エクセルで日足を使ったバックテストをして、それを実戦トレードに反映する場合、大きな特徴があります。
それは、「日足始値で取引を開始する場合が多い」だろうということです。
エクセルを使うと、日足始値の重要度が高い
エクセルでバックテストをする場合、始値・高値・安値・終値の4つを組み合わせて計算します。
「為替レートが前日高値を超えた場合」というバックテストの場合は、取引開始は前日の高値が基準になります。
各種インジケーターを使ったバックテストでも、「為替レートの数字」が取引開始の基準になることが多いと思います。
日足始値付近で取引開始
ところが、エクセルを使った日足のバックテストの場合、「日足始値で取引開始」の検証パターンがとても多くなると感じます。
すなわち、為替レートでなく「時間」が基準となります。これは珍しいパターンかもしれないな、と思います。
そして、取引開始が日足始値であるということは、取引時刻は朝です。夏時間だったら午前6時過ぎ、冬時間だったら午前7時過ぎです。
これは、朝に出勤(または通学)する皆様にとっては、とても都合が良いです。
チャートを読むときも、ちょうど日足が一つ出来上がったところです。分かりやすいです。
朝は忙しいかもしれませんが、毎朝のルーチーン作業の一つにFXを加えてしまえば、習慣化できます。勤務中などに無理に取引する必要はありません。
始値ちょうどで取引しなくても良い
なお、ゆったり為替の経験でいえば、始値ちょうどの時刻に取引する必要は小さいです。早朝は値動きが小さいからです。
10分や15分程度遅れても、ほとんどの場合、問題なく取引できます。始値と同じような位置で為替レートがウロウロしているからです。
よって、早朝の広いスプレッドの時には取引を見送り、スプレッドが落ち着いてから取引します。
とはいえ、稀に、始値から数分しか経過していないのに大きく動くという場合があります。特に月曜日はその傾向があるように思います。
そこで、月曜日だけは、始値近くで取引できるように注意したいです。
毎日1銭だけ利食いを狙ってみた
エクセルを使ったバックテスト事例を一つご案内します。
何も考えずにトレードして、自動的に稼げたら最高なのに。これを実現すべく、 突拍子もないバックテストをしてみました。
毎日、米ドル円を始値で両建てし、それぞれ1銭で利食い。利食いできない場合は、日足終値で決済
何がしたいかといえば、為替レートはどのように動くか不明ですが、円安方向にも円高方向にも、始値から1銭くらいは動くでしょう?ということです。
だったら、上下両方向について、毎日1銭だけ取りに行ったらいい感じ?ということです。
もしかしたら、勝率は100%近いかも?などと考えました。2000年以降の16年間について確認したところ、意外に勝率が低くてびっくりでした。勝率は95%よりも低いという結果でした。
ということは、平均的には、1か月に一回は「始値=高値」または「始値=安値」に近い日があるということになります。
スプレッドも考慮
1銭の利食いを狙うといっても、スプレッドを考えなければなりません。
米ドル円のスプレッドは狭いのですが、始値あたりは0.3銭よりも広いです。しかし、0.3銭でバックテストをしました。
なのに、勝率が95%よりも低いという結果でした。少なくとも20日に1回は1銭の利食いができないということであり、20日といえば、1か月です。
というわけで、このトレード方法は厳しいです。
このトレードの損失幅
では、この方法を採用したときの、1トレードの最大損失幅はどれくらいでしょうか。
結果は、360銭弱でした。
1銭を取りに行って360銭の損失を計上するのでは、とてもではないですが採用できません。即ボツです。
また、毎朝必ずトレードしなければならないのは面倒です。というわけで、どう頑張ってもダメだろうということになり、このバックテスト結果はトレードに生かされずお蔵入りとなりました。
バックテストでは、突拍子もないトレード方法でも検証できるのが楽しいです。
もしかしたら、とんでもない内容のバックテストが実は超優秀だった!というのがあるかもしれません。