かつて、ゆったり為替はチャートを紙に描きまくっていました。具体的には、ポイント・アンド・フィギュアです。
これができるのは、スイングトレードだからだと思います。デイトレードだと大変です。そこで、チャートを紙に描くメリットを考えます。
チャートを紙に描くデメリット
メリットを考える前に、先にデメリットを簡潔に確認しましょう。こちらは、特に言及するまでもなく分かるように思います。
- 面倒臭い
- 時間がかかる
- 大きな紙が必要になる
- 保管が面倒くさい
こんなところでしょうか。
FX業者のシステムにログインすれば、カラーで美しいチャートを見られます。インジケータも、簡単に表示できます。
なのに、なぜわざわざ紙に描くのか?という感じになります。
メリット
では、メリットを確認してみましょう。
値動き一つ一つに意識を向けられる
取引画面でチャートを眺める場合、ローソク足1つ1つへの注目度は小さくなりがちです。
全体的な形や流れをざっと見て、キーポイントとなるローソク足とその周辺について、注目します。
その他のローソク足については、見えているけれども意識されないという扱いです。
一方、紙に描く場合、毎日の値動き一つ一つを目で確認して、紙に転記します。このため、取引画面なら流してしまう為替レートでも、一定の注意を払うことになります。
すなわち、「本来なら注目すべきなのに、自分の知識不足等から飛ばしていた為替レート」を減らすことが可能です。
縮尺の変化がない
この意味ですが、チャートを見ながら確認しましょう。下は、ユーロ米ドルの日足チャートです(DMMFXから引用)。
上のチャートは、特に問題ありません。レンジで動いていると分かります。縦軸を見ますと、1.22~1.25くらいで動いていることが分かります。100pipsごとに横線が引かれています。
数か月間、この値動きが続きますと、頭もこの値動きに慣れてきます。すなわち、1日あたり50pips~100pipsくらい動き、レンジで推移していると認識します。
そして、下のチャートは、レンジが終わった後のユーロ米ドルです。チャート左側の白枠は、上のチャートの値動きです。
今までは、チャート画面いっぱいにレンジが表示されていました。しかし、下落トレンドになると、レンジは上の方に追いやられて、小さくなりました。
それに伴い、縦軸の表示範囲も広くなります。1.15~1.25くらいになっています。250pipsごとに横線が引かれています。
上側のチャートでは、100pipsごとでした。
この大きな変化に対して、頭がついていけないことがあります。すなわち、トレードできずに画面をただ眺めるだけになります。
チャートの設定を変えて、縦軸の広さを一定に保つこともできます。この場合、チャートの全貌を見るためには、画面を上下に動かす必要があります。
すなわち、チャート全体を把握するのが難しくなります。
多くの場合、縦軸の広さは自動調整にしているのでは?と思います。
紙の場合、この種の問題はありません。チャートが上下に大きく動いて紙が足りなくなれば、紙を追加すればOKです。
どこで何があったかを記録できる
何か重要なイベントがあったとしましょう。そして、為替レートが動きました。
紙の場合、これを記録するのは簡単です。チャート内に書けばOKです。
FX業者のチャートも、日々進化しています。チャート内に、自分でメモを書ける機能を実装しているところがあります。
よって、紙のチャートだけができるというわけではありませんが、次の項目と合わせて考えると、紙の方が有利かなと思います。
過去チャートが消えることもない
FX業者のチャートの場合、日足で5年も10年も前を表示できるわけではありません。
サービス開始以来のチャートを全て表示すると、あまりに重くなってしまいます。そこで、ある程度昔のチャートについては、表示できないようにしています。
この場合、チャート内にタイプしたメモも、消えてなくなります。
すると、「10年前のあのときの様子はどんなだったかなあ?」というのを確認できません。しかし、紙なら、可能です。
ただし、これを必要とするのは、長期に渡るバックテストをする人だけかもしれません。
チャートを紙に描くべきか
では、多くの人にとって、チャートを紙に描く価値があるかどうか?を考察してみます。
結論としては、「気合があるならやってもいいけれど、必須ではない」だと言えそうです。
日足や週足でトレードする場合は、紙に描くのも選択肢になりそうです。1時間足などだと、忙しすぎて間に合わないのでは?と思います。
ゆったり為替は、紙に描いてきました(2019年11月時点で、もう描いていませんが)。
具体的には、ポイント・アンド・フィギュアのチャートを描いてきました。それが今のトレードにどれくらい貢献しているか、正直なところ分かりません。
(少なくとも、マイナス効果ではないと思います。)
明示的に分かるのは、取引画面でローソク足チャートを見ると、自動的に脳内変換してポイント・アンド・フィギュアのチャートが理解できるという点です。
取引画面でポイント・アンド・フィギュアのチャートを見ると、とても見づらいです。×と〇がひたすら並んでいるわけですから、それは仕方ないです。
ポイント・アンド・フィギュアを表示できないFX業者は、いくつもあります(見づらいから)。
この点、脳内変換で理解できるようになるなら、メリットになります。
まだFXで継続的にプラスの成績を出せず、どのようにして良いかもわからず途方に暮れているなら、チャレンジする価値があるかもしれません。