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仮想通貨(暗号資産)

ビットコインなど仮想通貨の両建て手法

2019年10月22日

FX(外為FX)で両建て手法があるなら、仮想通貨でも両建てできるよね?というわけで、ビットコインを含む仮想通貨の両建て手法を考察します。

この記事では、外貨のFXを「外為FX」と呼び、仮想通貨のFXを「FX」または「レバレッジ取引」と呼ぶことにします。

違う分野の取引なのに、使われる単語が同じです。何かとややこしい…。

両建ての特徴

外為FXでも仮想通貨でも、両建てが意味する内容は同じです。同じ通貨ペアで、同時に、買いと売りの両方のポジションを持つことです。

すなわち、両建てで利食いしようと思うと、少々難しいです。

買いポジションの含み益を増やすと、売りポジションの含み益が減ります(または、含み損が増えます)。よって、買いと売りで同時に含み益を増やすことができません。

下の図は、買ってから、上昇して売りに成功したという両建ての様子を描いています(買いと売りで同数)。

この後、価格が上がっても下がっても、合計で含み益を維持します。しかし、合計の含み益は大きくなりません。片方の含み益が大きくなると、もう一方の含み損も大きくなるからです。

両建て

そこで、買いのポジションを利食いしたら、その後、値動きが反転して売りのポジションの含み益が増える…そんな取引が期待されます。

しかし、そんな高難易度のトレードをするくらいなら、買いだけ(または売りだけ)で取引した方が合理的です。

なぜ、両建てをするのでしょうか。

それは、両建ての方が都合が良い状況があるからです。それを考察する前に、仮想通貨独特の問題点を考察しましょう。

仮想通貨独特の問題

仮想通貨独特の問題とは、スワップポイント(レバレッジ手数料)です。

外為FXの場合、買いのスワップポイントがマイナスなら、売りはプラスの場合が多いです。両方ともマイナスという場合もありますが、それは少数派です。

よって、スワップポイント狙いの取引が成立します。

しかし、ビットコインを含む仮想通貨の場合、レバレッジ手数料が厳しいです。買っても売ってもマイナスです。しかも、マイナスの幅がとても大きいです。

下は、主な取引所等のレバレッジ手数料です(この記事を投稿した時点の、1日あたりの数字です)。下の数字と保有額を掛け算した額を、毎日支払います。

  • GMOコイン:0.04%
  • DMM Bitcoin:0.04%
  • Liquid by QUOINE:0.1%

極めて厳しい数字です。1日あたりでは分かりづらいかもしれませんので、年率換算します。

  • GMOコイン:14.6%
  • DMM Bitcoin:14.6%
  • Liquid by QUOINE:36.5%

年率14.6%とはすなわち、消費者金融でお金を借りながらトレードするイメージでしょうか。Liquid by QUOINEの36.5%は…。

というわけで、いかにしてレバレッジ手数料を払わずにトレードするか?が重要なポイントになりそうです。

レバレッジ手数料がそんなに厳しいなら、仮想通貨でなくて外為FXにすれば?という話が出そうです。しかし、仮想通貨ならではの良さがあるので、そこを利用します。

仮想通貨のメリット

外為FXと比べる場合の仮想通貨のメリットは、少なくとも4点ありそうです。

  • 仮想通貨を現物で保有できる
  • 板取引ができる
  • 値動きが圧倒的に大きい
  • プロは、まだ少ないようだ

外為FXは、剛腕のプロがひしめく世界です。その中で個人投資家が生き残るのは大変です。それに比べれば、仮想通貨の方が生き残れるかもしれません。

相場のプロが大活躍するには、仮想通貨市場はまだ小さすぎるように思います。そこが狙い目です。

レバレッジ手数料の不利を補って余りある…かもしれません。

両建て取引が合理的な場合

さて、両建て取引が合理的な場合を見ていきましょう。少なくとも2つあるように思います。

  • レンジ相場で短期間で成果を上げたい場合
  • 安値で現物を買い、それを短期トレードに生かす場合

順に、トレード手法をご案内します。

レンジで一気に成果を上げる

レンジとは、一定の価格帯で値動きが推移する状況を指します。下は、ビットコインの1時間足チャートです(GMOコインから引用)。

ビットコインの1時間足チャート

最終的には価格が上昇していますが、その前はレンジだったと分かります。

ここで、数多くの価格で買って、細かく利食いを繰り返すという方法を採用したとしましょう。すなわち、ビットコインで手動トラリピです。

イメージ図は、下の通りです。

青い曲線は、ビットコイン価格の推移を示します。青丸の価格4つで買って、一定の含み益になったら売っています。そして、価格が下がったら再度買います(以下、繰り返し)。

リピート系注文

上のGMOコインのチャートの場合、1時間足です。すなわち、このレンジは長期間続かないと見込まれます。よって、短時間でたくさんの利食いを繰り返す必要があります。

また、レンジが終わった後、価格は上昇するか下落するか予想はできますが、確定的ではありません。

ならば、レンジの間に少しでも利食いを繰り返そう!となります。最終的にレンジは終了します。その際に損切りが発生すると見込まれますが、利食い額の方が大きければOKです。

(利食い額合計)>(損切り額)

このトレードは、トータルでプラスになります。すなわち、成功です。

こういう時、両建てが重宝します。買いだけ(または売りだけ)の場合に比べて、利食いチャンスが最大で2倍になります。その分だけ、短期間で利食い額を積み上げられます。

短期間ですから、レバレッジ手数料は気になりません。1日で0.04%ですが、利食い額の方が圧倒的に大きくできます。

安値で買って取引

もう一つの方法は、損切りでの損失を前提としない方法です。

最初に、安値で仮想通貨を買います。現物で買います。

仮想通貨が盛り上がる前に買って保有している、という例でも良いでしょうし、値動きの中で安値で買えた!という場合でも良いでしょう。そして、仮想通貨価格が十分に上昇するのを待ちます。

含み益が大きくなった段階で、利食いしても良いでしょう。しかし、ただ利食いするのはもったいない、と考えたとします。この場合に、両建ての手法を使えます。

具体的には、下のリンク先の手法の一部を使います。

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詳細は上のリンクをご覧いただくとして、ここでは概要と追記を解説します。下の画像は、ライトコインの板取引画面です(レバレッジ取引)。

GMOコインの板

手順1:安値で仮想通貨を買う

先ほどご案内しました通り、安値で仮想通貨を買います。安値になるのを待っていられない!という場合は、無料でビットコインをもらいましょう。

そして、そのビットコインを、トレードしたい仮想通貨と交換します。下のリンクは、無料でビットコインをもらう方法をご案内しています。

仮想通貨は、無料でもらえるのがメリットです。簡単にたくさんもらえるわけではありませんが、塵も積もれば山となる、です(外為FXだと、ポジションをもらうのは無理そう…)。

そして、練習を兼ねて少額で取引して、「これはイケる!」と分かったら、自己資金を投入します。

無料でもらう場合、購入価格は安値どころの話ではありません。0円ですから最強です。

手順2:スプレッドが大きいことを確認

さて、現物で仮想通貨を準備したら、次に移ります。

上の板の画像で、最も安い売り注文(赤枠)は5,920円、最も高い買い注文(青枠)は5,859円です。すなわち、スプレッドは61円です。ライトコイン価格に比べて、1%以上のスプレッドがあります。

このスプレッドは、広ければ広いほど良いです。そして、取引がそこそこ活発であることも確認します。

手順3:最も安い売り注文あたりで、指値売り

上の手順2でちょうど良い仮想通貨が見つかったら、最も安い売り注文付近の価格で、指値売りします。これはFXを使います。

うまく売れれば、両建てになります。

  • 現物の保有(買いポジションとみなせます)
  • 売りポジション(FX、レバレッジ取引)
手順4:売りポジションを利食い決済

次に、売りポジションを決済します。買う位置は、「最も高い買値」付近です。上の板でいえば、5,859円です。

うまく利食いできれば、投資額に対して1%強の利幅となります。

すなわち、この取引を90回~100回繰り返すと、資金が2倍になります(スプレッドの大きさで、必要な回数は変わってきます)。

あるいは、スプレッド分の利幅でなく、もっと大きい利幅を狙うことも可能です。仮想通貨格が下落すると思う場合は、価格が下落してから利食い決済します。

利食いできない場合

上は、ハッピーエンドの場合です。しかし、いつも利食いできるとは限りません。何らかの理由で、利食いできない場合を考えましょう。

すなわち、指値で売った後に、価格が上昇してしまった場合です。本来ならば損になるはずですが、損になりません。

なぜでしょう?それは、「安値で買った仮想通貨を、現物で保有しているから」です。

  • 売りポジションを損切り
  • 損切りと同額くらいの利益になるように、現物の仮想通貨を売却

この取引をすれば、損失はゼロになります。

ということは、売りポジションが含み損になってしまっても、慌てて損切りする必要はありません。価格が上昇して含み損が増える一方で、現物の仮想通貨は含み益が増えるからです。

そこで、レバレッジ手数料支払い時刻になるまで、売りポジションの損切りを我慢して粘ります。

レバレッジ手数料の支払時刻が近づいたら、仕方ありません。損切りすると同時に、現物の仮想通貨を売ります。こうすれば、損しません。

損切りしているのに損しないという、両建てのメリットが大いに発揮される事例です。

なお、損しないことを確実にするため、「売りの数量は、現物保有で持っている数量よりも十分に小さく」しましょう。現物の含み益で、売りの損失をカバーするからです。

指値で取引すると、取引手数料をもらえる

ちなみに、上のように指値で取引すると、取引手数料をもらえる取引所が存在します。

支払うのではなく、もらえます。外為FXや株式の世界では信じられない現象が、仮想通貨では起きています。

代表格は、GMOコインです。下の手数料は、現物取引の場合です(レバレッジ取引の場合は、手数料無料)。

  • メイカー手数料:△0.01%
  • テイカー手数料:+0.05%

メイカーとは、指値注文を使って板に注文を並べる取引です。テイカーとは、成行注文などで、板に並んだ注文を使って売買する方法です。

両建てで取引した結果、うまくいかず、損益ゼロになったとしましょう。それでも、資産は増えます。

なぜなら、取引手数料をもらえるからです。GMOコインの場合、取引額の0.01%の取引手数料をもらえます。外為FXでは考えられない現象が、仮想通貨で可能です。

この手法で損する場合

では、この両建てで損するのは、どんなときか?です。それは、「安値で買った仮想通貨の価格よりも、現在の価格が安値になる場合」です。

すなわち、最初にいかに安く買うか、これが勝負だと言えそうです。

無料でもらう場合は、0円で買ったのと同じです。すなわち、損することはないという状態です。これは最強です。ただし、1回の手続きでもらえるビットコインは、わずかです。

繰り返し手続きして、ビットコインを貯めましょう。

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