カナダドル円でトラリピをする場合の、最適な長期取引設定を考察しましょう。
カナダドル円の長期チャート
トラリピで長期に取引したい場合、チャートも長期表示が必要です。そこで、月足で確認しましょう。チャートはM2Jからの引用です。
カナダドル円のチャートを見ますと、とても特徴的な値動きだと分かります。
特徴的だということは、とても良いことです。と言いますのは、その特徴を利用して取引できるからです。
カナダドル円の特徴
上のチャートを見ながら、大まかに特徴を把握します。
安値(円高)の位置
高値と比較して、安値の部分は、おおむね一定の為替レートになっていることが分かります。すなわち、カナダドル円=70円くらいの位置です。
2008年のリーマンショックのときでさえ、70円を大きく下回ることはありませんでした。
ということは、トラリピをする際も、70円を意識しながら取引すればよいということになります。トラリピで買う場合、下限は70円が候補になります。
狭い範囲でのレンジ
チャートを見ますと、大きな山が2つあるように見えます。その山を除いた部分は、値動きの範囲が狭いと分かります。
大雑把に見て、値動きの範囲は15円から20円くらいです。
ということは、安値は70円を意識しますので、トラリピの設定範囲は70円~90円くらいが良いのかなあ?と想定できます。
高値(円安)は一時的
チャートの左側を見ますと、大きく円安になっている部分があります。120円台です。しかし、ほどなくして元の位置に下落していることが分かります。
ということは、山になっている部分では取引しない方が良いと分かります。円安の部分で買ってから円高になると、含み損で苦しむことになるからです。
カナダドル円のトラリピ設定
では、上の簡単な分析を踏まえまして、トラリピで取引する際の上限と下限を確認しましょう。
下のチャートに線を追加しました。赤線はトラリピの下限、青線はトラリピの上限です。青線を2本描いています。これは、案として2つあることを示します。
下限の設定
トラリピ設定の下限が70円台になるというのは、多くの方に同意いただけると思います。実際の取引に当たっては、70円でなく75円あたりを下限にする場合も多いかもしれません。
70円というのは、2008年のリーマンショックにつけた値です。リーマンショックを除いて考えますと、下限はおおむね70円台半ばだからです。
ただし、歴史的な円高記録を確認しますと、70円くらいではありません。60円です。1995年に記録しています。
この数字をどのように判断するか?です。
- 昔のことだし、リーマンショックでさえ70円だったから、無視
- 昔のこととはいえ、60円近くを記録したのは事実だから、重視
これは、どちらでも正解だと思います。トレード方針次第です。
上限の設定
上限の設定は、意見が分かれるかもしれません。ゆったり為替なら、90円くらいを上限にしたいです。
90円を超えて円安で推移している期間が、比較的長いです。この期間は、カナダドル円でなく、他の通貨ペアを探して取引したいです。
と言いますのは、円安部分で買ってから円高になると、含み損が大きくなってしまうからです。
取引し続けることを重視する場合は、100円くらいを上限にできるでしょう。
カナダドル円のペナントに注意
なお、このカナダドル円ですが、大きな視点で見るとペナントを形成しています。下のチャートの通りです。
為替レートの山を、赤線で結びます。同様に、為替レートの谷を赤線で結びます。すると、この赤い線が最終的に交わることが分かります。
この形をペナントと言います。
ペナントの中で為替レートが動いていますから、次第に値動きの範囲が狭くなります。最終的にどうなるか?ですが、一般的な値動きは以下の通りです。
教科書的には、ペナントの終了時点(赤線が交わる点)の近くで、為替レートは上または下に大きく動きます。
上方向に大きく動く場合は、問題ありません。どんどん利食いします。スワップポイントもありますから、とてもおいしいトレードです。
しかし、下方向に進む場合、どうなるでしょうか。70円のラインを維持できるかどうかがカギになりそうです。
このペナントを警戒してカナダドル円でトラリピする場合は、上限を90円前後に設定するのが候補になります。
カナダドル円のスワップポイント
次に、カナダドル円のスワップポイントを確認しましょう。
スワップポイントの大きさは、FX業者によって異なります。そこで、政策金利の差で考えます。
上のグラフの通り、カナダの政策金利の方が継続的に高いことが分かります。すなわち、カナダドル円を買うと、スワップポイントはプラスになります。
今後のスワップポイントの趨勢を、確定的に読むことはできません。しかし、グラフの右端を見ますと、カナダの政策金利が徐々に上昇していることが分かります。
一方で、日本の政策金利はゼロ近辺に張り付いたままです。
よって、このグラフから予見できる範囲では、カナダドル円を買うトラリピが有利だろうと言えます。
スワップポイントは脇役だとはいえ、毎日受け渡しがあります。スワップポイントはプラスになるようにしたいです。
カナダドル円のトラリピの評価
上限を90円にする場合、下限70円(または75円)との差は、15円~20円くらいしかありません。これは、とても狭いと言えます。
この狭い範囲で、為替レートが上下動します。すなわち、以下の通りです。
- トラリピでトラップを設定する範囲は、とても狭い
- 狭い範囲で、上下動を繰り返す
- その結果、少ない証拠金で高めの利益率を期待できる
必要な証拠金額
75円~90円の間で、50銭ごとに1,000通貨の買い注文を並べるとしましょう。そして、74円になったらロスカットします。この設定で必要な証拠金は、37万円くらいです。
年単位で取引しようとしているのに、比較的少額で済みます。メリットだと言えます。
実際にどのような成績になるかというのは、トレードしてみなければ分かりません。この設定で成功するかどうかというのは、為替レートが75円を維持できるかどうかにかかっています。
心配な場合は、70円を下回っても大丈夫なようにします。さらに念を押すには、過去最低値の60円を意識します。
いずれにしましても、カナダドル円は、豪ドル/円などと並んで、トラリピの有力候補の一つだと言えるでしょう。
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