそこ値動きがあるように見えます。

しかし、日足レベルにすると、全然動かなくてどうしようもない(そして、円高の恐怖が日本を覆っている)という感じでした。

2018年以降の米ドル/円

2011年頃のおさらいをしたうえで、2018年~2019年のヒストリカルボラティリティを見ますと、当時よりもさらに値動きが小さいことが分かります。

経済活動をする上では、この為替レートの安定性はとてもありがたいことでしょう。同じ製品を輸出しても、為替レート次第で売上が大変動するようでは困りますから。

しかし、トレードするには、とても悪い環境だと言えます。

冒頭のグラフでは、2020年を加えていません。まだ2020年は途中ですので。しかし、3月~4月の値動きがありましたので、ヒストリカルボラティリティは11%台となっています。

10%を超えるくらいだと、ある程度の値動きがあってトレードもしやすいです。

とはいえ、3月~4月の変動を除きますと、やはり数字は小さくなります。

スキャルピング・デイトレード・スイングトレード等、どれをとっても、値動きが小さいとトレードしづらいです。

よって、米ドル/円以外の通貨ペアを中心に監視することになります(とはいえ、何かあったらすぐ戻ってこられるように、米ドル/円にも注意を払います)。

高値と安値の差で比較

以上は、標準偏差を使ったヒストリカルボラティリティの比較でした。

次は、少し違った視点で、値動きの大きさを確認します。と言いますのは、標準偏差は日々の生活で使わないので、イメージしづらいためです。

「日足の、高値と安値の差」を使って、年ごとの平均値の大きさを確認しましょう。下の表の通りです。

米ドル/円のヒストリカルボラティリティ

当然ながら、ヒストリカルボラティリティの場合と似たグラフになりました。2019年は、値動きがなかった2011年あたりより小さな値動きです。

1日平均で60銭しか動かないとなると、デイトレードは大変そうです。

為替レート水準を反映してみる

なお、上の「高値と安値の差」で比較する方法は、欠点があります。それは、為替レート水準を考慮していないことです。

例えば、1日の値動きが100銭だったとします。その日の終値が100.00円だったら、値動きの大きさは1%です。「まあまあかな」という感じです。

ところが、同じ100銭の値動きでも、その日の終値が10.00円の場合、値動きは10%にもなります。

為替レートが1日で10%も動いたら、大変なことです。同じ100銭でも、意味合いが変わってきます。

そこで、「毎日の高値と安値の差は、その日の終値の何%に相当するか」という数字を元に、年別の平均値をグラフ化しました。

米ドル/円のヒストリカルボラティリティ

こうして見ますと、ここ数年間は値動きが本当に小さいということが分かります。

リピート系FXをしている場合、この値動きの小ささは利食い回数の減少につながります。回数は把握していなくても、「最近数年間は利食い回数が少ない」と体で感じることでしょう。

その昔(4年~5年くらい前?)、トラリピは公式HPで、豪ドル/円を50銭ごとに1,000通貨ずつ買う(利幅は500円)という案を掲載していました。

この設定でも、結構な頻度で利食いできたからです。

ところが、この記事を公開した2020年8月時点で、豪ドル/円を50銭ごとに買うトラリピをしても、毎日の利食いは期待できません。

毎週1回~2回くらい?の利食いです。値動きが本当に小さくなってしまったと分かります。

ボラティリティが小さい時代の心構え

さて、ここからは自分自身への確認の意味を込めての話になりますが、ボラティリティが小さい時代にどうやってトレードするか?です。

基本は、「あきらめる」です。ボラティリティは自分で操作できないので、現状を受け入れるしかありません。

その上で、どうするか?です。

最もマズいのは、取引数量を大幅に引き上げることです。これをやって生き残るには、高度な資金管理術が必要になります。

典型的なのは、リピート系FXで繰り返されてきた事象です。

  1. 値動きが小さくなって利食い頻度が減る
  2. 利食い額を確保するために、取引数量を倍増
  3. 利食い額を確保できる
  4. しかし、突然の相場急変で、一気に大損
  5. 当ブログの「円高で大損」関連記事が大賑わい

例えば、今まで50銭ごとに買うという方法だったのを、25銭ごとに買う方法に変える具合です。取引数量が2倍になります。

では、取引量倍増に合わせて、資金も2倍準備しているか?と言えば、そうではない例が多いのでは?と思います。

そして、相場の急変で損します。

現状を受け入れ、取引数量を増やすこともせず、ただぼんやりと「その時」が来るのを待ちます。そして、その時が来たら、確実に仕留めたいと考えています。

この考えなのですが、2020年3月の暴落で大きく買うことができませんでした。狙いすぎないことも大切なようです。

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