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仮想通貨(暗号資産)

暗号資産(仮想通貨)のレバレッジ取引で儲かる人の割合

2020年5月9日

FX(外国為替証拠金取引)では、損失で終わる顧客の割合は何%なのか、全く分かりません。そこで、予想することになります。

下のリンクでは、フランスの金融庁が公開したデータを元に考察しています。

という状況で、暗号資産(仮想通貨)取引所のTAOTAOが、顧客の損失割合を公表しました。

レバレッジ取引で損した・儲かった顧客の割合

下のグラフは、TAOTAO株式会社CEOの荒川佳一朗様による公開資料です。一番右が、最新の数字です。

  • 利益口座数:793
  • 全口座数:4,199
  • プラスの顧客割合:18.9%

レバレッジ取引で利益を上げた人の率

この成績が意味するところを考えてみます。

最終損益こそが重要

このグラフの読み方ですが、「毎月末時点で、レバレッジ取引をしたことがある顧客のうち、何%がプラスだったか」です。すなわち、「1か月間で取引した顧客」ではありません。

過去に1回でも取引実績があれば、集計に入っています。

トレードというのは、1か月間の成績はあまり重要ではありません。最終的にプラスだったかどうかが重要です。例えば、以下の場合で考えましょう。

  • 1か月目:1万円のプラス
  • 2か月目:1万円のプラス
  • 3か月目:1万円のプラス
  • 4か月目:1万円のプラス
  • 5か月目:10万円のマイナス

この場合、集計期間が1か月ごとですと、4勝1敗になります。あたかも資産が増えたかのような印象になります。しかし、実際には6万円の損になっています。

今回の公開情報のあり方は、より正確な顧客成績を把握するために、とても有効です。

FXと比較

では、この数字は、FX(外国為替証拠金取引)と比べて、どうでしょうか。

この記事の冒頭で、FXで負けている人の割合に関する記事をご案内しました。そこでは、以下の通りです。

  • 買った人:10.6%
  • 負けた人:89.4%

FXで負ける個人投資家の割合

暗号資産(仮想通貨)と比べて、勝った人の割合が小さいと分かります。

なお、このデータは、フランス金融庁が実際のトレード成績を元にして分析したものであり、信頼性がとても高いです。しかし、フランスの分析であり、日本ではありません。

その点を割引いて考える必要があります。

割引いて考えても、暗号資産(仮想通貨)のレバレッジ取引の方が、有利に見えます。利益が出ている口座の割合が高いからです。

暗号資産(仮想通貨)の方が有利なのか

では、FXよりも、暗号資産でレバレッジ取引をする方が有利なのでしょうか。注意が必要ですので、確認しましょう。

計測期間

注意点の一つは、計測期間です。この数字は、TAOTAOのサービス開始以来の数字です。すなわち、何年も経過した後に出てきた数字ではありません。

まだ1年に満たない期間です。よって、成績にブレがあるかもしれません。

ビットコイン価格との連動性

また、ビットコイン価格と成績の間に、一定の関係を確認できます。下のグラフは、利益を上げた口座の割合を示したグラフです。

横軸の数字は、月です(2019年5月~2020年3月)。

儲かった顧客割合

そして、下は、ビットコイン価格の推移です(コインチェックから引用)。2019年7月末からとなっています。

ビットコインのチャート

TAOTAOで利益を上げた口座割合を見ますと、2019年9月まで下落が続いています。この期間、ビットコイン価格も下落を続けました。

そして、2019年10月に、成績が向上しています。ビットコイン価格を見ますと、2019年10月下旬に、価格が跳ね上がっています。

しかし、ビットコイン価格は、11月にかけて下落しました。それに合わせて、顧客成績も悪化しています。

2020年1月になると、再び顧客成績は向上しました。ビットコイン価格も上昇しています。しかし、2月下旬に価格が下落すると、顧客成績も悪化しました。

要するに、「ビットコイン/円を買う顧客が多いため、顧客成績はビットコイン価格次第である」と言えるかもしれません。

よって、最新の成績を見て、顧客の成績が18.9%のプラスだからといって、FXよりも暗号資産(仮想通貨)の方が優れていると即断できそうもありません。

取引高の推移

しかし、それでもなお、もしかしたらFXよりも暗号資産(仮想通貨)の方が良いかもしれないといえるデータがあります。取引高です。

下は、TAOTAOの取引高データです。FXと比べて、圧倒的に少ないです。

取引高

他社の取引高はどうなのか不明ですし、世界全体の取引高も不明です。しかし、FX(外国為替証拠金取引)と比べて、桁違いに少ないことは確実でしょう。

スーパーマン不在の可能性

それはすなわち、「トレードのスーパーマンが相場に参入しづらい」ことを示します。

FXだったら、1取引で100万通貨でも簡単に約定します。米ドル円で100万通貨と言えば、1億円以上です。しかし、仮にTAOTAOで1億円分のビットコインを一度に買ったら、どうなるでしょうか。

価格が急上昇してしまい、とんでもない大騒ぎになることでしょう。いったいどこまで上昇するのか、予想もつきません。

(FX並にカバー取引の制度が発達していれば、この種の心配は不要でしょう。しかし、FX並になっているか?と問われると…どうでしょう?)

1億円分のビットコインを買いたかったら、複数の取引所等で、少しずつ買うことになるでしょう。自分の売買が価格形成に影響しないよう、慎重に売買します。

トレードのスーパーマンにとって、そんな面倒臭いことはしたくないはずです。FXで簡単に取引したいです。

要するに、スーパーマンが自由に売買しようと思っても、流動性が小さいという問題があります。

ということは、暗号資産(仮想通貨)を取引する人は、FXに比べて一般人の割合が高いと期待できます。スーパーマンが少なければ、その分だけチャンスが広がります。

流動性は、顧客にとっても重要

では、「いつでも好きな数量を売買できる」という流動性は、どれほど重要でしょうか。

…一般の顧客にとっても、大変重要です。

と言いますのは、「今が買いチャンスだ」と思っても、流動性がなければ、買いたい価格で十分に買えないからです。同様に、「ここで売りたい」と思っても、買ってくれる人がいなければ売れません。

流動性は、無視できない重要項目です。よって、流動性が少しでも高いところで取引したいです(もちろん、手数料が安いことも重要)。

流動性が高い低いの判断基準ですが、取引口座にログインして発注状況を見ると、すぐに分かります。流動性が高いところは、板に注文がたくさん並んでいます。

FXのような相対取引の場合は、流動性は良く分かりません。よって、スプレッドで判断することになるでしょう。

あとは、取引が集中したときに取引停止措置をしたことがあるか?も判断基準になるでしょう。取引停止とはすなわち、買いたいときに買えない、売りたいときに売れないということです。

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