当ブログにおいて、2014年8月末~2015年9月初めにかけて、両建てトラリピを実行しました。デモトレードです。
その結果を見ながら、両建てトラリピは実際に採用する価値があるかどうかを考えます。
両建てトラリピの設定
今回採用した設定は、以下の通りです。デモトレードですので、積極的な設定ができます。
取引数量 :1注文1,000通貨
トラップ範囲 :54.20円~95.00円
トラップの幅 :20銭
利食い :50銭(500円)
損切りレート :54.00円
トラップ範囲 :68.00円~107.80円
トラップの幅1 :95.00円~107.80円は20銭
トラップの幅2:68.00円~ 94.80円は40銭
利食い幅 :50銭(500円)
損切りレート :108.00円
豪ドル円の長期チャート
豪ドル円の長期チャートは、下の通りです。赤枠は買い注文の範囲、緑枠は売り注文の範囲です。
チャートは、2018年までを表示しています。上の設定で取引していれば、延々と取引できたことを示しています。
両建てトラリピの結果
トレードした結果は、以下の通りです。
青線は、利食いとスワップポイント損益の合計です。赤線は、評価損益の推移です。そして、黒線は、2つの損益の合計を示しています。
トレード期間は、2014年8月末から2015年9月初旬までです。
と言いますのは、2015年9月でデモトレードのサービスが終了してしまい、継続不可能となったためです。
デモなので、サービスが途中で終わってしまっても、仕方ありません。以下、取引設定と結果を参照しつつ、両建てトラリピの分析を試みましょう。
2015年8月の成績悪化
損益グラフを見ますと、概ね1年近く、グラフは右肩上がりで推移しました。
しかし、右端部分で、赤線が大きく沈んでいる様子が分かります。これは、豪ドル円が100円から80円割れになる過程で発生しました。
買いポジションが増え、それに伴って含み損も増えたことを意味します。
その一方で、青線は大きく右肩上がりになっていることが分かります。
これはすなわち、急激な円高になりつつも、途中の反発で利食いを繰り返したことを意味しています。
含み損が増えても構わない
この長期トラリピは、54円~108円という巨大な範囲で発注しています。
よって、豪ドル円が100円から80円割れになっても問題ありません。想定の範囲内です。
含み損はありますが、利食いを続けます。すなわち、利食い額がどんどん蓄積し、そのうち含み損の金額以上になるでしょう。これが、両建てトラリピが目指すところです。
超円高を想定すると
ここで、豪ドル円が60円よりも円高になる場合を想定しましょう。
- 売り取引で、利食いを何回も実現
- 買いも同様に、多数の利食い実現
- 売りに比べて買いポジションが多いため、スワップポイントはプラスが見込まれる
- 円高になる以前の実現損益累計額が相当額ある
このため、買いポジションの含み損は大きくなるでしょうが、トレードを続けることは可能です。ただし、損切りレートに到達するときはトレード終了です。
なお、買い注文の最高値は95円に設定しています。
このため、実際に50円台が実現すると、含み損が大変大きくなるでしょう。この含み損が嫌な場合は、円安部分での買い注文を発注しないという案を検討できます。
損益の要素3つ
ここで、トラリピの損益に影響を与える要素3つについて考察してみましょう。
この3つを元に、両建てトラリピの勝算を考えてみます。
スワップポイント
豪ドル円の場合、買いのスワップポイントはプラス、売りのスワップポイントはマイナスです。
円高のときには買いポジションが増えます。よって、スワップポイントはプラスになります。逆に、円安のときは売りが増えるため、スワップ損になると予想できます。
為替レートは、上下動を繰り返します。よって、長期的に考えると、スワップポイント損益の影響度は小さいと想定できます。
決済損益
両建てトラリピですから、為替レートが上昇しても下落しても利食いします。
損切りする場合を除き、ひとたび得た利益は減ることがありません。日々のトレードで利益が積み重なります。
よって、為替レートが上下動すればするほど、利食い額の蓄積も早くなります。
評価損益
評価損益は、累積しません。
例えば、豪ドル円=95円で買ったポジションについて、豪ドル円=90円になったら評価損はマイナス5円です。85円になったら、評価損が10円になります。
その後、豪ドル円が急上昇して100円になったとしましょう。すると、含み損はきれいに消えて、含み益になります。
すなわち、取引値と現在値の差額が含み損益となり、その数字は累積しません。その一方で、利食いで得られる資金は、どんどん積み重なっていきます。
このため、時間が経過するにつれて、評価損益の影響力は小さくなるでしょう。
勝算に関する結論
以上のことから、以下の通り言えそうです。
取引開始当初は、評価損益がトータルの損益に大きな影響を与えるため、大幅評価損になりやすいでしょう。しかし、利食い額が積み重なり、最終的には含み損よりも大きくなります。
この想定が外れるときは、為替レートが損切り目途に達する場合です。しかし、損切りされても利益が残るくらい利食いを繰り返せば、問題ありません。
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