少々刺激的なタイトルにしてみました。
FXで勝てるトレード手法(=ロジック)を見つけるために、ゆったり為替は数多くの例を検証してきました(変数を変えても1パターンと考えて良いならば、数えきれない数です)。
勝率100%のロジック
数多くのバックテストをすれば、勝率が高いものも低いものも出てきます。バックテストを繰り返すうちに、あることに気づきました。
それは、勝率100%のロジックを作ることは、意外に簡単だということです。
マイナー通貨ペアは、特徴的な値動きをしやすい
マイナー通貨ペアは、バックテストをするのに都合が良いです。なぜか?ですが、独特な値動きをすることがあるからです。
ならば、その独特な値動きがやって来るのを待って、取引すれば勝利できるはずだ!ということです。
では、勝率100%の例を3つご案内しましょう。実に簡単な方法です。
ロジック1:豪ドル/NZドル
最初にご案内するのは、豪ドル/NZドルです。下の週足チャートは、トライオートFXからの引用です。
2014年以降、豪ドル/NZドルは1.00~1.14という狭い範囲内を動いてきました。さらに書きますと、1.00という下値支持線は、1973年以降ずっと機能しています。
50年近くも有効な下値支持線ですから、一般的なチャート分析の下値支持線と比べて、強さが全然違います。
そこで、豪ドル/NZドルが1.00に近づいたら買って、ある程度上昇したら売るというロジックが完成します。バックテストしても、全勝です。すなわち、勝率100%です。
この手法の良い点は、「1.00に近づいたら」という、ぼんやりした条件で買ってOKという点です。同様に、決済の位置もぼんやりしています。含み益になったら利食いです。
すなわち、トレードを実行するのも簡単だというオマケつきです。
今後も1.10~1.14の間で動き続けると思うなら、ループイフダンやトライオートFXを使って、利食いをひたすら繰り返す方法もあります(トラリピでは取引できません)。
ロジック2:米ドル/香港ドル
次は、米ドル/香港ドルです。こちらもマイナー通貨ペアです。下の週足チャートは、YJFX!からの引用です。
米ドル/香港ドルは、7.75~7.85の間でしか動きません。なぜなら、香港の金融当局がそう決めたからです。よって、ロジックも簡単に決まります。
7.75付近で買い、少し含み益になったら決済
7.85付近で売り、少し含み益になったら決済
実に簡単です。米ドル/香港ドルはとてもマイナーなので、良い取引条件のFX業者がほとんどありません。そんな中、頑張っているのはYJFX!です。
ちなみに、損切りする位置は、7.75の少し下と、7.85の少し上です。
なお、この政策がいつ終わるか、そして、穏やかに終わってくれるか?も重要な点です。よって、取引する場合は、十分に小さな数量にする必要がありそうです。
ロジック3:豪ドル円
3つ目に、ようやくメジャー通貨ペアの登場です。豪ドル円です。下は、1995年以降の長期チャートです。
これはもう簡単で、「豪ドル円=60円を下回ったら買い」です。
あとは為替レートが大きく円安になるのを待って、利食いします。上2つの場合に比べて、利幅がとても大きいのが特徴です。
勝率100%ロジックの特徴
例として、3つのロジックをご案内しました。
勝率100%のロジックと言うと、上の豪ドル円の場合のように、「確かに勝率100%だけれど、次はいつになったら取引できるの?」という例が少なくないでしょう。
しかし、豪ドル/NZドルと米ドル/香港ドルの2つの場合は、比較的頻繁に取引機会がやってきます。
しかも、取引方法が単純明快です。「このインジケータとあのインジケータが交差したら…」という難しさは、全くありません。
また、上の3つは検証期間が長いのも特徴です。直近の1か月だけ有効だった、あるいは半年だけ有効だった、という性質ではありません。年単位です。
これらは、大きな特徴だと言えるでしょう。
結論としては、タイトル通り、「バックテスト勝率100%のロジックを作るのは簡単だ」と言えそうです。
勝率100%ロジックの注意点
なお、どんな手法にも注意点があるように、この勝率100%ロジックにも注意点があります。
それは、「過去の為替レートで検証した結果、勝率が100%だった」ということです。これはバックテストの限界です。将来の為替レートを使って検証できませんから、これはどうしようもありません。
しかし、通常のロジックと違って、下値支持線がとても長期間続いているなどの特徴があります。
そこで、バックテストの限界を承知しつつ、上のロジックをいかにトレードに反映させるか?を考えるのも、とても興味深いでしょう。トレード自体は、とても簡単な内容です。
バックテストの信頼度
次に、バックテストの信頼度の確認方法についてです。
バックテストの結果、勝率100%の例が見つかりました。しかし、この結果は、将来の値動きを保証しません。
では、バックテストに価値は全くないかと問われると、そんなことはないでしょう。ゆったり為替の経験では、バックテストはある程度の価値を持っています。
バックテストに価値がないと仮定すると、おそらくチャート分析も無効だという判断になるでしょう。
チャート分析とは、過去の値動きを視覚化して、将来の値動きを考察する行動を言います。過去を見て将来を考えるというあたり、まさにバックテストと同様です。
フォワードテスト
ここで、バックテスト結果を実際にトレードに反映するにあたり、教科書的に順序を書いてみます。
- 「これいいんじゃない?」というパターン発見
- デモトレードで取引して、そのパターンが有効か確認
- 資金を投入してトレード実行
何か有効なパターンを見つけたら、実際に資金を投入する前にデモトレードします。そして、有効性を再確認します。これをフォワードテストと言います。
フォワードテストをして有効だと分かったら、満を持して資金を投入しましょうということです。
しかし、ゆったり為替は、フォワードテストを実行したことがありません。我慢できないからです。
デモトレードで取引をしていると、時間がもったいないような気がしてイライラしてしまいます。そこで、極めて少額で取引します。極めて少額ならば、負けても痛くありません。
イライラを回避できます。
今のFX取引は、顧客にとって有利な環境が整っています。SBIFXトレードならば1通貨から取引できますし、マネーパートナーズならば100通貨から可能です。
フォワードテストをしなくても、少額を投入することで、いきなり実戦に持ち込むことも可能です。
月足の場合、数円程度は誤差
米ドル円の取引について、ゆったり為替の実例をご案内しましょう。下は、1993年以降の米ドル円のチャートです。
1995年(チャートの左側)で、大きく円高になっています。79円台を記録しました。そこで、今後大きな円高になる場合、79円が目安になります。
こういった簡単な内容も、バックテストの一部とみなせます。
その後、2010年になり、泥沼の円高トレンドがやってきました。どこまで円高になるんだ…という感じでしたが、日銀の積極的な市場介入もあり、75円台で踏みとどまりました。
その後、円安になっています。
米ドル円=79円という数字を厳しく考えすぎると、80円前後で買えても損切りという選択肢になってしまいます。
過去の経験を踏まえて考えますと、「月足の場合は数円程度は誤差である」と考えると、トレードしやすくなるように思います。
週足や日足の場合は、もちろん誤差の範囲をもっと狭くします。
バックテストは過去の話だと割り切って、現在の相場を見ます。難しい話ですが、繰り返しトレードをすると、何となく勘所がつかめるようになるかもしれません。
次回、いつの日か超円高がやってくるときには、70円台後半を目途として意識できそうです。