読者の皆様のお便りの2回目です。お便りの後半部分をご案内します。
前半は、下の記事でご確認いただけます。
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トライオートFXで勝ち逃げを狙う:読者の皆様のお便り
今回は、読者の皆様のお便りを元に、2回に分けて考察します。 第1回は、トライオートFXにおける米ドル/スイスフラン(USD/CHF)の取引です。 トライオートFXの取引設定 お便りの一部を、引用します ...
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豪ドルの見通し
(昨日の記事の続き)
今回の数日間でクロス円は思いのほか立て直してる中、オジ円だけがイマイチで、同じオセアニアのキウイと比べても散々なありさまです。
キウイに比べ売られ過ぎで読みづらいです。
以前から中国依存により懸念のあったオージーですが、AUDNZDにしても1.01台にまで落ち込み、せっかく1.03で仕込んだ玉が切ないです。
週足、月足でみてもそろそろ反発してもよさそうですが、0.9台に突入する可能性は高いと思われますか?
また、EURAUDの伸びが凄まじいですね。ユーロ強オージー弱の流れは今後も続くと思われますか?また高値目途は1.9あたりになりそうですかね?(1.9でショートを入れるのは時期尚早でしょうか?)
(以下、略)
下手神さん、お便りありがとうございます。
豪ドルは、主な通貨全てに対して弱くなっています。それも、極端です。暴落という表現で良さそうです。
オーストラリアは中国依存度が高く、これがリスクとして認識されてきました。それを考慮しても、大変な下落です。
オーストラリアの中国依存度につきましては、下の記事でご確認いただけます。
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豪州の政策金利発表:TWIを頭に入れつつ読んだ方が良い
豪州の政策金利が発表される際、豪州準備銀行の声明も公開されます。米国などでも同様ですが、この声明が極めて重要ですので、読んでおきたいです。 そして、豪州の声明を読む場合は、TWIの推移を頭に入れておく ...
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ここでは、お便りで言及がありました3通貨ペアの見通しを考えましょう。豪ドル円、ユーロ豪ドル、豪ドルNZドルです。
豪ドル円(AUDJPY)
下のチャートは、豪ドル円の月足チャートです(DMMFXから引用)。
平時のトレードにおいては、月足チャートを使う人は少数派でしょう。ゆったり為替は普段から月足を使っていますので、異端の部類だと思います。
しかし、大波乱相場の場合は、月足が大活躍します。値動きの目途を考えやすいからです。
チャート内に、白の補助線を3本引きました。これは、下値支持線です。
すなわち、この為替レートまで来ると、不思議と下落が止まりやすいという為替レートです。上から順番に、以下の通りです。
- 65円
- 60円
- 55円
最近数日間、65円まで円高になると急ブレーキがかかって、反発しています。これは、65円の下値支持線が効いているという理解です。
ただし、65円の下値支持線は、強力というわけではありません。
正確には、月足で見つかる下値支持線ですので、強いです。しかし、下落圧力も大変なものです。よって、65円が底値だと考えるのは、難しいかもしれません。
60円の下値支持線も、同様です。
その一方、55円の下値支持線は、超強力です。歴史的な円高記録の為替レートであり、2008年のリーマンショックの暴落も跳ね返した実績を持っています。
よって、ゆったり為替は、豪ドル円=55円を円高目途と考えています。
ユーロ豪ドル(EURAUD)
次に、ユーロ豪ドルを見ましょう。こちらも、月足チャートです。
長期でチャートを見ますと、豪ドルの暴落という表現は当てはまらないかもしれません。
といいますのは、下のチャートの通りです。
2008年まで、ユーロ豪ドルは一定のレンジ内で動いてきました。リーマンショックを契機として下方向に抜けたのですが、再び元のレンジに戻っただけだと言えそうです。
ユーロ豪ドルの上値目途
では、上値の目途はどのあたりになるでしょうか。1992年~2008年のチャートを見ながら、考えましょう。
上のチャートに、補助線を2本引きました。上値抵抗線です。このあたりまでは上がりやすいだろう、と見通しを立てられます。
- 1.88
- 2.05
この記事を書いている時点では、ユーロ豪ドルは1.88よりも大幅に下にあります。よって、上昇余地が比較的大きいと見ています。
豪ドルNZドル(AUDNZD)
最後に、豪ドルNZドルを見ていきましょう。こちらは、セントラル短資FXのチャートです。
豪ドルNZドル=1.00というのは、歴史的な安値圏です。直近では、2015年に記録していることが分かります。
では、2015年に1.00183を記録したとき、値動きはどうだったのか?です。
2014年から2015年にかけての、週足チャートを見てみましょう。
2014年10月末にピークを付けて、そこから勢いよく下落している様子が分かります。そして、4月初めに底値を付けています。
特徴としては、1.00直前で下落が止まり、弱いレンジを作った後に、一気の上昇です。
この形が今回も出るかどうか?です。直近の週足チャートを見てみましょう。
1.00166で急ブレーキがかかっている様子が分かります。1.00は、過去50年近く機能してきた下値支持線です。
簡単には破られないだろう、と見通しを立てられます。
今後、下落と反発が繰り返されて、2015年と同じような形になれば、ゆったり為替は買いたいと考えています。
(正確には、リピート系注文の買いを始めたのですが、すぐに止めました。値動きがおかしいと見たためです。少しだけ買っているポジションは、1.00を下回ったところで損切り予定です。)
オーバーシュートも警戒
なお、豪ドルNZドルを買っている人の多くは、1.00の少し下に損切り注文を出していることでしょう。
すなわち、売り注文が集中している可能性があります。
1.00を下回ると、一時的に大きく下落する可能性を考えています。いわゆるオーバーシュート(為替レートの行き過ぎ)です。
オーバーシュートが起きる場合、反発を狙って買いたいと考えています。できるかどうかは、運も必要ですが。
豪ドルの回復見通し
では、豪ドルの回復はいつになる?ですが、全く分かりません。下の二つが実現したときになりそうです。
- コロナウイルス問題の収束
- 世界経済の回復
よって、年単位で待つ必要があるのでは?という見通しを持っています。