前回の米ドル/円に引き続き、今回はユーロ/米ドルの分析です。
ユーロ/米ドルの長期チャート
いつもは1973年以降のチャートを使用していますが、ユーロは新しい通貨のため2000年前後からの表示となります(チャートはDMMFXから引用)。
この20年ちょっとの値動きを、簡潔に振り返ってみます。
ユーロが登場した当時、「複数の主要国が単一通貨を使うって大丈夫なの?」という心配が強く、ユーロ/米ドルは下落傾向にありました。しかし、それは杞憂らしいと分かると、一転してユーロ高に。
しばらくユーロ高で進んだ後、2007年にサブプライムローン問題が出現。これは米国の問題であってユーロ圏の話ではないので、ユーロはさらに上昇。
ところが、2008年のリーマンショック以降は雲行きが怪しい展開に。震源地は米国なのにユーロ圏の方がダメージが大きく、ギリシャの粉飾決算(国家が粉飾決算!)も明るみになるなど、ユーロ圏は大混乱。相場も同様に大荒れ。
その後、米国がいち早く利上げするかも?という状況となり、ユーロ/米ドルはレンジ内の乱高下から下方向に抜け、その後はレンジとなって現在に至ります。
2003年以降の長期チャート
チャート分析しやすくするために、2003年以降に絞ります。下の通り、赤で補助線を引くことができます。
2007年から2014年くらいまではサポートライン、それ以降はレジスタンスラインとして機能しており、およそ15年間も機能しています。このため、このラインは極めて重要であり、現在の為替レートの位置を考えますと、下落方向に注目です。
また、2008年くらいからのチャートで考えますと、全体として下落傾向にあるのも、下方向に注目する根拠になります。
週足チャート
次に、直近の値動きを週足チャートで確認します。
下の通り、レンジ…というかペナントに近い動きになっています。このため、この範囲で上下動を繰り返したのち、最終的に下方向に抜けるのがメインの想定となります。
1.00を目指すのは大変かも
では、下落目途の最大値はどこなのか?ですが、週足の直近安値(1.07くらい)が分かりやすいです。とはいえ、現在値(1.18台)から見ると1,000pipsも下にあるので、実際にはもう少し上にしておいても良さそうです。
1.00を下回る水準を狙えるか?ですが、下に2000年前後以降のチャートを再掲します。
補助線の通り、巨大なペナントになっていることが分かります。20年以上かけて作った形ですから、これを破るのは簡単ではありません。
1.00を狙うのは、このペナントを下方向に抜けてからでも十分なように感じます。
では、ペナントが終了するのはいつなのか?ですが、上のチャートを見ると、2本の補助線がもうすぐ交差しそうな勢いです。とはいえ、距離は1,000pips以上ありますから、数年程度はペナント内で推移する可能性があります。
長期チャートで分析すると、気長な話になります。
トレード手法
長期的には下落方向に注目、直近の週足はペナントで大きめの上下動を期待できそう…となれば、売って放置というトレードに加えてリピート系を採用すると、収益率を高くできそうです(利食いを繰り返すという満足感も得られます)。
リピート系FXを使える主要なFX会社全てでユーロ/米ドルを取引できますので、お好みの会社で検討するのも良さそうです。